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多様な人が幸せに生きるためのヒント

広島から誰もが違うということを前提としたインクルーシブ教育の発信に挑戦しているNPO法人日本インクルーシブ教育研究所の中谷美佐子です。

先週日曜日オンラインで学習・発達支援員養成講座8回目を開いていました。一日講座は長時間になるため、まめに休憩をはさむようにしています。しかし、ずっと椅子に座っているのは辛い方もいらっしゃると思います。皆様、どうぞご自身の楽な姿勢で受講なさってくださいね。ぜひ!バランスボールを椅子として座ってみてください。とっても楽で姿勢も良くなりますから~

さて、先週日曜日に開催したオンライン学習・発達支援員養成講座、午前中は広島国際大学の伊藤啓介先生でした。伊藤先生には「子どもの行動理解と考え方・対応の仕方」についてお話いただきました。参加された皆さんの感想を紹介します。

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・ABA(応用行動分析)のことは少し学んでいましたが、マニュアル的にではなく、とても気持ちに寄り添った支援の仕方を教えていただけたと感じました。先生の温かい事例もたくさんで、とても興味深く楽しく聞かせていただきました。無視したらいいとよく聞きますが、ひどくなることが多く困ることもありました。チェックリストを見て、無視の前にすることがあるということがわかりました。参考にさせていただきます。ありがとうございました。【児童デイサービス】

・行動療法の考え方を教えていただき明日からの支援に役立てることが出来る内容でした。いつもためになる講座を準備していただき、学校で出会う子ども達、我が子への接し方が変わり、子ども達、私自身への幸せに繋がっています。本当にありがとうございます。【特別支援教育アシスタント, 保育士】

・お母さんの悩みに対して、いろんなアプローチがあることを罪悪感なく伝えることができそうです。【保育士】

・今回 とても良く理解できたのは、日常どこにでもある場面のお話がメインだったからです。観察の重要性を改めて感じました。目先の早い効果的な方法を取ってしまわないように周りとコミュニケーションを取って対処していきたいです。体育館に入れなくなった子の 答えが知りたいです。【特別支援教育アシスタント, ふれあい推進員】 

伊藤先生の回答→正解といった答えはありません。様々な可能性・理由を考え、そのうえでの対処法を考えていくという訓練課題です。体育館は音は響くし、照明、匂いも独特です。どこにいたらいいかも不明瞭なことが多いです。ASDの子は特に苦手でしょうね。例えば、聴覚過敏の子が集会時に他児が大きな声で騒いでいることでパニックになった。対処法としては、イヤーマフを着用する、他児が落ち着いてから入室するなどが考えられます。臭覚過敏、視覚過敏などでもそれに合わせた対応を考えます。体育館に少しずつ近づくことで不安感を減少させることも考えられます。近づいていく手順を視覚的に提示しただけで、あっさり体育館に入れた子もいます。見通しがついて安心したのかもしれません。 

中谷の回答→体育館のぼわ~んとした音は聴覚過敏のある人にとって耐え難いものです。体育館に集まるのが苦しくて不登校になる子どももいます。このように人の感覚も多様ですから誰もが同じように体育館に入ることができなくても良いといった発想も必要かもしれません。こちらを参考にしてみてください→発達障害って何だろう 聴覚が過敏「音」で極端に疲れる

・子どもとの関わりで、強化を増やすのが楽しく効果的だということがよく理解できました。その子をよく観察して記録していくことで、少しの変化に気づけるようになりたいと思います。【塾講師, 放課後児童クラブ】

・資料内容、実例を元に説明がとても分かりやすい。断片的な知識を伝えるのではなく、何のためにこうあるのか、何のためにこうするのかを明確に伝えていただいた。【保育士】

・観察、記録、強化、消去等内容がシンプルで必要なことがわかりやすかった。【作業療法士】

・行動療法の考え方と、実践への取入れ方、取り入れるうえで外してはいけないポイントが良くわかりました。叱るよりほめる、見えている部分だけに注目しないという意識はこれまでも持ちつつ支援に関わっているつもりでしたが、見えているはずの、その子のできている部分への注目が足りなかったと考えさせられました。そこを強化しないということは、その子自身が、できていること(自分の正しい行動)に気づく機会を奪っていることにもなるのではと感じました。できている部分への意識を今まで以上にもち、子どもにフィードバックしていきたいと思います。【保育士】

