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rakugaki_66「美術館へ行こう!【大阪編】国立国際美術館(前編)」


国立国際美術館

私には「美術鑑賞」という唯一の趣味があります。
その「趣味」にもブームがありまして、第一次ブームが1985年~1987年。第二次ブームが2009年~2018年。
第一次ブームの1987年から第二次ブームがはじまる2009年まで20年以上の月日が経っていますが、その間にも何回かは美術観賞をしています。
ただ「ブーム」の期間は、集中的に「美術館」に出かけているので「ブーム」なんですね。
このブログでは、私の大好きな「美術館」に出かけて、観賞した「美術展」の感想とともに、「美術館」の魅力が一緒に伝えられればなぁと思っています。

「国立国際美術館」は大阪市北区中之島にある美術館です。
1977年(昭和52年)設立当初は大阪府吹田市の万博記念公園でしたが、2004年(平成16年)に現在地に移転しました。
私の現存する記録の中で、現在まで「国立国際美術館」の企画展に出かけたのは9回です。
これは今まで鑑賞してきた「国立国際美術館」の感想ブログ(前編)となります。


1)1986年2/21-3/31「オランダ・コレクションによるヴァン・ゴッホ展 宗教ー人間ー自然」

オランダ・コレクションによるヴァン・ゴッホ展 宗教ー人間ー自然

あまり記憶には残っていなかったのですが、このとき国立国際美術館は移転前で万博記念公園にあったんですね。

図録を購入していたので以下、図録より抜粋します。

「ヴァン・ゴッホは多くの逸話から、一般に「炎の画家」として知られています。しかし、この展覧会の特色は、はじめての試みとしてゴッホの作品から「宗教」「人間」「自然」という生涯にわたっての基本的な三つの主題を取り上げ、それぞれの中心となるモチーフの扱いを通じて、より客観的にゴッホの芸術を掘り下げようとするところにあります。「宗教」では教会と農作業を、「人間」では肖像と本のある静物画を、そして「自然」では農園や樹木などをモチーフにした作品によって、人間性と自然に真の宗教を求めたゴッホの姿を浮き彫りにしようとするものです。油絵を中心に水彩、素描など計60点が出品される本展を機会に、悲劇的な生涯に対するものとはまた別の、新たなゴッホ像への関心が呼び覚まされることを願っております。」

久し振りに図録を見直しましたが、初期の頃の素描が素朴で力強く見応えがあり、油絵が割とオーソドックスな写実であることに目を奪われます。


2)2009年6/23-9/23「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」

ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち

ルーヴル美術館展~美の宮殿の子どもたち~を見てきました。
前回はルーヴル美術館展~17世紀ヨーロッパ絵画~で京都市美術館。
今回は大阪の国立国際美術館。
お盆の時期だからか予想外に列んでいます。
30分待ちですよ。
でも案外スムーズに入れました。

中は時代別に分かれていなくて、紀元前と1700年代がごちゃまぜでわかりにく~い。
内容はエジプトのミイラ有り、彫像有り、カンバス有り、多彩でした。
でも、目玉不足な気がしたのと、時代順に並んでたらもう少し気分がその時代に浸れたのにと、ちょい残念でした。


3)2010年1/16-4/4「絵画の庭、ゼロ年代日本の地平から」

絵画の庭、ゼロ年代日本の地平から

国立国際美術館新築移転5周年記念(万博記念公園から中之島)の美術展だそうです。
1月16日から開催していたのですが、ずっとタイトルから気になっていたんですよねぇ。
「絵画の庭」ってタイトル、素敵じゃないですか。
もうすぐ(4月4日)終了なので、思い切って本日行ってきました。
日頃鑑賞するのが西洋美術展が多いので、現代美術展は久しぶりです。
私の現代美術のイメージ(あくまでもイメージです)は、自由な発想からくる抽象的なものが多くて、全くもってチンプンカンプンなんです。
でも今回の美術展は、「日本の若い世代を中心に活発な動きが見られる、この10年余りの新しい具象的な絵画」
と言うことで、具象なら私の堅い頭でも理解出来るだろうと・・・。

鑑賞させて頂くと、これが面白い!
28人の作家の近作、新作合わせて約200点で構成されているのですが、個性が多彩で楽しいのです。
やはり?私には理解出来ない作品も多数(これは具象じゃないでしょ・・・みたいな)ありましたが、これ程の作家さんが揃うと好きな作品もあったり、気になる作品もあったりと、非常に楽しめる美術展になっていました。

何でもありって言ったら何でもあり?な感じ??

