見出し画像

太陽光発電:最注目は、日本発のペロブスカイト型。光起電力効果を活用した、メンテナンスフリーな発電方式。 (CASE: 69/100)

▲「太陽光発電」とサステナビリティ

世の中のほとんどの発電は、何らかのエネルギーを用いてタービンを回転させ、その回転を発電機につなげることにより、電気を生み出しています。火力発電や原子力発電は高温高圧の蒸気やガスでタービンを回しますし、水力発電は水の位置エネルギー、風力発電は風の力を利用しています。

一方、太陽光発電は、光起電力効果という根本的に異なる発電の仕組みになっています。太陽光発電は、太陽の光エネルギーを直接電力に変えているわけですが、その変換には半導体が用いられます。半導体中の電子が太陽の光エネルギーを吸収することで、半導体の中を動きやすい状態になり、エネルギーを吸収した電子を半導体の外に取り出すことによって、電力として活用する仕組みです。

この仕組みの優れている点は、ほぼ無限でクリーンな太陽エネルギーを活用しているだけでなく、タービンや発電機のような回転体を使っていないために、きわめて劣化スピードが遅いことにあります。例えば、風力発電は月次・年次・中期の定期的な点検・メンテナンスが必要ですが、太陽光発電の場合は、パネルだけで見るとほぼメンテナンスフリーで30年ほどの製品寿命があります(とはいえ表面の掃除程度は必要ですし、発電システム全体でみると、パワコンなどの周辺機器の寿命は、もっと短いものが多く存在します)。

再生可能という側面でも、メンテナンスという側面でも優れているこの太陽光発電、既にかなりの量が導入されていますが、まだまだ可能性を秘めています。現在主流の技術は、シリコン系のものですが、色素増感太陽電池や有機半導体太陽電池など、より安価でデザイン性に優れた技術も生まれており、耐久性や変換効率の改善に向けた研究開発が進められています。最注目は、日本発の技術である、ペロブスカイト型太陽電池。研究レベルでは多結晶シリコン並みの変換効率も確認されており、将来の低コスト太陽電池として有望視されています。

私は、仕事をする中で何故か太陽光発電との接点が定期的に多数あり、技術や市場の調査を数多く行ってきました。接点が生まれる度に技術も市場も進化しており、驚かされるばかりですが、10年・20年先にはさらなる進化を見せ、私たちの生活を豊かにするとともに、サステナビリティも高めてくれているだろうとワクワクするばかりです。

▲参照資料

▲キュレーション企画について

イノベーション事例についてi.labがテーマにそって優れた事例のキュレーションを行い、紹介と解説を行います。

2022年のテーマは「サステナビリティ」です。

▲今回のキュレーション担当者

i.lab シニア・ディレクター 杉江周平

▲i.labについて

i.labは、東京大学i.school ディレクター陣によって2011年に創業されたイノベーショ ン創出・実現のためのイノベーション ・デザインファームです。東京大学i.school(2017年4 月 より一般社団法人i.school)が世界中のイノベーション教育機関や専門機関の知見を研究しながら独自進化させてきた理論知と、i.labが産業界で磨いてきた実践知の両輪で、企業向けにイノベーションのためのプロジェクトを企画·運営しています。

会社名:イノベーション・ラボラトリ株式会社
代表取締役:横田 幸信
本社:東京都台東区小島2丁目14-5毛利ビル705
URL:https://ilab-inc.jp/
問合せ先:info@ilab-inc.jp (担当:井上)

Facebook:

Twitter:

Instagram: https://www.instagram.com/i.lab_inc/
note: https://note.com/ilab_official/
Newsletter:https://onl.sc/TTJ25DP


#sdgs #デザイン経営 #イノベーション #イノベーションデザイン #サステナビリティ #持続可能性 #新規事業 #パーパス #ビジョン #未来社会 #サーキュラーエコノミー #ブランド戦略 #ブランディング #ビジョン
#perovskite #ペロブスカイト #太陽電池 #太陽光発電 #photovoltaic