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フィジカルシアターLABO 振り返り  DAY4

皆様こんにちは!今井夢子です。
フィジカルシアターのアイデアを使ったワークショップを4月5~9日に行いました。そちらのメニュー内容と、参加者からフィードバックで頂いた気付きをまとめた、レポートのDAY4編です◎

~DAY1編はこちら~
~DAY2編はこちら~
~DAY3編はこちら~


DAY4 「身体と質感」


●アップ
●DAY3のジャケットのワークの続き。
  -少し難しいワークなので、着目するポイントを変えてみても良い。例えばジャケットに触るというひとつの動きの間に、変化させる胸の高さと方向を、いくつか試してみる。前に上に変化するときと、後ろに下に変化するとき、情報はどう変わるか。

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「続けていたら、胸の行きたい方向が分かってくるようになった」
「身体の中に葛藤が生まれた」
「変化の方向をいろいろ試すと、積極的、消極的、全然着たくねえ!という気持ち…など、ひとつのシンプルな動きのはずなのに、いろんな情報が発見できた」


●身体のスキャン~エレメント
  -連日行っているように、イメージを伴った身体のスキャンを行う
  -DAY3と同じように、ひとつずつ部位をアクティブにしていき、意志を持たせる。部位たちに連れていかれる感覚で、空間の中を動く

  -手の先から部位ごとに、水の中に入っていく。入ったところから水になり、最終的に身体全部が水になる。そのまま、水流や、他者が動くことによって生まれる水の動きを感じ、影響を受けて動く。部位ごとに、水から自分の身体に戻っていく。
  -手の先から部位ごとに、硬い粘土の中に入っていく。入ったところから身体の内側にも粘土が入り込み、最終的に身体全部が粘土になる。そのまま空間の中を動く。部位ごとに、粘土から自分の身体に戻っていく。
  -下腹の中に火が付いたイメージで、下腹を揺らす。徐々に火を大きくしていき、炎がめらっと大きく揺れたり、炙られた豆が弾けたりするイメージで、下腹から全身に動きを影響させる。だんだん火を小さくしていく。
  -胸の中の空洞に風が吹くイメージを持つ。胸の動きを少しずつ全身に影響させていき、身体全体が風になる。あるいは風に舞う木の葉になる。だんだん風を小さくしていく。

  -再び全身を水にし、そのエネルギーを野球ボールぐらいのサイズにまとめてお腹の中に持ったまま、空間を歩いてみる。感じ方はどう違うか。キャラクターはどう違うか。歩き方、表情、思考などがどう変わるかを観察する。土、火も同様に。風は胸にボールをまとめる。
  -だんだん動きを止めていき、リラックス。


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「スキャンしたときに、空っぽな状態の自分の部位があった。何かイメージをさっさとつけてしまいたくなる自分がいる」
「いつもいつも新しく今の自分の身体と出会うことが大切なので、空っぽならば空っぽで良いのでは。偽りのイメージを詰め込むより、空っぽと出会えることの方が重要なのでは」
「火の状態をボールにしてお腹に持ったときに、強い怒りがわいてきて、制御するので精一杯という感じだった。一触即発の状態。考えて作る感情よりも大きく強い感情を、身体から作ることができた」
「土は無機物感があった。冷静な感じ」
「風が難しい。風はもっと軽いはずなのに、自分の身体の重さを感じてしまう」
「水が難しい。自分でコントロールするのではなく動かされ続けるというのが難しい」
「人によって、自分の持っているエレメントがある。反対に自分があまり持っていない性質のエレメントは難しく感じるのかもしれない。そこが伸び代だね」


●マテリアル
  -白い紙を観察。身体を使ってこの紙になるにはどうしたらいいか試してみる。身体の形、色、薄さ、表情、身体の内側…
  -紙をくしゃくしゃにしたときに何が起こるかを観察。紙は元の状態に戻ろうとして少し開く、動く。
  -この動きを、紙になった状態から身体でやってみる。どんな感情や状態の変化があるか?
  -同じことをする。くしゃくしゃにされるときに悪口を言われる。どんな変化があるか?

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「紙は元の状態に戻りたいのだと思ったけれど、一度くしゃくしゃになったらもう元に戻れないこともわかっているので、開いていく動きのなかに感情の引き合いがあった」
「開いていく動きは大きなものではないけれど、身体のすみずみまで充実していて、ドラマを感じられる」

  -氷とバターになってみる。キューブ状の形をどう表すか、氷の冷たさ、透明さ、バターの柔らかさ、色…
  -溶けていく動きを試してみる。氷は外側から。バターは下から溶けていく。身体の変化に伴って、内面にどんな変化があるか?
  -氷とバターになったら、その状態を野球ボールぐらいの大きさにまとめてお腹の中に持ち、普通の人間として空間の中を歩く。
  -シチュエーションを与える。ものすごく受かりたいと思っていたオーディションの最終結果を、控室で待っている人々。結果を告げられたら溶け始めてもらう。不合格である旨を伝える。

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「氷とバターで、結果を聞いたときの溶け方に違いがあり、氷は冷たい感じだった」
「元のキューブの状態を保ちたいと思っているのに、溶けて行ってしまう。オフィシャルにこう在りたいという状態と、保てない状態の引き合いを感じた」
「結果を聞いた時、溶け切って床に伸びてしまった。でもこういう人、オーディション会場にいることあるよね。思考で考えるとなかなか思い浮かばない演技かも。身体からアクセスしたことでダイナミックな演技が生まれた。しかも全くオーバーに感じず自然だった」
「身体を変化させることから、思考では思い浮かばない演技が見つかったり、強い感情や状態を作ることができるのが、フィジカルシアターの魅力だと思う。私たちは思考によって、勝手に自分の範囲を決めてしまうことがあるけれど、思考を脇に置いておいて身体に任せてみたら、発見できることはたくさんある。身体はすでに、自分よりも多くの情報を持っている」


DAY5に続きます◎

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