シドニーで年末年始5日間ホームレス生活!
ディスクレーマー
この話は全て作り話で実際に起こったことではありません。
滞在しているバックパッカー(以下バッパー)でチェックアウト日を延長しようとレセプションに行ったら「年末年始(30,31,1,2,3)は毎年沢山の人が来てフルブッキングだからお前のベット既に誰かが予約しているよ」と言われました。
ニュージーランドでワーホリをしていたときに滞在していたバッパーはロングタームで滞在している人に特別にフルブッキングでベットが無くなった時にレセプションの人が「ソファで寝ていいよ」「荷物は部屋に置いておいていいよ」と言ってくれてブックできなくても3日間ほどソファで寝る事ができたのですが、今いるバッパーはそこまで寛容ではありませんでした。つまり他で泊まる場所を探せと。まあ当たり前だけど。
どうしたものかと思い、他のバッパーもネットで検索して空きを探しましたが、一泊90ドルととても割高。シェアハウスを借りようともしましたがたった5日間なのでなかなか泊まらせてくれないと思い、「じゃあホームレスになってみるか!5日間だし。」と決意しました。この経験はのちに面白いネタとして話せるかもしれないし。
幸運なことに、完全に全てを自給自足するホームレスではなく、ジムでシャワーを浴びれる、歯を磨ける、僕が泊まっていたバッパーは、10pmまで訪問者がプレイルーム、キッチンに滞在できるのでキッチンで料理できたりする。荷物は5日後に再びチェックインするので部屋にそのままスーツケース、リュックサックを全て置いて必要最低限なものをバックパックに詰めて行く予定。夏だったので外で簡単に寝れるとも予想していた。だからサクッと「ホームレスになるか!」っていう考え方にもなった。
「普通に友達の家に泊まれば良いじゃん?」「チャペルに泊まらせて貰えば?」「カウチサーフィンとかあるじゃん?」と思うかもしれませんが、ホームレスを体験してみたいという自分の興味があったし家に泊まってしまったら面白いストーリーが生まれないと思い、友達に泊まって行きなよと言われても断っていた。
「これから5日間ホームレスになる」とバッパーにいる信頼している友達3人に伝えたら「あ、俺もやった事ある」「州立図書館前のベンチが良いよ。あの角度がいいんだ」とか言われて「やっぱりバッパーに泊まっている強者は経験してるんだな。俺もやっとこ」とさらに思った。
「まあ簡単でしょ」「5日間だけだから何とかなる!」と実際思っていました。が、まあ実際にそれをやってみると色々と大変でした。
#一日目 12/29
バッパーをチェックアウトした後に10pmまでキッチンで夜ご飯を食べたりソファやバルコニーで友達と話したりし、「もう行くよ」と伝えたら、ドイツ人の19歳の女の子の友達に「床でなら寝ていいよ。家来る?」と言われたけど25歳の俺が19歳の女の子に泊まらせてくれるという構図をイメージして情けない気持ちになり、それなら外で寝た方がマシだと思ったので「いや泊まる場所があるから大丈夫」と言い外で寝た。「頑張ってね」と別れ際にハグしてくれたのが嬉しかった。元々男友達の多い彼女だからハグをされても特別な気分にはならなかった。(彼女は兄とその兄の友達とよく遊んでいて、兄がスペインへ行った後も彼女はその兄の友達と友達関係で居続け、その男に彼女ができてもその友達関係は続いているらしい。俺からしたら何とも不思議な感覚。。)
この生活が始まる前からどこのベンチで寝るかいくつか候補があったので、そのうちの一つに向かった。(ChinatownにあるDarling Square Library辺りにガラス張りの大きい壁がありよくダンスの練習をしている人たちがいるあそこのベンチ)
外で寝る時に気を付けておいたほうがいい事などの情報が全くなかったので、パーカーに半ズボンという格好で寝たが、蚊が3匹くらい常に自分の体の周りを飛んでどんどん刺してくるので、寝れるような環境では全く無かった。次の候補があったので(ジム)ベンチを離れ、途中でマックを買って食べ歩きしながらジムへ向かった。歩いている途中で”もし再び外で寝る事になったら長ズボンと長い靴下を持って蚊が侵入できないようにしよう”と決めた。だから明日は一旦バッパーに戻って自分が泊まっていた部屋に荷物があるからどうにかそこに侵入する必要があるなと思った。
