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rakugaki_47「美術館へ行こう!【東京編】三菱一号館美術館(前編)」


三菱一号館美術館

私には「美術鑑賞」という唯一の趣味があります。
その「趣味」にもブームがありまして、第一次ブームが1985年~1987年。第二次ブームが2009年~2018年。
第一次ブームの1987年から第二次ブームがはじまる2009年まで20年以上の月日が経っていますが、その間にも何回かは美術観賞をしています。
ただ「ブーム」の期間は、集中的に「美術館」に出かけているので「ブーム」なんですね。
このブログでは、私の大好きな「美術館」に出かけて、観賞した「美術展」の感想とともに、「美術館」の魅力が一緒に伝えられればなぁと思っています。

「三菱一号館美術館」は東京都千代田区丸の内に、三菱地所による再開発で2010年に開館しました。
私の現存する記録の中で、現在まで「三菱一号館美術館」の企画展に出かけたのは8回です。
これは今まで鑑賞してきた「三菱一号館美術館」の感想ブログ(前編)となります。


1)2010年4/6-7/25「マネとモダン・パリ」

マネとモダン・パリ

今日は天気も良く、美術鑑賞日和です。
確かマッキアイオーリ展でマネ展を知ってからですから、かれこれ3ヶ月近く楽しみにしていた美術展です。

外観はレンガ造りで雰囲気いいです。
中も木調で重厚な感じ。

・・・え~と、良かったのはここまでです。

いざ展示室に入ると、絵の為だとは思うんですが空調をしっかりするため(と、思われる)に天井が思いっ切り低いんです。
そして一つ一つの展示室が小さい部屋のため、閉じ込められている感じなんですね。

閉塞感たっぷり。

閉所恐怖症の方は絶対無理って感じ。
せっかくの開放感ある印象派の絵がだいなしになるぅ、絵が閉じ込められてるぅ。って思ったのは私だけでしょうか。
そんなことを考えていたら、純粋に絵を楽しめませんでした。

美術展って絵そのものもありますが、美術館の開放感や贅沢な別世界に浸れる雰囲気がいいんですよね。
建物自体はいいのに、非常に残念な美術館でした。
そしてマネさん、しっかり観れなくてゴメンなさい。
暫くはこの美術館には来ないだろうな・・・?
どんな美術館か知った今では、次からは楽しめるのかな・・・??

なんて???な感じで三菱一号館美術館を後にしたのでした。


2)2012年6/23-8/19「物語の世界を描いた、英国絵画の巨匠。バーン=ジョーンズ展 ー装飾と象徴」

物語の世界を描いた、英国絵画の巨匠。バーン=ジョーンズ展 ー装飾と象徴

三菱一号館美術館はもう2年以上降りですね。
2010年4月、オープンしたときの「マネとモダン・パリ」以来です。
あのときは余りの閉塞感と迷路ぶりに、これはもう二度と来ないかもと思っていました。

そしてバーン=ジョーンズ。
学生時代に観たときには、ファンタジックで少し甘い世界観が余り好きになれませんでした。
さあ、このふたつの余りよろしくないイメージが付いていた美術展ですが、観に行かれた方からの評判がよろしい。
少し遠回りに、皇居のお堀を横に歩きながらお散歩感覚で向かいました。

さあ、どうでしょうか?
まず美術館ですが、この美術展にはとても合っています!
ちょっと、びっくりしました。
作品が違うとこうも変わるのかと!
たぶん印象派のような光を求めるような開放感のある絵は、この美術館には向いていませんが、今回のような装飾と象徴、中世、宗教のような陰や内面に向かうような美術展はこの美術館、しっくりくるのでは!?
土曜日なのに、そこそこ空いているのも良かったです。

さて、肝心のバーン=ジョーンズですが、これもイメージ変わりました!
かわいい絵を描く方だったんですね。
ついつい、神話のファンタジックな面にばかり目がいっていましたが、違う見方で観ると本当かわいらしい(笑)
最初の「迷宮のテセウスとミノタウルス」から、キョトンとしたミノタウルスが微笑ましかったです。
エッチングの小作品ではありますが、「フラマ・ウェスタリス」はキレイな妊婦さんだなぁと見惚れてしまいました。
って書いたら、また好みの女性がバレますね。
まっ、でも「いばら姫」関連がやはり素敵でした。
あっ、特にバーン=ジョーンズの印象が変わったのが、最後の風刺的自画像「描かれざる傑作の群れ」。
とてもかわいらしいマンガちっくな自画像です(笑)

これはこれはと図録も購入して、印象が変わった三菱一号館美術館を後にしました。
しかし・・・今日も暑かったですね。


3)2012年9/8-2013年1/6「シャルダン展 ー 静寂の巨匠」

シャルダン展 ー 静寂の巨匠

あらかじめチケットをチケット屋で購入していたので、そのまま入口に向かいました。
そこで若干残念なことがありました。
どうやら期間限定のチケットだったようで、期間を過ぎてしまっていることが判明。
ただ、これをチケットカウンターに持って行くと、1,400円のところが100円引きの1,300円になりますとのこと。