・特別支援学級の子供たちの支援員として日々勤務していますが、支援する以前の心構えを一つ一つ丁寧にご教示いただけました。毎回の受講を楽しみとなっております。楽しみに学びを重ねていけている事を嬉しく思います。【生活指導員】

・行動療法の具体的な適切なやり方を教えていただけたと思います。【保育士, さとう式リンパケア講師】

・子どもを観察することの具体が多く、日常生活に絡めて話をしていただきイメージしやすかった。知識と具体をバランスよく講義に取り入れていただきありがたいです。支援員が実際に悩んでいる事に対し、深堀りした講義もいいですよね。これからも様々な視点で学べる事、楽しみにしています。【地方公務員】

・今、まさしく問題行動で日々悪戦苦闘をしています。色々な方法があるかと思いますが支援員がその方法を知らなく理解出来ずに支援をしています。今日の学んだことを活かして個々の特性を理解し、一つ一つ問題行動に向き合い支援していきたいと思います。児童が気持ちよく過ごせるように。ありがとうございました。【児童デイサービス, 保護者】

・仕事でも、加配の判定を受けた孫ちゃんとの関わり方や、受け止め方を知ることができた様に思います。いつも、穏やかな進行に感謝します。【当事者, 児童センター】

・今抱えている問題に、行動療法が効果的であることに気づけました。以前にも学びましたし、紹介いただいた本も読みましたが、活用できず知識だけで終わっていました。今回改めて学習ができたことで、具体的に行動できそうです。ありがとうございます。【塾講師, 保護者, 整理収納アドバイザー】

・行動分析の、強化子や強化のスケジュールについて詳しく教えていただけたのがよかった。強化をするということが、適切な行動を増やしていくのに大切で、子どもにとって何が強化子になりうるか、それは子どもの行動を観察していくことが必要だということがわかった。子どもの行動を記録していくことで、小さな変化を見逃さずにそれを自分と子どものモチベーションにつなげていけるという話も、日々の支援を振り返るのに役に立った。【児童デイサービス, 言語聴覚士, 保護者】

・観察の大切さ、強化子について詳しく知ることができました。子ども達の困った行動に対する対応の方法について、とても詳しい例をたくさん挙げて説明してくださり、大変よく分かりました。つい最近も、我が子に不適切な対応をしてしまったなぁと反省しながら聞きました。学校現場では、困った行動に対してのみアプローチする(怒る)場面をよく見かけます。先生方が、この対応方法をご存知ないのか、やることが多くじっくりと子どもに向き合うことができないのかとモヤモヤします。ここまでの講座でも、観察、記録の大切さを何度もお聞きしてきました。職場では今まで記録を残してこなかったようなのですが、私から記録を残すようにし始めました。担任の先生にも子どもの変化をお伝えしやすいですし、自分たちの振り返りにもなります。今後も続けていこうと思います。伊藤先生のお話は大変親しみやすく、楽しかったです。特別支援に関わる講師の先生方はよく「私もADHDの傾向あるから…」「私のこういうところが自閉的ですよね!」と楽しそうにお話されます。発達障害は悪いこと、ネガティブなことと捉えていらっしゃらないのがよく分かります。私も生活の中で同じように言うのですが、言われた人は「そんなことないよ!」と否定されることが多いです。複雑な気持ちになりますが、今後も言っていくと思います。伊藤先生、ありがとうございました。【特別支援教育アシスタント, 保護者, 学習サポーター】

・具体例を提示して頂き、分かりやすかったです。問題行動に注目するのではなく、その背景を探る努力を怠らないようにしていきたいです。【教員】

・大人の対応が子どもの行動にどのように影響するのか,大人の行動が子どもの行動を強化しているという具体例が良く分かった.【保護者】

・具体例を交えたお話が分かりやすかったです。一人ひとりの子どもをよく観察して理解することと記録して共有することの大切さを心にとめておこうと思いました。また、子どもも大人も楽しんで喜び合える関係がお互い成長できるというお話が印象に残りました。【施設職員】

・強化や強化子を使うことが非常に有効でそれらを使うには、観察が必要と再認識できたため。【保護者】

・負の強化より正の強化が必要で、そのためには、個別にしっかり観察する事、周りの支援者が正しく理解できるように関わることが大切だと改めて理解しました。【保護者 会社管理職】

