米国人は欧州人が言うほどアホーなのか? 日本人は世界が言うほど賢いのか?

みんなにバカにされるアメリカ

ヨーロッパの人々は、アメリカ人といえばアホーの集まり、と決めてかかる。

なぜかアイデンティティーがヨーロッパ寄りのオーストラリア(理由知ってる人教えて下さい)にしてもそうだ。

このような先入観の背景には、米国人の以下のような特性が関わっている。

  1. 米国以外に関する知識、関心の欠如

  2. 政治的選択の愚かさ

1に関しては、欧州を訪れる米国人の振る舞いの異質さ、地理感覚の完全な欠如などから欧州の人々は常々感じているところなのではないかと推察する。
また、インターネット上でも米国人の数滴処理能力の低さや地理的知識のなさを揶揄する動画が多く出回っている。

2に関しては、とりわけトランプ氏が大統領として選出された際に極端なポピュリズムを支持する無知蒙昧の民という印象が決定的になったものと思われる。それまでも小ブッシュはバカもの扱いされていたし、アメリカが行ってきた様々な戦争の非道さとトンマさは世界中で批判の対象になっている。これらもアメリカの愚鈍さの象徴として受容されている可能性がある。

さて、これらの理由で米国は欧州では笑いものである。日本人に旅行で行きたい国を聞けばアメリカという人は多いが、ヨーロッパでアメリカに観光に行きたいという人を見つけるのは難しい。

そこには、彼らからするとアメリカ文化はヨーロッパ文化の二番煎じであって興味がない、という観念も関連しているだろうし、日本が過剰にアメリカ好きになるように仕向けられてきた歴史もあるだろう。

ハリウッド映画を素直に鵜呑みにする日本人と、批判的にみるヨーロッパ人という対立もあるかもしれない。

「賢さテストしてみた」

さて、前置きは長くなったけれども、実はアメリカと欧州でアホーさにはそれほど差がない可能性がある。橘玲氏の『もっと言ってはいけない』という本の最初のトピックがOECD加盟国民の能力であった。
彼が引用しているところによると、2013年のPIAAC(成人の能力の国際的査定のためのプログラム)という調査の結果、読解力、数的思考力、ITを用いた問題解決能力にはOECD加盟国間でそこまで大きな差はない。確かに数的思考とITスキルにおいてアメリカのスコアは相対的に最低の部類に入るが、どんぐりの背比べといったところ。

ちなみに日本は全項目で断トツの1位で、唖然とするほど素晴らしい。
逆にそこまで能力あるのに皆しょぼくれすぎやろ、という、なにか励まし欲みたいな形の不満が湧いてくる。

まあ日本はさておき、欧州の国々は北欧を除いて彼ら自身「全然大したことない」わけであるが、しかし彼らがアメリカを彼らより有意にアホーと思っているのはおそらくメディアやSNSの切り取り方の妙があり、また、既に醸成されている「アメリカはアホーや」という先入観が先行してそのようなイメージを優先的に取り入れている可能性がある。

目くそ鼻くそを笑う

私は以前カリフォルニア生まれの金髪碧眼の女の子と付き合っていたが、彼女が日本のバーでオーストラリア人と口論したことがある。

オーストラリア人の青年、19歳だかだったそうだが、彼は彼はアメリカ人はアホーだと言い続けてやまない。彼女は彼女でアメリカ人はアホーだと思っているので最初は聞き流していたが、しつこいので「お前アメリカ来たことあんのけ?」と聞くと、男は無いと言う。「お前具体的にアメリカ人のどこがアホーや言うてんねん。一個でいいから言うてみ。」と言うと、男は「みんな知ってるだろ。ティックトックでも国名を一つも答えられないアメリカ人の動画を見たぞ。」と言う。

これは今思えば象徴的な話だと思う。
このオーストラリア人青年は、メディアのバイアスを理解できていない。
また、仮にメディアにバイアスがないと仮定したところで、たまたまインタビューを受けた数人がひときわアホーであるという論理的可能性よりも、インタビューで全員アホーだったんだからみんなアホーに決まってる、という短絡的一般化にむかう直感の優越を許してしまっている。

だとすると、この青年は一瞬にしてポピュリストに洗脳されうるということである。この青年は、アメリカ人がアホーであるということを無根拠に主張するアホーであるということになる。

楽しもうぜ日本人!

さらに批判の対象を広げてみる。先程日本は最強みたいなことを書いたし、2013年のPIAACの成績で言えば相対的に最強であることは客観的事実である。
しかし、絶対的な話をするとテストの成績はひどいものだ。橘氏を引用すれば「日本人の三分の一は日本語が読めない」ということが分かったのである。

つまり日本人の多くも大概アホーなのである。

みんなある程度アホーであるという前提では、やはり私の脳裏に浮かぶのはこれ。

「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損!」

欧米人が踊るアホーであるのに対し、日本人は見るアホーだと思う。
日本人が踊らず見る専を決め込んでるほんの一例だが、日本人のパスポート取得率は20%前後で浮動している。もっと「ワシはアホーや!文句あっか!」と開き直ってヘラヘラ遊び倒して生きて死んでいくと幸せになれると思う。

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