が~~~ん、ショックです。

チケット屋で確か1,300円で購入したと思うのですが・・・これでは2,600円支払うのと同じじゃないですかぁ。
・・・でも、それに気づかなかった自分が悪いことですし、何よりここまで来て引き返しても特に何の予定もないので、泣く泣くチケットを再度購入いたしました。

とまあ、入る前にちょっとした悲しい出来事はありましたが、いよいよ鑑賞です。
今回の美術展は、日本で初めてのシャルダンの個展になるそうです。
ルーヴル美術館名誉総裁・館長が監修の、厳選した38作品。
そのうち26作品が日本初公開となるそうです。

ジャン・シメオン・シャルダンは1699年にパリの下町、セーヌ通りに生まれました。
父はビリヤード台を作る職人で王家にも納品していました。
なので、今回の美術展の最初に飾られていた作品が「ビリヤードの勝負」という作品でした。
たくさんの人が、ビリヤードに興じるシーンの一瞬を切り取っている初期の作品。
大勢の人が登場するのはこの1枚のみ。
その後は静物画を好んで描かれていたようです。
あっ、ちなみに死んだ野うさぎの絵が3枚もありました。
そのうち1枚には2羽も。
当時よく扱われているモチーフですが、リアルなだけにうさぎ好きさんは観ない方が良いかも。
途中から風俗画に変わっていくのですが、お友達に勧められて風俗画を描くようになりました。
静物画より風俗画の方が格上らしく、またシャルダンの評価が上がったそうです。(当時、絵画は主題によって格付けされ、歴史画が最も格上とされていました。)
可愛い風俗画を描かれる方なんですね。
ちょっと人物が陶器みたいでツルっとした感じ。
わりかし日本人好みじゃないでしょうか?
似たような題材を何枚も描いていたり工房で描いていたりで、展示の方もこっち見て、あっち見てと間違い探しをみなさんしている感じ(笑)

後半、何故か再び格下扱いの静物画に回帰します。
この美術展の一番の特徴が対作品です。
シャルダンの時代、2点で1対の作品としてモティーフや画面構成、色彩などを対比させることが多くありました。
時代が過ぎるにつれ2点がバラバラになり、思惑とは違って1点だけの展示が多くなるようになってしまったそうです。
今回はたくさんの美術館の協力を経て、対作品が本来の展示のように揃って展示されておりました。

最後にシャルダンに影響を受けた画家特集があるのですが、一番最後の部屋にルドンの「グラン・ブーケ」が1枚飾られています。
これが特別に大きく迫力があり、伸びやかなタッチと鮮やかな色彩で目を惹かれました。

最後まで観終わって・・・私はこの方、花の絵が一番好きかも。
「カーネーションの花瓶」は、ばっくり描いているわりに美しく感じるんですよね~。

午前中は雨降りでしたが、午後には止んで良かったです。
しかし・・・高くついた鑑賞となりました。


4)2013年2/9-5/26「奇跡のクラーク・コレクション ールノワールとフランス絵画の傑作ー」

奇跡のクラーク・コレクション ールノワールとフランス絵画の傑作ー

お昼に築地を徘徊して食べ歩きし、帰ってうたた寝をする。
そんな怠惰な土曜日を過ごしそうになって、「クラコレ」「クラコレ」と、魔法の呪文のようにつぶやき出かけました。
そう、魔法の呪文ではありませんが、楽しみにしていた美術展。
歩いて行けるのも魅力ですしね(笑)

三菱一号館美術館です。
思った以上に混んでいました。
でも、まだ許容範囲。
軽く待てば、最前列で観れますし。

クラーク美術館(米国マサチューセッツ州ウィリアムズタウン)は、ルネサンス時代から19世紀末までの欧米の傑作を幅広く擁する美術館だそうです。
2010年、同館の増改築工事に伴い、世界的にもとりわけ質の高い印象派を中心とした絵画の世界巡回展が初めて開催され、今年ついに日本に上陸したということらしいです。

ルノワール22点を筆頭に、コロー、ミレー、マネ、ピサロ、モネなどのお馴染みの印象派の画家さんが勢揃い。
全73作品中59作品が、初来日!
タイトルにある何が「奇跡」なのかと言うと、
「極めて貴重なコレクションが日本に来る奇跡」
「クラーク夫妻がひときわ質の高い作品を収集できた奇跡」
「日本人が貴重なコレクションを眼にしていない奇跡」だそうです。

果たしてその奇跡はというと・・・。
いや、楽しかったです。
とりわけルノワールの作品が多いのですが、風景画や静物画や男性の肖像画など、ルノワールには珍しい絵画も多数。
でも、やはりルノワールと言えば少女画ですね。
その辺もバッチリ、多数の可愛らしい少女の肖像画も展示されていました。
いや、ルノワール以外もモネやピサロなど見所は多数。
風景画の苦手な私も楽しめました。

今日は何故か着物姿の女性がちらほら。
何かあったのでしょうか?
多少、人集りができる部屋もあり、最終的にこの迷路みたいな美術館を2周して帰りました。


・・・後編に続く

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