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午後からは医療ライターで東京都自閉症協会副理事長の尾崎ミオさんに「多様な人が幸せに生きるためのヒント」をお話いただきました。感想を紹介します。

・当事者の視点に立ったご意見も聞くことができ、とても参考になりました。正しい支援より、楽しい支援でみんながハッピーになれるような取り組みをしていきたいです。【教員】

・支援では、理解することにつとめなければならないが気持ちが分かったと思い込んだり、代弁できると思うことは戒めなければならない。ことが、心にのこりました。明日から本人が毎日できるだけ幸福に穏やかにいきていけるように楽しく支援していきたいです。明日からの支援に役立つ講座でした。いつもためになる講座をありがとうございます。【特別支援教育アシスタント, 保育士】

・今回の内容は誰にでも聞いてほしい内容でした。本当の幸せってなんだろう?と考えることができました。こうでなきゃいけないことは何一つない。自分の幸せが明確にあるから、相手の幸せも守らなきゃと思える。そんな簡単だけど本質的なお話でした。【保育士】

・今までのモヤモヤしていた事が自分のなかでストンと落ちた気持ちです。正しい支援より楽しい支援。できないことより得意を伸ばす。共感です。【作業療法士】

・支援の意味を改めて考える機会になったと思います。何が正解か、何がフツウか、多数派だからフツウなのか、正直わからなくなっています。正直自分が多数派であるかも微妙ですが、特に顕著な凹凸はないにしても、自己表現できているとは思いません。周囲を気にせず自己表現できたらどれだけ楽だろうと考えることもあります。フツウであることが、なんとなくつまらなくも感じてきます。少数派、多数派関係なく自分は自分でOK。そうなるためのヒントが少数派と言われる人たちが求めているものの中にあるように感じました。仕事上支援する立場ではありますが、今日は母親として、保育園に通う息子に「今日は誰と遊んだん?」という質問を夕飯時によくしているなーと反省。うまく文章がまとまりませんが、たくさん思考し、心が動いた2時間となりました。【保育士】

・それぞれの単元が明確で、とても分かりやすい言葉で解説して下さったので。充分に満足しています。いつも色々とご配慮くださりありがとうございます。【生活指導員】

・脳の特性に限らず、個人の身体的、嗜好的な多様性をもった私たちが、既存のイメージや価値観に振り回されず1人しかいない自分を愛していこう!というパワフルでハッピーなお話に心を奪われました。自分自身にも、人に対してもそう言ってあげられる人になりたいと思いました。【施設職員】

・伝えていただいたキーワードとその説明がわかりやすい。講師の方が、実際に経験し味わってきたことをもとにお話をいただいたことで、説得力があり理解しやすい。【保育士】

・尾崎先生の活動や、発達障害を持っている人側からの目線 本音が聞けてとても参考になりました。『正しい支援よりも楽しい支援!』や『熱心な無理解者』等の名言にもドキッとさせられながら、接し方を常に見つめ直すことの重要性を感じました。毎回 工夫を凝らした講演&交流のテーマで、常に自分を見つめ直す機会を与えてもらっています。教育の場で活かして行けるように努力しています。【特別支援教育アシスタント, ふれあい推進員】

・改めて自分の考え方や価値観が子どもに影響を与えてしまうこと、熱心な無理解者にならないよう気をつけて、幸せで穏やかに暮らせるよう楽しい支援を心がけます。【保護者】

・他者を完全に理解できないし、自分自身も実は分かっていない。楽しく自分も生きていく。そこが再確認できました。あなたのままで大人になれること。正義を振りかざして、削られる人もいる。〜の為にやる人は危険という言葉、身にしみました。今日の振り返りの時間も非常に有意義でした。今、いろんな勉強をしながら、一人でも笑顔で生きていけるには、私は何ができるか。インクルーシブのこの会を運営されていること、感謝に絶えません。ありがとうございます。【保育士, さとう式リンパケア講師】

