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式年遷宮:20年に一度作り直すことで、伝承を図る (CASE: 1/100)


▲式年遷宮とサステナビリティ


式年遷宮は20年に一度、東と西に並ぶ建物や全てを新しく作り直し、信仰や建物、建築技術の伝承を図る仕組みです。

建築物としては、旧社殿が現存している状況で新社殿を建築するため、隣り合った敷地に同じ構造の建築物が常に2棟存在することとなります。

式年遷宮の制度は、690年に第1回が行われました。長い歴史の間には一時の中断はあったものの、これまで20年に一度のサイクルで、約1300年の長きにわたり繰り返され、直近では2013年に62回目の遷宮が行われています。

革新性や持続可能性という観点から見た際の式年遷宮の特徴は、建築物としての社殿だけではなく、持続可能性を持たせるためにその礎となる信仰心や建築技術までを考慮にいれた包括的な仕組みにあります。

新旧の社殿が常に両方存在することで、片方の社殿に火災など万が一の災害が発生した場合でも、スペアとして片方の社殿が残っている状況となります。

20年に一度の遷宮は、貴重な儀式として私たちにその場を訪れる目的をも生じさせ、世代を跨いで信仰心を再確認する機会ともなり得ます。また、建築を行う職人の中でも、技術伝承が図られる機会にもなります。

持続可能性を持たせるために、丈夫なもの、頑強なものを作り、出来るだけ長持ちさせるというのは、一つの有力なアプローチでしょう。しかしながら、式年遷宮の事例が示唆するのは、それに対する代替的なアプローチです。

それは、モノの寿命を過大評価せず、壊れゆくものという前提に立ち、その材料や作り方、作り手、利用者との関係性を新しく考え直すことです。結果として、モノが長持ちするだけではなく、その持続可能性を高める行為の循環が、モノやサービスへの利用者の愛着心を高めることにもつながるのではないでしょうか。

▲キュレーション企画について

イノベーション事例についてi.labがテーマにそって優れた事例のキュレーションを行い、紹介と解説を行います。

2022年のテーマは「サステナビリティ」です。

▲今回のキュレーション担当者


i.lab マネージング・ディレクター 横田幸信

i.schoolディレクター。早稲田大学ビジネススクール(WBS)非常勤講師。九州大学理学部物理学科卒業、九州大学大学院理学府凝縮系科学専攻修士課程修了、東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻博士課程中途退学。修士課程修了後は、野村総合研究所にて経営コンサルティング業務に携わる。その後、イノベーション教育の先駆者である東大発イノベーション教育プログラムi.school(旧名:東京大学i.school)では、2013年度よりディレクターとして活動全体のマネジメントを行っている。イノベーション創出のためのプロセス設計とマネジメント方法を専門として、コンサルティング活動と実践的研究・教育活動を行っている。近著に「INNOVATION PATH」(日経BP社)がある。

▲参照資料


▲i.labについて

i.labは、東京大学i.school ディレクター陣によって2011年に創業されたイノベーショ ン創出・実現のためのイノベーション ・デザインファームです。東京大学i.school(2017年4 月 より一般社団法人i.school)が世界中のイノベーション教育機関や専門機関の知見を研究しながら独自進化させてきた理論知と、i.labが産業界で磨いてきた実践知の両輪で、企業向けにイノベーションのためのプロジェクトを企画·運営しています。

会社名:イノベーション・ラボラトリ株式会社

代表取締役:横田 幸信

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