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五十音表(その2)

3日前に書いた「五十音表」についてで、わかったことがありましたので、書き留めておこうと思います。

国立国語研究所のwebsiteに、インドの大学と一緒に共同開発したという、大学院修士課程向けの日本語学に関する講義動画・テキストが掲載されています。その中のひとつ、「母音と子音」という回を見ました。

この動画の36分ごろから「五十音図の起源」という話があります。(ここでは、五十音図と言われています。五十音表でも問題ないようですので、以下では、五十音表と書きます。)そのおもな内容を、つぎにまとめてみます。

 ・五十音表の配列は、古代インドの音声学の影響を受けている。
 ・サンスクリット語の音声学の知識が、仏教とともに、日本に伝わった。
 ・「あいうえお」の順番は、サンスクリット語の母音の順番にしたがっている(!!)。
 ・子音も、(調音点*が)口の奥から前へという順番で並んでいる。これもサンスクリット語の子音がそのように並んでいた。
 ・五十音表の原型は、平安時代中期に見られる。
 ・今の五十音表のようになるのは、江戸時代(17世紀末)。
 (*子音は呼気が音声器官でなんらかの妨害を受けて作り出される音。調音点とは、その妨害を作る場所。)

解説の先生はヒンディー語と、日本語教育の研究が専門だそうで、先生のヒンディー語やベンガル語の発音が本格的なのが、味があるというか、日本語を勉強しながら、インドの言語についても知ることができて、おもしろいです。


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