メモ帳に書いたような作品?(本当にメモな気がしますが)もあれば、美術館の壁面を使ったものもあり・・・。
私が気になったのは、ポスターを飾っている奈良美智さんの独特の少女画はもちろん、小林孝亘さんの独特のヌベッとした絵、会田誠さんはマンガのような美少女画かと思ったら、ジューサーミキサーに入れられた少女達が文字通りミキサーされているシュールな絵だったり、小沢さかえさんの作品は幻想的で可愛かったし、加藤美佳さんのカンバスいっぱいに描かれた人形のような少女のアップも、後藤靖香さんと厚地朋子さんの新進の画家さん達の作品も楽しめました。
西洋美術展と違って、近寄って見て、離れて見て、また近寄って見て・・・みたいに、1点1点じっくり見ることはなかったですが、個性豊かな作品達によって、入る部屋ごとに変わっていく構成(28人の個展がいっせいに開催されたアートフェスティバル)がとても楽しめたのでした。

最後に今回の美術展とは違うお話しですが、この美術展の後「ルノワール展」が来ます。
国立新美術館では未展示の「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)」も展示されるようで、国立新美術館ですでに見てしまった私としては、少し悔しい感じです。


4)2010年7/13-9/12「横尾忠則全ポスター」・7/10-9/12「束芋:断面の世代」

横尾忠則全ポスター

横浜美術館での「束芋」観に行けなかったのですが、半年遅れで国立国際美術館で展示されているので、早速、そそくさと観に行くことにしました。「束芋」の観覧料が420円(安くない?)。
初めは「束芋」だけ観るつもりでしたが、「横尾忠則」の観覧料1100円を払えば両方観られるということで、両方観ることに。
ちょっとお得な感じ。

先ずは「横尾忠則全ポスター」に。

何せ全ポスターの展示ですから、展示数がハンパない。
横尾忠則の、あの独特の世界観がぎっしり詰まってます。
3段ぐらいに陳列しているので、1番上のポスターは見上げる感じです。
ポスターを天井から吊っている部屋もあり、展示の仕方も楽しかったです。
普段こんなにポスターを観ることがないなので、企業の宣伝や宝塚などの舞台のポスターだったり、改めていろんな仕事をされているなぁと感じ入りました。
初期の頃のポスターが大人しい色の真っ当な?デザインだったので、ちゃんと基礎があった上で、今のコラージュと奇抜な配色の絵に行き着いたんですね。

それにしてもアイデアがよくこんなに浮かぶもんです。

束芋:断面の世代

さ、いよいよ期待の「束芋」です。

入った途端、真っ暗闇。
奥の方からおどろおどろしい音が響いてきます。

お化け屋敷か。

全く暗闇に目が馴れてなくて、おっかなびっくり前に進むと、天井に映し出された映像。
映像作品だったんですね。
団地の各部屋から家具がガラガラと飛び出している映像。
係りの方にクッションのようなソファに座るように勧められて、座りながらその映像を見上げます。

不思議な世界観。

次の部屋では団地の部屋を上から覗いているような構成。
団地の中のいろんな部屋に移り変わっていきます。

なんとも奇妙な世界観。

足元にも映像が流れる部屋があったり、ちょっとしたアトラクションみたいでした。

1月からずっと気になっていた束芋。
不思議で奇妙で鬱屈した束芋の世界に浸れて、満足な一日となりました。


5)2010年11/27-2011年2/20「ウフィツィ美術館 自画像コレクション 巨匠たちの「秘めた素顔」1664-2010」

ウフィツィ美術館 自画像コレクション 巨匠たちの「秘めた素顔」1664-2010

今月の半ばまで損保ジャパン東郷青児美術館で展示されていましたが、今月のうちに国立国際美術館にやって来ました。
早いですよね!
因みに損保ジャパンでは1,000円だった一般の観覧料が国立国際では1,400円!
展示数が増えているというウワサ?ですが、それにしても400円も値上がりするのは高過ぎでないかい?って思ってしまいます。

さて、今回は自画像だけの美術展です。(中には肖像画も混じっていましたが)
画家が自分自身を描くという行為自体が非常にアクの強いものですが、その自画像という決められたテーマで見比べるのも、画家それぞれで楽しくもあります。
センターにどんと描く方もいれば、鏡の中に登場させて描いている自分をまた描く、みたいな方もいたり。(絵の中には3人の自分がいる訳ですね)
画風も1664年~2010年、16世紀~21世紀の現代美術までですから幅広く楽しめました。
ただ、自画像画家とも呼ばれるレンブラントの自画像が、1点しかないのにがっくりきたのと、何か物足りない感じがするのです。

よくよく考えてみると、損保ジャパンではポスターにも扱われていた目玉作品、マリー=ルイーズ=エリザベート・ヴィジェ=ル・ブラン「マリー・アントワネットの肖像を描くヴィジェ=ル・ブラン」が来ていない。
どうりで、華やかさに欠けると思いました。
それにしても、目玉作品がない美術展って、もう同じ美術展とは言えないのでは??
かなりがっくりではありますが、こうして11月の最後を美術館で過ごせたことに感謝です。


・・・後編へ続く

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