ジムに到着したのが1am。ジムの機械に座って寝ようと考えていたが、怪しまれる。更衣室に寝転がれる程度のスペースがあったので鍵を閉めて寝ようとした。問題がいくつかあって、ジムの音楽がうるさくて寝にくい、枕がなく床が硬くて寝にくい、ずっと鍵がかかっていると怪しまれるので朝になったら早く出る必要がある、更衣室の床は綺麗ではないなどなど。
ジムの更衣室では3時間くらい寝れた。外で寝た人(寝るような環境ではない場所で寝た経験がある人)ならわかると思うが、2,3時間寝れれば良い方で騒音だったり人の気配だったりで本能的に身を守るために起きてしまう。一旦起きてしまうと寝づらい環境の場所では再び寝るのが難しい。
#二日目 12/30
7時に起きて3時間しか寝れなくて頭がボーッとしていた。そのまま更衣室からシャワー室に移動してシャワーを浴びた。ジムを出た後にやる事がなかったのでバッパーに一旦戻る事にした。
無事自分の部屋に侵入する事ができて、長い靴下と長ズボンを取った。その時にちょうどブラジル人のマルコと香港人のセンシが自分の部屋に入ってきた。(自分の部屋はバルコニーがあるので無断で他の人たちが入って吸ったり飲んだり話したりしている事がある。少しウザいけど友達だしまあ許している。)
「良いタイミングだったね!」とマルコが言った。手には既に巻かれた草があった。
オーストラリアでは草は高いから吸うときにタバコに混ぜて吸うんだけど、(100%草だと強すぎて吸ったら立てないというのもある。)今回は草とタバコ8:2の割合で巻かれていたらしい。そして草は彼の友人がオーストラリアの北から8時間車で運転してシドニーにいるマルコの元に届けてくれたらしい。それを吸った後に話すもんだから夏の日差しとマルコの真面目にそれを話す顔と、草を剃った影響とで可笑しくなってしまって笑いが止まらなかった。とても良い香りだった。ラッキーだったな。。
その後センシが自分のためにご飯をくれた。吸った後だったから更に美味しく感じた。鮭を卵で包んでいた料理だった。
いくら部外者が(チェックアウトしている今の自分)バッパーに10pmまで入れると言っても、ガッツリソファで寝ると怪しまれるというか、(信頼している友達にのみ自分がホームレスになると言っていた。)すでに1/3以降2週間予約していて、何かトラブルが起こったらキックアウトされたくないし、みんな自分の顔を知っているから外に行って再び寝る場所を探す事にした。いや本当に3時間しか寝てないと難しい作業が何もできない何も集中できないから”とりあえず寝てしまった方が効率がいい”と思って外に行って寝る場所を探した。
シドニーの中心街とそこから徒歩20分自分のバッパー周辺しか知らなかったので、とりあえずシドニーの中心地に行って寝れる場所を探した。
以前から気になっていた閉店している人気のないカフェのソファーががあり寝ていたけど、セキュリティーの人に「俺は別にいいんだけど、マネージャーが怒るんだ。。ごめんね違う場所に行ってくれ」と言われた。結局寝れずにただ街を歩いた。
夜になったらまたキッチンやソファがあるバッパーのスペースに戻っていって(毎日そこにいるからルーティンで何があってもその時間に戻るように体がなっている笑笑)10pmになって出ていかなければいけなくなった時に、友達が「行く前に一旦草吸ってく?」といってくれたのでみんなで外に出て吸っていた。(いや本当にカナダ、ニュージーランドにもワーホリをしていたけど、こんなに四六時中スパスパ吸ってる人たちにオーストラリアに来るまで会った事がない。)
1amまで吸ったり飲んだりしていると、雨が降ってきた。外で寝れないどうしようと思っていたら、幸運なことにマルコの部屋に一つベットの空きがあったので、そこで寝かせてもらった。ハウスキーパーが来る前に朝早く起きて出て行った。
#三日目12/31
大晦日。シドニーの中心部で時間を潰していると、(というか何度も言うけど寝不足だから何も作業もジムで鍛える集中力も無いから何もできない。歩くか座ってぼーっとするか寝るかくらいしかできない状態だった。)カウントダウン花火用のバリケード等が街で着々と用意されていたり午前中から席を確保しようと椅子やスピーカー、シートを持った集団が次々とオペラハウス側へ向かっていっていた。
夕方バッパーに戻ったらみんなカウントダウンの花火を見に行っていたのでガラガラだった。1人で余ったものを使って料理をしたりした後に自分も年に一回だけのカウントダウンのイベントだったので見に行くことにした。Darling Square Library近くの海辺から花火を見た。みんなのストーリーを見たけど、多分一番いい場所で見れたと思う。
