chocolateとチョコレートって、同じ意味なんだ!

昨日、日本語を勉強し始めた学生がなかなかカタカナを覚えられない、ということを書きました。ひらがなは絶対覚えないと授業がわからないけど、カタカナはそうでもない、というのがひとつの理由だと思います。でも、もうひとつ、理由があるのではないかと思います。

それは、カタカナ語の問題です。カタカナ語が外国人にとって親しみやすいので、積極的に最初から取り入れます、という教科書があるのですが、本当にそうでしょうか?

たしかに、「チョコレート」ということばは、それがchocolateが語源とわかれば、覚えやすいかもしれません。でも、カタカナ語の綴りを正確に書くのは、学習者にとって実は難しいことなのだと、授業を実際にやってみて、分かってきました。

一番の問題は、発音の問題です。

英語でchoc-o-lateは3音節です(たぶん・・・。chocolateは、こんなふうに音節に区切るんですね。考えたことありませんでした・・・)。

でも、日本語では、拍(モーラというらしいんです)で区切ると、チョ コ  レ ー ト、で5拍になります。チョは1拍、レーは長音で2拍です。

この日本語の拍の感覚というのが、日本語母語話者以外にはとっても難しいんですね! だから、チョコレートがchocolateだと推測するのにひとつの学習段階があり、さらに日本語的な音をきちんと「チョコレート」と正しく表記するのに、もうひと段階あります。

なので、英語だから分かりやすいだろうとカタカナ語を使うより、かえって、一から和語を覚える方が混乱がないように見えます。

初心者に分かりやすいだろうと、アメリカ、カナダ、とか国名を教えるよりかは、はる、なつ、あき、ふゆ、とか、和語の簡単なことばを教えてあげるほうがいいような気がします(まだ実際に授業で試していないので、仮説の段階ですが)。国名でも、にほん、かんこく、ちゅうごく、は、みんな、ちゃんと覚えてくれますし。

もし外国人と話すとき、分かりやすいだろうと、親切心から英語を混ぜようとするときは、その混ぜる英語はカタカナ語にせず、英語としてきちんとした発音にしてあげれば、まだ分かるのかもしれません(私は、英語が上手でないので、とてもそんなことはできませんが)。


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