いまむら

U国T市にあるTK大学で日本語を教えています。

いまむら

U国T市にあるTK大学で日本語を教えています。

最近の記事

SNSことはじめ

noteを書き始めて1カ月が経ちましたが、そのあいだに、TwitterとInstagramも始めてみて、また、以前から使っていたFacebookでも、グループを始めてみたりしています。 なぜSNSなどをいろいろ試しているのかというと、すでにいろいろな人が言っていることですが、インターネット全盛のこの時代で、しかも、コロナ禍を経験して、もう、外国語学習も対面授業のみの時代でないだろう、と思っているからです。 SNSなどを使うことで、時間や場所に関係なく、学生やほかの日本語の

    • コロナ時代に野口英世、北里柴三郎を紙幣の肖像画にしている日本は、すごいのかもしれない。

      メモ。U国では新型コロナウイルス感染拡大中。この1カ月ほど、経済活動・社会活動の再開を進めていたU国政府も、さすがに危険と判断したのか、今日から夜間外出禁止などの措置を再度、導入。 となりのK国の日本語の先生たちはSNSで、病院がもう一杯だ、という、3月、4月の欧米で見られたような記事をシェアし始めました。この先、どうなるのでしょうか。 外国にいて、今、思うことは、百年以上前に、北里柴三郎、野口英世を輩出した日本の医学はすごいなということと、日本人が彼らの伝記を子供のとき

      • なかなか授業は進まず・・・

        前回書いてから、ずいぶん間が空いてしまいました。前回は、夏期授業をオンラインで再度、始めようと意気込んでいました。 それで第1回目は始めたのですが、今は、学生からの反応がイマイチで苦しんでいるところです。 まずは、すでに夏休みになって授業期間ではないので、任意参加となると日本語はやりたい学生でも、まあ今は休もうか、となるのかなあと思います。 あとは、今回の教科書は自習には少し難しいところがあります。問題が少しあいまいで、回答に幅があります(教室で使用するには、多少、幅が

        • 夏期授業

          大学の期末試験が終わって、すでに3週間がすぎてしまいました。前回書いたとおり、再度、「サバイバル日本語」の授業をしようと思っています。月曜日に始めるつもりです。授業といっても、新型コロナウイルスのために、オンライン(というかSNS)を使ったものになりますので、自習支援にしかならないのですが。 今回の教科書は、前回のものより少し高度な内容までカバーしているのと、各課の最後に会話の応用練習がありますので、どのように教えるか、まだ自分の中で明確になっていないところが、たくさんあり

        SNSことはじめ

          いろいろな心のモヤモヤ

          6月に入ってこれまで、いろいろな心のモヤモヤがありました。今は、なんとか調子は戻ったように思います。 ひとつめのモヤモヤは、日本語の授業がひと区切り付いたのですが、それから次の取り組みにうまく入れていないことです。 5月末までに期末試験を終え、今学期の学生の成績を大学に報告し、大学の仕事は果たしました。でも個人的に、4月~5月の遠隔授業のあいだにうまく教えられなかった、と思っていた日本語の発音について、短期講座をしたいと思って、すぐに準備を始めました。これが第1回はなんと

          いろいろな心のモヤモヤ

          外国語学習者を、確立した人格として扱うこと

          このようなことはすでに古い議論なのだと思いますが、外国語学習者の会話能力と、その学習者のその他のさまざまな能力は、比例するわけではありません。学習者が最初、日本語をうまく話せないからといって、では、その学習者が、何も知らない、人間としても成長していない、なんてことは、ありえません。 私はこれまで、自分が教え始めるまでの長い間は、外国の大学における日本語教育の場を傍観者として見ていただけなのですが、このことがずっと気になっていました。 私が接するような学生は、その多くは、そ

          外国語学習者を、確立した人格として扱うこと

          任意の国x? それとも...?

          メモ。U国の感染者数の伸びは大きくなってきている。しかし、それに関する国内報道は少なくなってきている。世界的にそういうもの?

          任意の国x? それとも...?

          長い音

          日本語には「長音(ちょうおん)」というものがあります。高校(こうこう)、映画(えいが)みたいなものですね。 「こう」「えい」は、拍数で言うと、2拍になります。でも、これを2拍で言うというのが、日本語を始めたばかりの学生には、よくわからないみたいです。というか、自分も教えて初めて、日本語の拍数なんて意識しました。 長音についてYouTubeで勉強できるビデオを探してみましたが、面白みがあるのは、つぎのふたつでしょうか。 後者のほうは、「おおさか」を「おさか」と発音したら、

          恥を晒しながらでも、教えるべき?