結局ジムで寝た。今回は2回目だったので慣れてきたのか4時間寝れた。ハッピーニューイヤー。
#四日目 1/1
シャワーを浴びてジムを出て、朝日が綺麗だったのでマックを食べながら海側を歩いた。その途中でいい感じにの広さの芝生を見つけて寝ようとしたけど、蟻がたくさん自分の体に這ってきたり、夜中に降った雨で芝生が濡れていたりしていたので違う寝床を探す事にした。
昨夜のカウントダウン花火で目をつけていた人気のない寝れそうな公園をたまたま通ったのでそこに寄り、ベンチで2時間綺麗に寝る事が出来た。人通りがなく、物音がなかく、蚊も全く居なかったので快眠だった!(綺麗とはそういう意味)最高だった。快眠だった。ホームレスにとって快眠がどれだけ貴重なものなのか実感できた。
午後になって「ホームレスになったらとりあえず空港に行けば何とかなりそう」とずっと思っていたので、2日目にしてようやく空港へ来た。空港では旅行やワーホリで何回かホステルのチェックインまで寝たり、経由待ちで寝ていた事があったので安心感があった。
初めから空港に行ってしまうとそこで5日間過ごす事ななるので、さすがに職員の人たちに怪しまれたりするのかもしれないと思い最後の2日間を空港で過ごす事に決めていた。
実はちょうど2ヶ月前にシドニーの空港に降り立ってワーホリが始まったので
「何か成長できた事があったかな自分」
とか空港の中にあったカフェで(シドニーに到着した初日と同じそのカフェのその席で)考えたけど、ジムにほぼ毎日行って体が少し逞しくなったり、バッパー生活をずっとしていたので沢山の人と会話できた。くらいしか思い浮かばず少し焦った。
でもよくよく思い出してみると2ヶ月前の自分がまさかあんなに色んな人に会ったり、何人かの女の子にフラれたり、女の子の前で泣いてしまったり、この前のNZワーホリではラテンに囲まれていたけど、自分の今の友達の大半はイタリア系だったり、ホームレス生活をしに2ヶ月後に空港に戻って空港に降り立った時に入ったカフェの同じ席で同じラテを飲んでるなんて事想像できるわけないよね。。ああ、人生!!!!!
話を戻して結局そのカフェで夜まで空港から出てくる人向かう人を眺めたり音楽を聴いたりして閉店間際まで過ごし、空港のトイレで歯を磨き、空港が閉まってからは外のベンチで寝た。前回の失敗を活かして長ズボンと長い靴下をバッパーの部屋に上手く忍び込んで持参したので今回はあまり蚊が気にならなかったが、起きたら顔に2箇所刺されていた。今夜は帽子を顔に被せて寝てみよう。なんとしてもどんな部位でも血を吸ってやるという野心は評価する。(←は??)
結局3時間くらいしか寝れなかった。夜中の12時に大体空港から人が出てこなくなって静かになったから寝れて、朝4,5時くらいに空港の職員の人たちがコーヒーを片手にガヤガヤ話し始めたから起きた。そんな感じ。
#五日目1/2
まだ暗い空の朝スマホを見たらあのドイツ人の女の子から「今までどこで寝てたの?」と心配メールが来てた。嬉しかった。(おいお前25歳で彼女19歳だぞ笑笑)
この日が一番気分が良い。睡眠時間は未だに短いんだけど、空港にいると全て揃っているから、(マックもカフェも寝床もトイレも寝ていても不審に思われない雰囲気も。)”落ち着いて生活できる事が確定している”という事実が自分の精神状態を落ち着かせているからだと思う。今までは怪しまれないようにジムで寝て起きたりし、新しい寝床を探すために長距離歩かなければいけなかったりしたから睡眠時間だけでなく、精神的にも参っていた。さて今日は余裕があるから色々作業とかできるかも。そして今夜がホームレスラストの夜。おー。ついに終わるんだな!(そう。これは空港内のカフェからリアルタイムで書いている。)
朝早く空港からどんどん人が出てくるのを2時間ほど昨日の同じカフェでソニーのノイキャンヘッドフォンで音楽を聴きながら眺めていた。その後色々と作業をしようと空港にあるコンセントがすぐ届く場所を確保してパソコンを開いたんだけど、睡眠時間の影響なのかどうも頭が回らなくてパソコンを閉めて外に出た。
