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【論考】就労移行支援事業所で知的・精神・身体障害者を区別せずに利用させるのは、合理的に考えておかしい。

 帰ってすぐにブログを書くのはあまりよろしくないのかもしれない。
 仕事のことで頭がいっぱいになり、それしか思い浮かばない。

 いつも通りパートタイマーをしていた。使えない人材なので、ただキーボードでデータを打ち込んでいる部屋へと移されたり、他にもまあ色々やっているが、結局は雑用だ。

 「このままでいいのか」という気持ちが出てくる。何も資格も取っていない。サボることばかり考える。精神的におかしくなり、窓から外の風景をぼーっと見る。

 田舎なので、会社が無い。そのせいか、障害者専用のA型B型作業所、就労移行支援事業所がたくさんある。雇用が無いために、その雇用の無さを生かした田舎独自のビジネスが発展しているのだ。

 特に、就労移行支援事業所は田舎ではかなり儲かる。特にでも無かった。A型作業所、B型作業所も人件費はほぼゼロで地方自治体からの税金、並びに契約会社との連携で、速攻で儲かる仕組みが出来ている。就労移行支援事業所や作業所が、数年で放課後デイサービスなどの事業にも乗り出すくらい、簡単に儲かる仕組みが出来ている。

 簡単に言えば、障害者は食い物にされる運命にあるのだが、家に引きこもるのも、障害者にとってはつらいことなので、結局、法の抜け穴のようなビジネスが、特に障害者雇用の少ない田舎では儲かる仕組みになっている。

 仕事に疲れ、トイレで実家の近くの就労移行支援事業所をスマホで見てみた。障害者向けのパソコン教室として成り立っており、教える内容は一番高くてExcelやWordの基礎知識。パソコンのつけかたとか、ファイルの保存の仕方とか、そういうのが書いてあった。

 無料のプログラミングスクールレベルかな、と期待していただけに、絶望感が湧いてきた。

 そもそも、知的障害者と精神障害者と身体障害者をごっちゃにして教えようとしているところに、障害者の現実に社会が追いついていないように感じる。知能レベルが違う集団に同じことを教えても、一方は難しく感じるし、また、一方は行く必要すらないと感じてしまうだろう。

 精神障害者だけの無料のプログラミングスクールとか開設してくれないかな、と思ってしまう。その事業所ではITプログラムをうたっていたが、IT=MOSレベルでは普通の会社では通用しない。田舎だからプログラミングスクールとか存在しないのかなと絶望感が漂ってしまう。

 結局、私がかつていた就労移行支援事業所で接してきた精神障害者は、肉体労働かパートタイマーでの仕事に就くことがゴールになっていた。就労移行支援事業所にとって障害者からいかに税金を取るかだけが本来の目的なわけで、本質的な障害者雇用に結びつけることはゴールではない。アルバイトをしながら就労移行支援事業所が使えないのは、どうやって生活をしていけばいいのか、法的におかしいのではないかと思ってしまう。恐らくは障害者=何もできない人、という固定概念が社会に固く存在しているから、こういうビジネスが成り立ってしまうのだと思われる。

 まだまだ、障害者になってしまった場合の不幸、というか、普通に生きていくレベルに近付けるための社会的で包括的な取り組み、法整備はまだまだ先のように思われる。

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