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読書記録

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本を読んで感じたことを、徒然なるままに。
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余暇を楽しんでいるはずなのに、なんだか満たされない:暇と退屈の倫理学を読んで

余暇を楽しんでいるはずなのに、なんだか満たされない:暇と退屈の倫理学を読んで

Youtubeで東海オンエアの虫眼鏡さんが紹介していたエピソードが
とても気になったので読んだ1冊。

結論から言うと、
人生でこの本に出会えたことが本当に幸福だと思った。

中盤が少し読みにくく、理解しながら読み進めるのに時間がかかってしまった。

この本を読んでいく中で、頭の中でたくさんの考えることがあって、
「この私なりの考えをだれかと語り合いたいし、他の人の意見も聞きたーい!」
となりすぎ

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『正欲』朝井リョウを読んで。

『正欲』朝井リョウを読んで。

読んだのは一年ほど前だけれど急に思い出した。

『正欲』朝井リョウ

に描かれている、特殊性癖のようなものを、人間誰しも持っていると思う。

それが欲なのか

癖なのか

生き方なのか

考え方なのか。

そしてそれが人から

見えやすいものか

見えにくいものか

隠せるものか

隠せないものか。

私は、

人間はみなどこかおかしい

と、思いながら生きている。

おかしい、という言い方が正し

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『道をひらく』松下幸之助

『道をひらく』松下幸之助

読書が趣味なのだが、
満を辞して『道をひらく』松下幸之助
を読み終えた。

とてもよかった。

何故か安芸高田市の石丸市長のことが頭に浮かんだ。
特に安芸高田市にゆかりはないけれども
よくYouTubeで石丸市長のことを拝見している。

私はこんな人間には到底なれない。
持っているものも努力の量もぜんぜん違う。

でもこの人のようなリーダーがいてくれたら心強い。
わたしも頑張ろうと思う。

石丸市

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四季の美しさを余すことなく享受する本:『日日是好日』を読んで

四季の美しさを余すことなく享受する本:『日日是好日』を読んで

どの本を読もうか迷っていた時、そういえば『日日是好日』を読んでいなかったことに気がついた。

もうすぐ春がくるし、なんとなくこれから迎える春のために読むにはぴったりな本なきがして、『日日是好日』と、その続編『好日日記』を一緒に読むことにした。

日日是好日は長年お茶を習う著者のエッセイであるが、
本当に表現が豊かで、新緑の季節に茶の間に濃い影が落ちている情景が浮かび、そこに冷たい風がふと入ってきた

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ちいさな世界の中に、宇宙ほどに大きい何かが潜んでいる:「猫を抱いて象と泳ぐ」を読んで

ちいさな世界の中に、宇宙ほどに大きい何かが潜んでいる:「猫を抱いて象と泳ぐ」を読んで

友人と待ち合わせをしているとき、ふと入った本屋で、

“人生を変えた一冊が、続いてゆく生活を支えてくれる。”

と書かれた装丁をみつけた。
それがこの本だった。

この本の主人公、リトル・アリョーヒンは
魔法が使える少年となり、世界を飛び回るわけでもなければ、
大恋愛に打ちひしがれ、激動の人生を歩むわけでもない。
ただひっそりと、チェスを指し、
その八✕八のチェス盤の中に、とてつもなく広い世界を観

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