・支援者の在り方、みつけばハウスを知ることができました。これまでたくさんの講座を受講してきて、まず最初の「問題提起」で爆笑と共にずっこけました。今まで学んできたことがひっくり返ってしまうのではないかと思いましたが、支援者の在り方や熱心な無理解者のことと分かり安心しました。尾崎先生のお話は共感することばかりでした。「普通とは」は私のこれまでの人生のテーマであり、また中谷さんのワークで考えた後だったので、普通の呪いはよく分かるものでした。LGBTQについても、興味のあることだったので納得することが多かったです。みつけばハウスについて詳しく知ることができ、嬉しかったです。我が子も参加できたらなぁと思いながら聞いていました。個性あふれる人や講師との交流、また、安心できる空間での非常識な表現に、私自身も大変興味を抱きました。良い人や普通を求められる社会において、悪い部分、ネガティブな部分、普通ではない部分を表出できる場があるのは本当に大切なことだと思います。自分の中の悪い部分の存在を認めない限り、自分を好きになることはできません。そこに他施設からクレームが入ったことには驚きました。それが日本社会なのかなと感じました。たくさんの心に響く言葉を教えていただき、また「友達なんてどーでもいい」などまさに自分が思っていたこともいくつかあり、このままの私でいいんだなと思うことができました。そして、我が子も、職場の子たちも、そのままでいいんだなと改めて思うことができました。「ゆるサバイバル」で生きる姿勢を見せていきたいです。ありがとうございました。【特別支援教育アシスタント, 保護者, 学習サポーター】

・当事者のお話はいつもですが、どう考えどう接していくのがいいのか、見つめ直せる時間でした。得てして学校の教職員は「熱心な無理解者」になっているのではないか。学校の教員にもっと知ってもらえる機会があればいいと思います。支援員が助言しても教員が理解してないとしんどいのは子どもですから。【地方公務員】

・日ごろの支援を振り返るきっかけになった。できないことを出来るようになることを目指して支援しているところもあり、それが本当にその子の幸せにつながるのか、自立はしてもらわないと困るけれど、生きづらさを抱えている子どもが「あなたのままで大人になれる」って言ってもらえたらどんなにか救われるか等色々と考えたら、どこを目指して支援していくのか、頭が混乱してきたようにも思う。まだまだ自分の中で支援に対する軸、とか芯のような部分が出来上がっていなことを実感させられたし、色々考えても、結局楽しくないことは子どもも自分も辛いだけで、難しく考えずに楽しくやればいいんじゃないという気もする。【児童デイサービス, 言語聴覚士, 保護者】

・当事者として実際に困っていることなどを聞くことが出来,とても参考になった.自分が,子どもに対してやりがちなこと,改善の余地がある対応の仕方など,具体的にどのような支援が必要なのかが分かった.【保護者】

・当事者の視点がとても参考になりました。また、参考図書なども多々交えていてわかりやすかったです。正しい支援より、楽しい支援が大切ですと名言を聞いて、そうだなと思いました。【保護者 会社管理職】

・当事者の話は、やはり、わかりやすいです。楽しかったです。資料をインクがあまり減らない方が助かります。【児童センター】

・疑問に思っていたことや、多分こうじゃないのかな~と思っていたことが、やっぱりそうか!と雲が晴れたようにスッキリできました。最後の交流会では、いろんな情報も頂けて、本当にありがたい場です。中谷先生、スタッフの皆様、ありがとうございます。【塾講師, 保護者, 整理収納アドバイザー】

・講義を聴きながら子育て中のことを思い出しました。子どもの世界を理解してくれようとする方もいれば叱責する方もいたと思います。周囲に理解されず苦しい時もありました。しかし、学ぶことで子どもに寄り添い今があります。子どもが自分らしく生きていけるよう見守り、相談相手になりたいと思います。本日は、ありがとうございました。【児童デイサービス, 保護者】

・当事者主体の支援ということで、「熱心な無理解者」はNGという話に考えさせられました。多様な人がハッピーに生きるために、「正しい」より「楽しい」ことを大切にしていきたいです。【塾講師, 放課後児童クラブ】

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ワークでホワイトボード使ってみんなで熊の絵を描いてみました。

次回は12月12日(日)で最終回(9回目)です。テストとケース検討を行います。学習・発達支援員のライセンスが取得できるよう頑張っていきましょう!最終回の詳細はこちらです→第6期学習・発達支援員養成講座9回目

そして、2022年1月16日(日)にはフォローアップ研修会もあります。今年の研修講師は発達障害のある人に特化した就労移行支援サービスを提供している株式会社Kaien代表取締役の鈴木慶太氏です。詳細はこちらです→学習・発達支援員フォローアップ研修会

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