見出し画像

rakugaki_41「美術館へ行こう!【東京編】東京都美術館(前編)」

東京都美術館

私には「美術鑑賞」という唯一の趣味があります。
その「趣味」にもブームがありまして、第一次ブームが1985年~1987年。
第二次ブームが2009年~2018年。
第一次ブームの1987年から第二次ブームがはじまる2009年まで20年以上の月日が経っていますが、その間にも何回かは美術観賞をしています。
ただ「ブーム」の期間は、集中的に「美術館」に出かけているので「ブーム」なんですね。
このブログでは、私の大好きな「美術館」に出かけて、観賞した「美術展」の感想とともに、「美術館」の魅力が一緒に伝えられればなぁと思っています。

「東京都美術館は」東京都台東区上野恩賜公園内に1926年に開館された都立の美術館です。
私の現存する記録の中で、現在まで「東京都美術館」の企画展に出かけたのは10回です。
これは今まで鑑賞してきた「東京都美術館」の感想ブログ(前編)となります。


1)2010年1/16-4/4「ボルゲーゼ美術館展」

ボルゲーゼ美術館展

大雪になるかと思ったらなんとか天候を持ち直した今日、明日行くつもりだった「ボルゲーゼ美術館展」を時間も空いたので見に行って来ました。
東京都美術館はこの美術展を最後に改修をおこなうそうで2年間休館だそうです。
リニューアルオープンは平成24年になるので、しばらくの見納めですね。

上野に来たのは久し振りです。
日々変わる東京ですが、なんだかここだけ時間が止まってる感じです。
動物園があるから露店が出てたり、なんだか昭和な匂いがします(小学生の集団引率に出会ったり)。
美術展は正直いってイマイチの感がありました。
作者不明の作品が多かったこと(ダ・ヴィンチの模写とか)、照明が作品に直接当たって、近付くと反射して見えないこと、目玉作品が少なかったこと・・・等です。

それを補うのにボルゲーゼ美術館の映像がとても素敵。
なのですが、本美術展との差が歴然としてて、結局本場に見に行かないと駄目だなぁと思わされてしまいました。
で、一番気になったのはやはりラファエロの「一角獣を抱く貴婦人」。
この絵は上から塗り潰されていたらしく、女性にはマントをかけられ一角獣は車輪の絵で隠されていました。
その当時の絵と修復されたオリジナルの絵の比較はとても目を引きました。何故絵を塗り潰したのか?
宗教的な絡みなのか?
とんでもない秘密が隠されているようでミステリーです。

ミステリーを残して少なくとも今後2年間は訪れることのない東京都美術館を後にしました。


2)2012年6/30-9/17「マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝」

マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝

2010年2月に東京都美術館で、改修前の最後の展示である「ボルゲーゼ美術館展」を観ました。
次にこの美術館で観ることができるのは、2年後なんだなぁ。。。
随分先の話しだなぁ・・・と漠然に思っていたら、何時の間にかその日がきちゃいましたね。
もう、あれから2年半以上です。
何はともあれ、改修前を見届けた以上、改修後も見届けなければと、観に行くことはずっと決めていました。
ところがそろそろ展示会終了のこの美術展が、今だにメチャ混みという情報が入ってきました。
とはいえ、絶対混み混みであろう夏休みを見送り、もう今月の17日には終了です。
閉館間際作戦で17時30分閉館のところ17時前に行くことにしました。
すると馬鹿長蛇の列!!
20分は並びましたね。
つまり、それだけで閉館まで残り10分前!!
聞きしに勝る人気展示会でした。

それでも入ったところは肩越しながら、それなりに観られました。
もう、とにかく先に先に早足で歩きました。
びっくりしたのはこの後。
第1章「美術館の歴史」、第2章「風景画」、第3章「歴史画(物語画)」を見終わり、第4章の上の階に上がると更にびっくり!!!
人の肩越しに観たい方はこちら、並ぶ方はこちらって分かれているんです!!
並ぶ方はエスカレーターで上がったところから行列が出来ています。
国立西洋美術館と同じフェルメールで、何故にここまでの差があるのか??しかも「真珠の耳飾りの少女」はガラス張り!!
その昔、私は体験こそしておりませんがダ・ヴィンチの「モナリザ」が来日したとき、ガラス張りで不評だった話しを聞いた覚えがあります。
モナリザ並なのか!?
更に、ガラス張りの絵の前では立ち止まることも許されず、通り過ぎたのが17時30分を過ぎてましたね。
それでも懲りずに、最後の客として最後列に並び直して観ましたけどね。

それ以外の絵はノー管理なんですよ。
レンブラントの絵も多数あって、歳のいったレンブラントの自画像なんて素晴らしいです。
なのに、何故にフェルメールだけあれ程??
18時も過ぎ、流石に追い出されるように退館しました。
いや、ここまで混み混みとは!
後ほど、図録でゆっくり拝見します。
今日は・・・ホント疲れましたぁ~。

