Koske

京都大学言語学卒 2019年はサーフィンと映画と語学 2020年は旅と写真と読書 20…

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京都大学言語学卒 2019年はサーフィンと映画と語学 2020年は旅と写真と読書 2021年は安定求む 2022年は時計の虜 2023年は人生を前に進めたい 2024年は2023年の方向性で突っ走りたい

マガジン

  • 2020年コロナの旅

    2019年末から始まる京大生の世界を股にかけた放浪の旅。人情、恋、美食、絶景に満ちた日々を活写。次第に迫りくるパンデミックの脅威に私は旅人としてどう立ち向かったか。 当時の日記を拡充したもの。人類がマスクもワクチンもなしに自由に旅できた最後の時代のロマン。

  • 京大生っぽい映画レビュー:月40本鑑賞男のレビューぢから

    周りに映画通が多いので恥ずかしいですが、世にレビューは多ければ多いほど良いと思いますのでのんびり認めていきます

  • 腕時計にはまった

    腕時計に関することを徒然なるままに。

  • ことのは

    チラシの裏に漢字を書き散らしていた二歳児は、長じて京大言語学に進みました 言葉に関する漫文

  • イタリア語学習

    2021/2伊語学習開始

最近の記事

2020年コロナの旅36日目:うっかり野郎なんとかブラチスラバへ

2020/1/21 プラハを去る時が来た。リダのもとを去る時が来たわけだ。まだ見ぬ土地、ブラチスラバへ。 荷物をまとめてチェックインをチェックアウトする。 ひどい口論の翌日ではあったが、リダは「さすがに見送りくらいするわよ。」と言って駅までついて来てくれることになった。 どのプラットフォームに行けば良いか分からず右往左往した後、私の列車が5番ホームに到着したアナウンスがあったので二人して走る。なんとか出発前に間に合い、私がタラップに足をかけた時、リダが私の腕をつかんだ。

    • 2020年コロナの旅35日目:むっちゃええ飯屋とハートブレイク

      2020/1/20 安くてチェコらしい料理が食べられる店があると聞き、ネイサンと行くことにした。午前中は執筆の仕事をして、昼から合流することにした。 その名もLokálという、旧市街広場の近くにあるお店。簡素な大衆食堂の雰囲気も、また良い。 待ち合わせ場所に行くとネイサンがどこかから連れてきたアバニルというインド人もいた。 我々はやはり泡だらけビールのムリーコを頼んで乾杯。 私は肉の煮込みとクネドリキを食べる。 今夜もリダと会う。 夜になり、リダが連れてきてくれた

      • 2020年コロナの旅34日目:ムリ―コと魔法の夜

        2020/1/19 リダの家を出た。 czech innに戻る。受付のヴラド君と話したところ、どうやらこの宿の地下にはキッチンがあるらしい。キッチンがないと勘違いして調理せずに食べられるものか外食だけに頼ってきた日々がバカバカしいようだ。近所のスーパーでトマト、モッツアレラ、パスタ、そしてペストを買ってキッチンに降りていく。 完全な地下のバーへ行く途中の半地下のような階層に、レンガ造りのワインセラーのような空間があり、そこにキッチンが造りこまれていた。バーには降りたこと

        • 2020年コロナの旅33日目:善きクリスティーナの不幸、私とリダの世界

          2020/1/18 この日は京都で関わりの合ったクリスティーナというチェコ人と久々に再会することになっていた。 旧市街の広場で待ち合わせる。 初めて京都で知り合ったときはピンク色の髪の毛をしていたが、今は大人っぽく紫がかった銀髪になっていた。眉毛のピアスもあいまってパンク少女という印象だが、中身は東欧の情深い女性である。優しい、というのともまた少し違う、情の深さ。 彼女が選んだ店に入る。 チェコは飲食が安いが、さすがに観光の中心地である旧市街広場のお店なので少し高い。あ

