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愛のカタチだけは、シンプルが良い。

よく、日本人男性は、「好き」「愛してる」などの表現を使うのが苦手だと言われています。僕はこれが男に限った話ではないと思います。

中学3年生の時のことですが、僕はある女子生徒から嫌われていました。

その女子は、僕の顔写真に穴を開けたり、僕が教室にいない隙に僕の机に大量の消しカスを撒いていたりと、さまざまな方法で嫌がらせしてきました。

一番衝撃だったのは、席替えです。席替え前日に僕の携帯に、その女子からメールが来ました。まさかの一言が送られてきます。

「こんばんは。私です。明日、席替えあるんだってね? 頼むから隣にならないでね。本当に迷惑だから!」

という言葉が書かれていました。そのとき、その女子はインフルエンザで学校を休んでいて、席替え当日は参加できなかったので、どうにかして隣にならないように仕組んでほしいとお願いしてきました。

もちろん、席替えのくじ引きは運です。「隣にならないでね」とか言われても、どうしようもありません(笑)。

その時は運がよく、隣の席になることはありませんでしたが、いくら僕のことを嫌いだからと言って、こんな仕打ちをする必要はないはずです。僕は「なんだアイツ…」と思いながら、その女子に嫌な感情を持っていました。

それから月日は流れ、卒業式を迎えました。式が終わると、友達同士が各々の卒業アルバムの寄せ書きにメッセージを書き込みます。僕も友達にいろんなメッセージを書いてもらっていたのですが、あの女子が僕の方にやってきて、メッセージを書いてほしいと言ってきました。

空気的に、断ることもできない僕は、自分の卒業アルバムを渡して、何かしらのメッセージを書いてもらうことにしました。

その女子が何を書いたのかが気になった僕は、家に帰るとすぐにアルバムを確認しました。すると、さらに度肝を抜く言葉が書かれていました。

「いろいろあったケド...。実は好きかもヨ…」

それを読んだ僕は、頭の中が真っ白になりました。
本当に「何がっ?」という感じです(笑)。

そんな僕を見越しているかのように、その女子からメールが来ました。

「アルバムに書いたのは、そのままの意味だから、素直に受け取ってね」

だから、なにがっ?(笑) もしかして、俺のことが!?

っていうことは、写真に穴を開けたことも、大量の消しカスも、席替え前日のあのメールも、全部は愛のカタチだったということになります。

愛情表現というものは本当に厄介で、伝えたい気持ちが強くても、伝え方を間違えれば、相手に違う意味で伝わります。これは、すごくもったいないことですし、普通に伝われば僕だって嬉しかったはずです。

この時に愛情表現を学んだ僕は、男も女も関係なく、好きな人には好きな理由を直接伝えるようにしています。人間関係においてすごく大事なことだと、この機会で学びました(笑)。

すごくベタなこと言って恥ずかしいですが、「好き」とか「愛してる」の言葉に敵う愛情表現は、ないですね(笑)。

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