追記
こちらの展覧会は一日平均10,573人を動員し、2012年度に開かれた世界の美術館展覧会の最多を記録したそうです。


3)2012年10/6-2013年1/6「東京都美術館リニューアル記念 メトロポリタン美術館展 大地、海、空-4000年の美への旅」

東京都美術館リニューアル記念 メトロポリタン美術館展 大地、海、空-4000年の美への旅

今回のメトロポリタン美術館展、あらかじめ前評判を調べますと、あまり評判がよろしくない。
今回の目玉作品である日本初公開のゴッホの「糸杉」が、ポスターやチラシに取り扱われているので、絵画展だと思っていると半数は工芸品、彫刻、写真作品などなので、期待外れになってしまった方が多かったようです。
なので、今回は期待度はかなり低めに設定して鑑賞しました。

ところが、ゴッホの「糸杉」だけではなく、沢山の巨匠の名作に出会えました。
レンブラント・ファン・レインの「フローラ」は闇に浮かび上がるレンブラントのいつもの人物画ではなく、穏やかな茶系のバックに優しい女性の横顔。
ジャン=フランソワ・ミレーの「麦穂の山:秋」は羊の群れと麦穂の積んだ山だけで、どうしてこれ程の絵になるんだろうと感嘆。
その他、ドラクロワ、ルノワール、ゴッホ、ゴーギャンと、かなり充実したラインナップ。
と思うと、エジプト紀元前の「猫の小像」や「ライオンの頭の兜」みたいなユニークなオブジェがあったり、あっこれこれ、「シロクマ」みたいな可愛らしい置物があったり、これは決して絵画展ではなく、メトロポリタン美術館を堪能できているのだなぁと満足できました。
133点の美術品とボリュームも結構あり、なかなか楽しいひとときを過ごすことができました。


4)2013年1/19-4/7「エル・グレコ展」

エル・グレコ展

観る前に、上野恩賜公園内のスタバでコーヒーでも飲んでから鑑賞しようと思ったら、レジに行列が出来ていて断念。
ま、鑑賞後でもいいかって。

毎度お馴染み、エル・グレコというぐらい昔から観てきた画家さんではありますが、こんなボリュームで観るのは初めてです!
どうやらエル・グレコの没後400年を記念しての大回顧展で、スペイン、アメリカ、フランス、イタリア、イギリス、ギリシャ、ハンガリー、デンマーク、オーストラリア、台湾など、世界中から50点以上が一挙来日したらしいです。

エル・グレコって本名じゃないのを知っていました?
エル・グレコはギリシャ人って意味で、本名はドメニコス・テオトコプーロスというらしいです。
絶対憶えられない(笑)

16世紀から17世紀にかけてスペイン黄金時代に活躍した、ベラスケス、ゴヤとともにスペイン三大画家の一人に数えられる画家さんです。
私、今回の美術展を観るまでは宗教画家だと思っていたんですが、実は肖像画家として有名だったんですね。
昔も今も、特別に好きな画家さんではないのですが、あの極端なパースペクティブな絵画は独特です。
ある意味マンガチックで、そこが好きになりきれない要因かも。
ただ今回のような、エル・グレコ尽くしの美術展は見応えがありました。
特に、最後の大作「無原罪のお宿り」は見応えがありました。

帰りにスタバでコーヒーでも飲みながら今回の美術展の余韻に浸ろうと思ったら、やはり混んでいて断念。
今、自宅で図録を観ながら余韻に浸っています(笑)


5)2013年4/23-6/30「ミラノ アンブロジアーナ図書館・絵画館所蔵 レオナルド・ダ・ヴィンチ展 天才の肖像」

ミラノ アンブロジアーナ図書館・絵画館所蔵 レオナルド・ダ・ヴィンチ展 天才の肖像

東京都美術館に前回、観に行ったのは「エル・グレコ展」でした。
今年、「ラファエロ」に続くイタリア・ルネサンス期を代表する画家の美術展。
言わずと知れた有名どころ。
レオナルド・ダ・ヴィンチの登場ですね。

さあ、皆さんお察しの通り、ほぼレオナルド・ダ・ヴィンチの作品はありません(笑)
レオナルド・ダ・ヴィンチの作品としては、《音楽家の肖像》(日本初公開)と、レオナルドのメモや素描を編纂した『アトランティコ手稿』に収められた22葉のみとなります。
あとのほとんどは、レオナルド派と呼ばれる画家達であったり、レオナルドの作品の模写だったり・・・。

想像はしていたんですが、少々観甲斐がなかったというか・・・。
貴重なレオナルド作品を1枚でも観ることができれば、それだけで十分なのかも知れませんが。
ただ、ミラノの大司教であったフェデリーコ・ボッロメオ枢機卿によって17世紀初頭に設立されたアンブロジアーナ図書館・絵画館のコレクションが日本で紹介されるのは今回が初めてのことというので、今後二度とお目にかかることは無いかもと考えると貴重な体験をさせて頂いたのかも知れません。

こちらの美術展はドラマ「TAKE FIVE」という盗むプロフェッショナル集団のお話しがあるのですが、それとのタイアップみたいです。
ドラマの中で、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品がキーになっているんです。
TBSが協賛しているからですね。
急に世俗っぼくなりましたが(笑)


・・・後編に続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?