久しぶりに晴れていたから暑くて堪らなかったけど、今まで曇りか雨だった分たっぷりと日光浴をし、お腹が空いたから空港に併設されてあるマックでお昼ご飯を食べてまた外に出て1時間ほどベンチで昼寝をした。そこのベンチは空港から出てスーツケースをガラガラ転がしてくる乗客がたくさん通る場所だったんだけど、お腹がいっぱいでかつ疲れていてそれどころではなかったからガラガラ歩いてくる大群のすぐ隣で爆睡していた。
無事に日光を浴びて睡眠を取ったから、さっきの作業をするためのコンセントが近くにあるベンチに戻ってパソコンを再び開いたら集中して取り組む事ができた。すぐ隣で空港チェックイン直前で焦ってパッキングしている人が隣にいたけどお構いなしに自分の作業に集中した。
その後また同じようにカフェに行き2時間ほど空港から行き来する人々を眺めながらコーヒーを飲んだ。今回はフラッワイ(フラットホワイト)にしたけど少し濃かった。自分にはラテがちょうどいい。
カフェが閉店して空港の外に出ると昨日より沢山の人が外で寝ていた。人の寝床として寝れそうなベンチが埋まっていた。芝生におばさんが1人で寝ているのを見て「ベンチなんかよりもここで寝よう」と思った。けど1時間くらいで目が覚めてしまい、辺りを見回すとベンチにいた人々がいなくなっていたので多分空港が空いてみんなが入って行ったのだと思い向かうと案の定多くの人が建物内に寝床を移していた。自分も空港内に入って寝ようとしたが既に午前5時。空港の職員がコーヒーを買いに行列になっていたり、会話が聞こえたりして上手く寝る事ができなかったから、自分もコーヒーを買う事にした。コーヒーを片手に免税店を眺めていたら良い柄のシャツがあったので買おうとしたが、自分は現在かなりブローキーなのでまた機会があったら空港に来て買おうと思う。
はあ最後のホームレス生活も全然寝れなかった。。バックパッカーのチェックインが午後2時からなのでそれまでこの文章を書き進めたり、再びコーヒーを飲みながら空港に人が行き来する光景を眺めて過ごそうと思う。
そういえば2日間空港にいてマックの店員、カフェの店員の顔を覚えたし、カフェはそんなに広くないから店員が「またコイツいるよ」と思った顔で見てきて、最初の5秒くらいなぜ2日間もいるのか理由を聞かれた時にどう答えようか考えようとしたがめんどくさくてやめた。彼らもあまり気にしていなかったコーヒーさえちゃんと買ってくれて大人しくしていれば。。
最終日も晴れてくれた。またコーヒーを飲んだ(コーヒーたくさん飲みます僕)後日光浴をした。28℃だった。この2日間で結構日焼けしたな。寝てる間に蚊に沢山刺されたな。後ちょっとでフカフカのベットで寝れる。
いつものカフェで音楽を聴いたり通りを行く人を眺めたりしていた。その後にコンセント付きの座席を確保してそこで色々作業して、電車に乗ってホステルに行きチェックインをしに行った。電車の中で何回も寝そうになったが何とか自分の駅で降りる事ができて、無事ホステルにチェックインする事が出来た。これにて5日間のホームレス生活を終える事が出来た。チェックインする前にもし自分が空いているベットに無断で寝ていたあの夜がカメラに映ってそれをレセプションの人が見ていたらチェックインさせてくれないかもしれないと心が苦しくなったが、最低のシナリオを考えたら(バレてチェックインできずに他のホテルを予約しなくてはいけなくなったらそうしようというシナリオ)を考えたら心が軽くなったし、どうにでもなれ、と思っていた。無事にチェックインできたから良かった。安心した。
今までのバッパー生活では常に誰かしらと話す環境だったがこの5日間はずっと無言だった。マックはタッチパネルでオーダーできるし、多分 “Can i get a large latte please”しか言わなかったと思う。
決して何かを特別なことをした訳ではない、答えを出したわけではないんだけどスッキリした。浄化された。バケーションから帰ってきたような気分だった。今までの5日間他の星で生活していたような感覚だった。
戻ってきてキッチンにいくと、昔ここに住んでいて今バンに住んでいるドイツ人のトミーがいて、「俺5日間ホームレスだったんだ」って言ったら「意外と良かったでしょ?」と言われた。彼はそういう外で暮らす系の経験をしており、僕のスッキリした顔から察してそのように言ったのか分からないが、彼をもっと好きになった。
「うん、良かった。またやろうと思う。」僕はそう答えた。
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