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フィジカルシアターLABO 振り返り  DAY5

皆様こんにちは!今井夢子です。
フィジカルシアターのアイデアを使ったワークショップを4月5~9日に行いました。そちらのメニュー内容と、参加者からフィードバックで頂いた気付きをまとめた、レポートのDAY5編です◎

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DAY5「身体と空間」

●アップ
●身体のスキャン~部位同士の関わり
  -連日行っているように、イメージを伴った身体のスキャンを行う
  -DAY3,4と同じように、ひとつずつ部位をアクティブにしていき、意志を持たせる。部位たちに連れていかれる感覚で、空間の中を動く。
  -それぞれに今最もアクティブで意志の強い部位を決める。他の部位はその部位の意志に影響を受けて動く。
  -その部位に感情を与えてみる。「喜び」
  -二つ目の部位を決める、その部位に感情を与える「怒り」
  -お互いがどう関係するか、その時に他の部位がなにを感じるか
  -感情を変化させてみる。一つの目の部位が「悲しみ」に変化する
  -三つ目の部位を決める。その部位は先のふたつの部位を笑っている
  -3つの部位の関係性で身体の中にどんな物語が生まれるか試してみる
  -だんだん物語をエンディングへ。各部位を落ち着かせていく。
  -身体の動きが止まったら、リラックス

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「今までで一番没入できた。昨日まで思考的だった部分があったけれど、4日間みんなのシェアを聞いて試して、今日は身体に連れて行ってもらう感覚を味わえた。楽しかった!!」
「(↑のシェアを受けて)髪の毛を振り乱したりして、今までとは違う感じだと思った。自分もワークをしながら、その様子に影響を受けていた気がする」
「自分の身体の中に集中しながらでも、もっともっとたくさんの情報を得ることができる」


●スペースのワーク
  -自分の両手の間に空間をつくり、そのサイズをフィックスして歩いてみる。
  -空間のサイズを変える。手の形を変える。その時に、空間の質感や情報がどう変わるか。
  -片方の手はfixしてもう片方でサイズを変える。
  -空間の中に入ってみる。
  -他者や、部屋の中にあるものと関わる。

  -二人一組になる。Aは立ったまま、Bは遠くから相手に手を伸ばして、近づく。Aはこれ以上近づかないでほしいという自分のパーソナルスペースにBが触れたら知らせる。身体のいろんな面で行い、パーソナルスペースのシャボン玉の中にAが入っているイメージで、シャボン玉の大きさと形を調べる。
  -お互いに調べられたら、手を下ろして、二人で近づいたり離れたりして、シャボン玉同士がぴたっとくっつく距離感を見つける。
  -シャボン玉をくっつけたまま、空間の中を二人で移動してみる。
  -だんだん人数を増やしていき、6人でシャボン玉をくっつけたまま、移動してみる。

  -二人一組になり、離れたところから空間を押しながら近づく。これ以上空間を押せない、と感じたところで、バネが弾けるように手を離す。
  -二人一組になり、近づいたとこから空間を引っ張りながら離れる。これ以上引けない、と感じたところでゴムが弾けるように手を離す。
  -上記の押し引きを、2列になって行う。弾けるときに、列の間の空間を、別の一人が走り抜ける。空間をどのように感じるか。

  -二人組で空間を押し引きする。慣れてきたら、手を下ろして身体で押し引きをする。「押し合う」「引き合う」「押す押される」「引く引かれる」の関係ができる。
  -シチュエーションを与える。「口説きたい男、契約書にサインをもらいたい女」「相手のせいにして同棲解消したいカップル」「刑事と容疑者」身体の動きを試し続けながら、もしもセリフが生まれてきたら、それを発してみる。セリフ先行ではなく、身体先行。身体が変わると関係性の情報が変わる、そうなったときにどんな言葉が生まれるか、試してみる。

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「パーソナルスペースのシャボン玉がくっつくと、ひとつの大きなシャボン玉になったような感じがした。自分たちが大きくなる感覚があった」
「空間の大きさや質感が変わると、こんなに感じる情報が変化する」
「押し引きのワークは、やはりシチュエーションをもらったとたんに身体のテンションが減って思考に移りがち。そうすると変化のない身体のままセリフが先行してしまったりする」
「(↑を受けて)身体を先に動かしてみてほしい。シチュエーション的にはこっちが押す側、こっちが押される側、と決めたくなるかもしれないけど、そこで身体を先に変えてみると、逆の関係性に持ち込むセリフのアイデアが生まれてきたりするかもしれない。身体が変化するから、ドラマが進展するんだと思う」


