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rakugaki_80「美術館へ行こう!【神奈川編】横浜美術館」


横浜美術館

私には「美術鑑賞」という唯一の趣味があります。
その「趣味」にもブームがありまして、第一次ブームが1985年〜1987年。
第二次ブームが1009年〜2018年。
第一次ブームの1987年から第二次ブームがはじまる2009年まで20年以上の月日が経っていますが、その間にも何回かは美術観賞をしています。
ただ「ブーム」の期間は、集中的に「美術館」に出かけているので「ブーム」なんですね。
このブログでは、私の大好きな「美術館」に出かけて、観賞した「美術展」の感想とともに、「美術館」の魅力が一緒に伝えられればなぁと思っています。

横浜美術館は横浜市みなとみらい地区に1989年3月に横浜博覧会のパビリオンとして建設され、博覧会終了後の同年11月に正式に開館しました。
私の現存する記録の中で、現在まで「横浜美術館」の企画展に出かけたのは2回です。
これは今まで鑑賞してきた「横浜美術館」の感想ブログとなります。


1)2012年7/14-9/23「奈良美智:君や僕にちょっと似ている」

奈良美智:君や僕にちょっと似ている

奈良美智さん、単体の個展を観に行くのは初めて!
横浜美術館です。

以下、図録に残されている奈良美智さんの美術展に寄せた言葉を抜粋します。

「レゾネ制作や震災、オーディエンス層の拡大、過大な、あるいは順当な、あるいは不当な評価、数々の展覧会での経験、自分の加齢・・・・・・いろいろな理由から、僕は作品を自分の元から旅立たせること(作品自体としての自立)を現実的に考えられるようになったようだ。
もはや好むと好まざるとにかかわらず、自分が作るものは、僕自身の自画像ではなく、鑑賞者本人や誰かの子どもや友達だと感じるオーディエンスのものであり、欲をいえば美術の歴史の中に残っていくものになっていくと思っている。自分の肉体が滅んでも、人類が存在する限りは残っていくものということだ。
そういう意味も込めて、もはや自画像ではなく「自分にちょっと似ている」自立したもの、かといって100パーセント、オーディエンスに委ねられるものでもない。僕の絵を見て「これは私だ!」と自己投影する話はよく聞く。それはヴィジュアル的な表面にではなく、内面や重なり合うレイヤーを感じての自己投影。僕は、そういう時は、もうそれでいいと思うようになった。でも、やはり自分が作り出したという親心は残っている。それで「僕にちょっと似ている」であり「君にちょっと似ている」となったわけなのだ。そして、それらはあくまでも「僕や君にちょっと似ている」のであって、作品自体は僕やオーディエンスのように、ひとつひとつが自我を持つ「作品という名の本人」であるのだ。
けれども、スタジオで彼らを作り出していく過程においては、僕と彼らは依然として一心同体であり、オーディエンスや批評は遠くに行ってしまっている。壁に貼られているポスターの中にいるヒーローたちや、棚に並んでいる時代遅れの人形たちだけが、僕と彼らの密接なやりとりを知っている。」

立体の部屋から始まり、段ボールに書いた絵や習作みたいなメモ書きなど、部屋を次々観て歩きました。
独特な少女画、堪能しました。
思ったより、あっという間で観て回り、常設展も続いて観て回りました。

美術館の後、赤レンガ倉庫をウインドーショッピングして帰路に着きました。
今日もとても暑かったですが、やっぱり海沿いって気持ちいいですよね。


2)2013年7/6-9/16「プーシキン美術館展 フランス絵画300年」

プーシキン美術館展 フランス絵画300年

この美術展は4月26日から6月23日まで、愛知県美術館で開催していたものです。
横浜美術館では今月の6日から開催されたので、つまりまだ3日しかたっていないアツアツ、ホッカホカな美術展ですね。
9月16日まで横浜美術館で開催した後、9月28日から12月8日まで神戸市立博物館で開催される予定です。

プーシキン美術館はロシアの首都モスクワの中心地に位置し、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館とならんで、世界的な西洋絵画コレクションを誇る国立美術館らしいです。
そのプーシキン美術館から選りすぐりの66点で、フランス絵画300年の栄光の歴史をたどるのが本展です。

もうねえ、あまり期待していなかったんです。
それが、久しぶりに「ザ・洋画」を観た、「ザ・油絵」を観たって感じ。
そりゃ、エルミタージュと比べられるぐらいですもんねぇ。
そう言えば「大エルミタージュ美術館展」は昨年の今ぐらいでした。
あの美術展も、とても素敵でした。

で、何が良かったかって、17世紀の古典主義にはじまり、18世紀のロココ。
19世紀前半の新古典主義、ロマン主義、自然主義。
19世紀後半の印象主義、ポスト印象主義。
20世紀のフォーヴィスム、キュビスム、エコール・ド・パリ。
文字通り、フランス絵画300年が詰め込まれています。
これならどんな人でも、きっと好みの絵が見つかるはず!

入るとまず、古典主義のニコラ・プッサンの絵でお出迎えです。
ロココはフランソワ・ブーシェの甘く甘美な絵。
そして私イチオシ!
この絵に出会えて感動!
新古典主義のジャン=オーギュスト=ドミニク・アングルの「聖杯の前の聖母」!
正面を向いている聖母は左側に手を合わせています。
聖母の左右に立っている燭台の炎は軽く右側になびいてます。
絶妙なバランス!
強い正面性!
これは見惚れてしまいました。
この絵を前面で真正面から観ることができるだなんて、なんて幸せ者。

その後もロマン主義ではウジェーヌ・ドラクロワ。
そうそう、印象派ではクロード・モネの「陽だまりのライラック」が素敵でした。
そしてポスターにも採用されているピエール=オーギュスト・ルノワールの「ジャンヌ・サマリーの肖像」は言わずもがな、ふわりふわふわ~と明るく優しい気持ちになれます。
お馴染み、エドガー・ドガの「バレエの稽古」は躍動感があります。
ポール・セザンヌ、フィンセント・ファン・ゴッホ、ポール・ゴーギャンなど有名どころが勢揃い。
20世紀はアンリ・マティス、パブロ・ピカソ、アンリ・ルソー、マリー・ローランサン、マルク・シャガールなど、もう夢の共演となっています。
勿論、ここに書いていない画家さんもいて、ボリュームも結構ありました。

今日もとても暑い一日でしたが、良い美術鑑賞ができて嬉しいです。


以上、横浜美術館での美術鑑賞でした。
2021年3月1日より大規模改修工事のため全館休館しており、再開館は2023年12月9日を予定しているそうです。
再開館した際には、美術鑑賞に併せて赤レンガ倉庫でショッピングや食事をするのも楽しいと思います。

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