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経営学入門書の薦め

はじめに:初学者達へ

今回は女史の専攻でもある経営学の入門書について記事を書きたい。経営学に対して皆様はどのようなイメージをお持ちだろうか。企業の経営の在り方について述べていたり、利益の上げ方、コスト削減の仕方、はたまたリーダーシップなんかも思い浮かべる方がいるだろう。

確かにその通りである。しかし、経営学とは、書店に立ち並ぶ”なんちゃって経学本”が述べているような小手先の学問では決してない。経営学は、由緒正しき学問であり、その正体は大量の定量分析及び定性分析によって積み上げられた論理の集合体なのである。

少しでも経営学に興味を持っている方に、由緒正しき経営学を知ってもらいたく、今回は絶対に読んで欲しい本3冊を紹介する。これらは女子が大学時代に課題図書として教授に出され、泣きながら必死で頭に叩き込んだ本達だ。背表紙も頁も黒ずんでボロボロになったが、今も我が家の本棚に王の如く君臨し、現在でも見返すほどである。

入門書といえども、軽い気持ちでは決して読み抜けない。経営学を学ぶからには正規のルートで門戸を叩いて欲しいという女史の気持ち故、中途半端な書籍の紹介など一切するつもりはない。経営学を学び、経済の担い手たちを分析し、論理によって世界を理解したいという方、是非順番に読み進めて欲しい。

1.『グローバル経営入門』浅川和宏:鉄板本

これは、日本の経営学界の大スター浅川先生によって書かれた、経営学の入門書である。

経営学において必須の理論が、非常にわかりやすくまとめられている。図なども多くあり、初学者でも比較的頭に入ってくるように書かれている。

まずはこれを読み、基礎的な知識をしっかりとつけて欲しい。この本に出てくる理論は全て基礎中の基礎であり、この理論を頭に叩き込んでいなければ、”経営学を学んだ”などとほざくことは許されない。

2.『戦略経営論』マイケル・A・ヒット他:広辞苑

浅川先生の本を叩き込んだら次はこちらの本に進もう。こちらも、浅川先生の本同様に、基礎的な理論を詰め込んである。浅川先生の本の内容と重複することもあるが、こちらの本はより詳細に述べられている。そして、何より、この本では理論の説明にケースが多く用いられている。実際のケースを通じて理論を学ぶことができ、より実践的である。また、その題名の通り、経営学の中でも戦略論的な分野にフォーカスした本である。

一つ注意しておくと、この本、非常に分厚い。そして、文字が小さい。最初この本を見たとき、少し抵抗を覚えるかもしれない。しかし、少しだけ我慢して読み進んで欲しい。この本がすぐに読者を経営学の森に招き入れてくれる。

3.『競争戦略論』マイケル・ポーター:経営学界のゴッド

1,2の本を読み終わったら、君は必要な準備が整い、スタートラインに立った。これは言わずもがな、経営学界の世界にダイブすることを意味する。

そこでまず読むべきものがポーターの競争戦略論である。ポーターは、経営学界では神のような存在である。サッカーでいうクリスチアーノ・ロナウド、バスケでいうジョーダン、テニスでいうフェデラーだ。

彼が世に繰り出す理論は美しく芸術的であり、科学哲学に適っている。常人が達成しえない偉業を彼は何度も成し遂げてきた。彼の本を読破せずして経営学は語れない。是非、彼の最も鉄板本である本書を読んで欲しい。

1、2の本の基礎が頭に入っていれば、すらすらと読むことができる。そして、彼の理論を深く詳細に学び、素晴らしい学者が何たるかを感じて欲しい。

おわりに:経営学の世界へようこそ

今回は入門書を紹介した。基礎的な知識が浅く広く(たまに深く)書いてある本である。基礎的な知識を叩き込むことは必須であり、これを叩き込まずして応用的な内容なんぞやっても理解ができない。そして、最も大事なのは、このように浅く広い本を読み進めながら、自分は一体どこに特に興味があるのかを見極めることである。

今回の3冊を順番に読み進め、3冊目を読み終わったころにはきっと皆さんの中で、「あー、この理論すっごい面白かったなあ!!!」という感想が出てくるはずである。そしてそれが皆さんが進むべき道である。

経営学に少しでも関心がある方、この3冊にぜひ挑戦してみて欲しい。学問を本気で学ぶことが如何に人生を変えうるか、絶対に実感できる。

ちなみに女史はこの3冊を10周以上は読んだ覚えがある。凡人は1回読んだだけで内容を覚えられない。泣きながら何回も手を動かしてノートに書きなぐりながら理論を覚えるしかないのである。そういう泥臭い作業も、実は学問に身を捧げたくなる理由でもある。

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