        2020年コロナの旅36日目:うっかり野郎なんとかブラチスラバへ

        • 2020年コロナの旅35日目:むっちゃええ飯屋とハートブレイク

        • 2020年コロナの旅34日目:ムリ―コと魔法の夜

        • 2020年コロナの旅33日目:善きクリスティーナの不幸、私とリダの世界

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        記事

          2020年コロナの旅32日目:はじめてのアブサン

          2020/01/17 ペイトンと受付で待ち合わせる。クラクフ以来の習慣となったウォーキングツアーに参加するのである。 待ち合わせの時間になっても何も起こらないので受付で聞いてみると、外に出て黄色いバスに乗れと言う。バス乗り場に行くと果たして観光客らしき男たちが2人立っている。 挨拶する。一人はショーンというアイルランド人。小柄で栗毛短髪の男で、緑色のつぶらな瞳をしている。なんとなく気の良い感じの、親しみやすい人である。 もう一人はジョシュというアメリカ人。親戚がドイツ

          2020年コロナの旅32日目:はじめてのアブサン

          ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密

          ※ネタバレを含みます!!! ー ー ー フランス人の言っていたこの一言に尽きる。 Weak plot, but they fight like Dr. Strange. その他でいうと、同性愛の挿話が強いられた感があった。

          ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密

          2020年コロナの旅31日目:路面電車の都プラハ、リダとのデート

          1/16 8時半ごろ目を覚ますと私以外の3人はすでにいなくなっている。旅人の気安さ。悪い人間関係もすぐに去ってしまう。良い人間関係だって去ってしまうし、それには少なからず寂しさを感じるのだが、どんなに気が合う人だって長く一緒にいすぎれば嫌なところも目に付いてくるだろう。少なくとも、そんな風に考えてしまう私の肌には旅の空が合っているように思う。 今日はリダとデートの日だ。会うのは午後三時の予定だが、朝から落ち着かない。 仕事がひと段落ついたので三時まで観光に出かけることに

          2020年コロナの旅31日目:路面電車の都プラハ、リダとのデート

          2020年コロナの旅30日目:リダとの出会い

          1/15 二段ベッド上段に寝ているジャックのアラームがけたたましく鳴って朝10時を告げた。私は急に起こされて混乱していたけれども良い曲をアラームに使っていたので歌詞でググってみると、Hozierという人のTake me to chrchという曲だった。 「ああ、すまん皆。アラーム切るの忘れてたわ。」 ジャックがドカドカと下に降りてきた。筋肉質な上半身を露にしている。 「んああ、大丈夫大丈夫。」 と言いながら起きてくるジェイミーはどこまでも穏やかな人である。彼はヘンリ

          2020年コロナの旅30日目:リダとの出会い

          2020年コロナの旅29日目:プラハへ

          1/14 ポーランドの農村の朝。といっても9時過ぎだが、冬なので日の出も遅く、まだ早朝の空気が気持ち良い。アドリアンもお母さんも仕事なので、家で留守番。筋トレやSNSをして過ごす。今晩のプラハの宿の予約も忘れない。当然朝食にはセルニックを。 私のバスは午後4時発である。2時半ごろアドリアンが帰ってきて、車で出発地のクラクフバスターミナルまで送ってくれた。バス会社の名前はRegio jetという。 ターミナルでアドリアンは私のバスの乗り場について聞いてくれた。 「”レギ

          2020年コロナの旅29日目:プラハへ

          2020年コロナの旅27日目:爆安グルメの都クラクフ

          1/12 クラクフ3日目の朝はスペイン人のパウの部屋で目覚めた。ありもので朝食をとる。 ヌテラを塗ったパンを食べながら、パウが尋ねる。 「今夜コメディの舞台があるんだけど、見に行かない?」 と尋ねた。私は一も二もなく見たいと答える。 「ぜひ見てみたい!スタンダップコメディを生で見るのは初めてだよ。君も出るの?」 「ううん、私は今日は出ないよ。でも出演者みんなコメディ好きの仲間なんだ。」 私は素敵な予定ができたことにホクホクしながらも、朝食を終えると一宿一飯の礼を

          2020年コロナの旅27日目:爆安グルメの都クラクフ

          2020年コロナの旅28日目:旧友アドリアンと塩の洞窟

          1/13 朋あり遠方より来る云々というのが昔から言ってあるように、旧友との再会は実に嬉しいものである。 5年ほど前に私はウィーン大学というところに交換留学をしていた。ドイツ語など当時全くできなかったのでほとんど一から当地で学んだ。そのクラスには以下のような人々がいた。 筋骨隆々たる炭酸嫌いなルーマニア人のクリス 朗らかな中国の好々爺、ウェンウェン 麗しき中国の才女、ナウナウ 布袋尊のような福々しい韓国人ジェイル マフィアにしか見えないクロアチア人(名前は思い出せ