          専門家ではない人間が、何かの科目を教えるとき、すでにある教科書を使うことが重要だと感じています。素人が授業の前にあわてて自分で教材を作ろうとしても、うまく説明できません。例文も良いものが思い浮かびません。効果的な練習も作れません。 教科書は(おそらく)数年の時間をかけて、専門家が作成したものですから、学習の効果などもよく考えられて作られていると思います。 ですので、コロナウイルス感染拡大にともなう遠隔教育中には、すでにある教科書を使って、基本的には学生が自分で学び、私は、

          恥を晒しながらでも、教えるべき?

          「酸素マスク」はハングル? 日本語?

          U国と日本の往来は、ソウル経由が一番便利で、安いです。そのため韓国の航空会社をときどき、利用します。いつも気になるのは、搭乗して最初に見る、非常事態時の説明ビデオです。私はハングルがまったく分かりませんが、ひとつの単語だけ、いつも聞き取れます。「酸素マスク」です。 今日、U国の別の町の大学で日本語を学んでいる学生の卒業論文発表会を聞きました。その際、韓国語も同じ講座だということで、韓国語の学生の発表も聞いたのですが、そのひとつが、ハングルに入っている漢語の話でした。 その

          「酸素マスク」はハングル? 日本語?

          自粛生活の癒し

          例に漏れず、U国も、3月下旬から5月にかけて、新型コロナウイルスの感染拡大対策のために外出制限がありました(今は、どんどん緩和しているところです)。 その間、ひとりで家でリモートワーク、あるいは遠隔教育だったわけですが、そのときに少し助けられたのが、Brain Focusというアプリ。 いわゆるポモドーロテクニックを実践するためのタイマーなのですが、私の場合、これを使って飛躍的に生産性向上、とはいかず、ときどき、本来とはちがう使い方をしていました。 おおざっぱに言うと、

          自粛生活の癒し

          サバイバル日本語

          今、大学の自分の授業では、「サバイバル日本語」を学ぶために作られた教科書を使っています。日本で暮らすための必要最低限の文、単語を勉強することができます。 これを済ませてから、そのあとで、文法について説明があり、練習問題も多い教科書に移ろうと思っています。 なぜ日本にいるわけでなく、すぐに日本に行くこともない学生に「サバイバル日本語」を教えているかというと、どの言語であっても、その言語が使われているリアルな状況をまず味わってみるべきだ、と私が考えているからです。その言語につ

          サバイバル日本語

          生ビールを ふたつ ください。

          きょうは、ひさしぶりにビールを飲みました。U国では3月下旬に新型コロナウイルス感染拡大対策で、スーパー、食料品店以外がほぼ閉まって、酒屋も閉まってしまいましたが、そのとき以来です。酒屋自体は、もう少し前から再開していたと思うのですが。 さて、ビールという言葉自体について言えば、日本語初心者がこの言葉を書くのに、ひらがなで「びいる」にしてしまったり、また、長音の区別ができなくて「ビル」になったりします。 しかし、それ以上に、日本語を教えていて気になるのは、「日本人って、いつ

          生ビールを ふたつ ください。

          五十音表(その2)

          3日前に書いた「五十音表」についてで、わかったことがありましたので、書き留めておこうと思います。 国立国語研究所のwebsiteに、インドの大学と一緒に共同開発したという、大学院修士課程向けの日本語学に関する講義動画・テキストが掲載されています。その中のひとつ、「母音と子音」という回を見ました。 この動画の36分ごろから「五十音図の起源」という話があります。(ここでは、五十音図と言われています。五十音表でも問題ないようですので、以下では、五十音表と書きます。)そのおもな内

          五十音表(その2)

          一緒に歌える日が、いつか来る

          U国では、毎年3月に日本語弁論大会が開催されています。しかし、今年は、コロナウイルスの関係で延期となり、現時点では、9月開催の予定です。 弁論大会の際には、出場者の弁論が終わった後、それらの審査をする間に、アトラクションと呼ばれている時間があります。日本語を学習しているいろんな大学や機関から、希望者が歌やダンスなどを披露する時間です。 今年はわがTK大学からも参加しましょう、ということで学生に呼びかけ、有志が賛同してくれました。でも最近は出場してませんでしたし、第2外国語

          一緒に歌える日が、いつか来る

          chocolateとチョコレートって、同じ意味なんだ!

          昨日、日本語を勉強し始めた学生がなかなかカタカナを覚えられない、ということを書きました。ひらがなは絶対覚えないと授業がわからないけど、カタカナはそうでもない、というのがひとつの理由だと思います。でも、もうひとつ、理由があるのではないかと思います。 それは、カタカナ語の問題です。カタカナ語が外国人にとって親しみやすいので、積極的に最初から取り入れます、という教科書があるのですが、本当にそうでしょうか? たしかに、「チョコレート」ということばは、それがchocolateが語源

          chocolateとチョコレートって、同じ意味なんだ!