●スティックを使ってのスペースのワーク

  -3人組になり、ひとり一本ずつスティックを持つ。
  -一点を軸に、横、縦、斜めにそれぞれのスティックが移動する関係性を作る。
  -その軸の上で、いろいろに移動してみる。
  -慣れてきたら、軸の点の位置を移動させてみる。
  -3つの方向軸を意識しながら、ふたりがスティックを使って空間の中を動く。もうひとりはアクターとなって、スティックと空間から影響を受けて演じる。双方が影響し合っていることを意識する。
  -6人一組になる。4人がスティックを扱い、アクターが2名になる。お互いに影響し合いながら、アクターの関係性や物語を作ってみる。

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「はじめはスティックに動かされていたけれど、自分が動くからスティックが変化するという選択肢も発見した」
「スティック=状況や、アクターの心理と言える。状況や心理とも、アクションリアクションできる」
「アクターが二人になったときに、よりスティックの作る空間との関わりもはっきり感じられたし、影響を受けて物語が進んでいったように思う」


●View Point のリサーチ(shape,gesture,architecture、全体を組み合わせて)

  -DAY2の流れで、空間の中を周りから影響を受けながら動く。
  -空間の中に具体的に存在する物からも、影響を受ける。それによって、身体の形、動きの形が変化していくことに注目する。
  -5日間で扱ったワークのすべてを利用して、自分の身体を使って世界からの影響を受けながら関わってみる。
  -続けながら、空間の中にいる他者の中から誰か一人を決める。その人への感情を与える「愛している」
  -同じように、ひとりずつ感情を持つ相手を増やしていく。「嫉妬」「怒り」「安心」「哀れみ」
  -続ける。
  -だんだん動きをすこしずつおさめていく。立ち止まれるようになったら、目を閉じる。引き続き身体で世界からもっと情報を得てみる。肌、耳、鼻、そのまわりのスペース、自分の内側…
  -そのままゆっくり目を開けて、状態を観察する。
  -リラックス



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「最後のview pointは5日間の集大成のような感じだった。身体の細部まで使って、空間全体を感じられたし、たくさんの情報と出会えた」
「感情を与えることでドラマがより生まれた。愛してる人に近づきたい自分や、恥ずかしくて近づけない自分など、いろんな面と出会えた」
「最後に眼を開けたときの皆の姿が、とってもきれいだった!」
「身体と向き合うと、嫌でも自分のめんどうくさいところや厄介なところと向き合うことになる。だけど前向きな意味で、一緒に歩んでいくしかないなと思った」
「身体で本当に相手と向き合って情報を交換するときに、歓び、JOYが溢れているなと感じられる」


5日間のワークはここまででおしまいです◎
素晴らしくチャレンジングで前向きな参加者の皆様のおかげで、多くの気付きを交換できる、貴重な場になりました!ブラボー!

最後に。
今回のLABOは、私がヨーロッパで体験し、学び、解釈したことを繋げてメニューを組みました。グロトフスキー、ルコックシステム、コーポリアルマイム、ビューポイント、それからSENNSA TEATRO LABORATORIO、友人のコンテンポラリーダンサーNataliaと、リサーチカンパニーManifesto poeticoに感謝を◎

LABOでもシェアしましたが…
「今ここ」にいる自分の身体とつながり、世界とつながり続けること、どこまでいってもこれが課題だよねえとNataliaに話したら、「それが生きるっていうことでしょ」と言ってました。

「今ここ」への探求は、生きることの探求。まだまだ旅は続きます。

だけどテキストだけ読んでもちんぷんかんぷんだよ・・・という方は、ぜひ次回のLABOにお越しください!今回のような連日開催の他にも、定期稽古会、合宿など企てていきます!
最新情報は私のTwitterにてお知らせしてます◎ Twitterはこちら


振り返りレポートを最後までお読みいただき、誠にありがとうございました!

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