          2020年コロナの旅28日目:旧友アドリアンと塩の洞窟

          2020年コロナの旅26日目:変な日本食、コメディエンヌとの出会い

          1/11 朝起きて水道水を飲む。日本のウェブサイトを見るとポーランドの水道水は飲んではならないというが、台所の流しの上の戸棚にわざわざクラクフの水道局かどこかのポスターが貼ってあり、「ポーランドのおいしい水道水を飲みましょう!」と呼びかけていた。事実、冷たくて臭みのない飲める水だった。ペットボトルにも入れて散歩に出かけよう。 ストックホルムの時の成功体験から、今日は無料で見られるミュージアムに行こうと思い立った。ヤゲウォ―大学のコレギウムマイウスという古いカレッジの中の博

          2020年コロナの旅26日目:変な日本食、コメディエンヌとの出会い

          2020年コロナの旅25日目:猫宿、朝飯、教会、トルコ人たち

          1/10 10時ごろにピロウズパーティーホステルからチェックアウトする。次はキャットホステルという宿。旧市街の周りの道に沿って時計回りに4分の1周したところにそのホステルはあった。例にもれず入り口が頗るわかりづらい。また、オーナーの猫好きおばあちゃんがあまり英語を解さない。部屋もピロウズと比べるとかなりこじんまりしていたが、どうせ宿で長時間過ごすわけでもないし、特に気にはならない。案内された部屋の空気は少し籠っていて、人の体臭がした。4人部屋には愛想が悪くもよくもない中東系

          2020年コロナの旅25日目:猫宿、朝飯、教会、トルコ人たち

          2020年コロナの旅24日目:古都クラクフ―女の子と俺と、時々アレックス―

          2020/01/09 起床して朝食を取るべくダイニングキッチンに行くと、ラテン系の若い女性がパジャマ姿でコーヒーを飲んでいた。艶々した太い茶髪で、眉毛も濃い。 おはよう、と言ってスパゲッティをゆでる。なぜかポーランドのスパゲッティは茹で時間が劇的に短い。2分で茹で上がって、皿に盛り、ペストを絡めて朝ごはんの出来上がり。 食事用の机は一つしかないので、女性に座っていいか聞いてみた。 「もちろん!」 人懐っこい笑顔の女性と、何となく世間話をする。彼女の名はマリアと言い、

          2020年コロナの旅24日目:古都クラクフ―女の子と俺と、時々アレックス―

          2020年コロナの旅23日目:迫害されるユダヤ人の痕跡

          2020/01/08 朝9時ごろに起きてシャワーを浴びようと思いたち、入浴セットがカバンの中にないことに気づいた。どうやらストックホルムのビルカホステルに忘れてきたらしい。 ホステルの受付に行くと、昨日のシェルドン的な人はいなくなり、代わりに小柄な女性が机の向こうに座っている。挨拶をするとにこやかに挨拶を返してくれる。入浴に使う石鹸などを安く買える店が近くにないか聞くと、ホステルの入っている建物のすぐ隣にある薬局が安いという。礼を言い、コートを羽織って宿を出る。 朝のう

          2020年コロナの旅23日目:迫害されるユダヤ人の痕跡

          スパイダーマン ノーウェイホーム:愛するとは、ホームとはどういうことか。ハードボイルドすぎる蜘蛛男

          ※こちらのレビューはネタバレを含みます!映画をご覧になっていない方はお読みにならないことをおすすめします! ーー以下本文ーー あなたが愛する人はなぜ大切なのか。彼らがあなたを愛してくれなくてもあなたは彼らを愛せるか。 愛するがゆえに手放すという選択肢をとることができるか。 この問を投げかけた映画は本作が最初ではない。 しかしホランドの朗らかさと痛々しさをよく演じ分ける名演と、これまでのスパイダーバースの歴史があるから心にひときわ沁みる。 これまで観客はトムホ(トム・

          スパイダーマン ノーウェイホーム:愛するとは、ホームとはどういうことか。ハードボイルドすぎる蜘蛛男