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上勝町ゼロ・ウェイストセンター:80%超えのリサイクル率実現。町のブランド価値を高める象徴的な施設がもたらす効果とは。(CASE: 63/100)

▲「上勝町ゼロ・ウェイストセンター」とサステナビリティ

徳島県にある「上勝町」をご存知ですか?上勝町は2003年に「ゼロ・ウェイスト宣言」を行い、ゴミを45分別に仕分けするなどの分別を徹底することで80%を超えるリサイクル率を達成し、注目されている町です。ゼロ・ウェイストとは、ゴミをゼロにすることを目標に、可能な限り廃棄物を減らそうとする活動のことです。

今回の事例「上勝町ゼロ・ウェイストセンター」は、2020年5月にゼロ・ウェイストの拠点であるごみ収集場をリニューアルしオープンしました。町民の方がゴミを持ち込むゴミステーションに加え、リユースショップやコミュニティホール、宿泊施設などから構成されています。施設は、地元のスギ材を使用していたり、町民の方から集められた約700枚の建具をパッチワークのように窓として使用していたりすることで、ゼロ・ウェイストの理念の象徴となっています。

ゴミを45種類にも分別することはとても手間もかかる難しい取り組みです。上勝町ゼロ・ウェイストセンターが町民の方同士の交流の場でもあり、行きたくなるような施設であることが、取り組みを持続可能にしている要因の1つでないでしょうか。

また、理念の象徴となる施設であることも、取り組みと町をサステナブルにしている大きな要因の1つです。私が上勝町を知ったきっかけも施設でした。建築がバックグランドである私は、雑誌などで新しい建築を見ることが趣味の1つで、この施設を知りました。写真でパッチワークのような窓を見て「なんでこのような窓をしているのだろう?」と興味が湧き、上勝町での取り組みについて学びました。私のように、施設をきっかけに上勝町の取り組みを知る人もいるでしょうし、取り組み自体から知る場合でも、象徴的な施設があることでイメージがしやすくなったり、訪問してみたくなったりします。つまり上勝町ゼロ・ウェイストセンターは、町の取り組みや魅力を強化し、上勝町のブランド価値を高める役割も果たしているのです。

ブランド価値が高まることで、町民の方はより誇りを持ってゼロ・ウェイストに取り組むことができ、取り組み自体のサステナビリティも向上し、町外からの注目を集められることで、過疎化の進む地方にある町の活性化にも寄与します。

この事例のように、町の取り組みを更に押し進め、象徴となる施設は、町のブランド価値を高め、町自体もさらにサステナブルにさせることができるのではないでしょうか。

▲参照資料

https://why-kamikatsu.jp/

▲キュレーション企画について

イノベーション事例についてi.labがテーマにそって優れた事例のキュレーションを行い、紹介と解説を行います。

2022年のテーマは「サステナビリティ」です。

▲今回のキュレーション担当者

サービス・ビジネスデザイナー 伊賀上詩織

▲i.labについて

i.labは、東京大学i.school ディレクター陣によって2011年に創業されたイノベーショ ン創出・実現のためのイノベーション ・デザインファームです。東京大学i.school(2017年4 月 より一般社団法人i.school)が世界中のイノベーション教育機関や専門機関の知見を研究しながら独自進化させてきた理論知と、i.labが産業界で磨いてきた実践知の両輪で、企業向けにイノベーションのためのプロジェクトを企画·運営しています。

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