マガジンのカバー画像

環境関連

7
運営しているクリエイター

記事一覧

大学って何の意味があるのか?:好奇心を育てて欲しい

大学って何の意味があるのか?:好奇心を育てて欲しい

今回は大学の中のことについて書きます!

(私の所属する)大学では4回生から卒業研究をするため研究室に所属し、多くの場合さらに大学院の修士課程に二年間通うことが普通になっています。僕の研究室は生態学という学問を専門にやっているところですが、そんな一つの分野の研究室にも色んな学生がやってきます。研究者になりたい人、そうでない人、言われなくても生物や自然にしつこい興味を持っている人、そうでない人、就職

もっとみる
水を雑に扱うと、どうなる?...千葉市近郊の例

水を雑に扱うと、どうなる?...千葉市近郊の例

ここ数回のnoteで、水と空気がうまく流れるような環境が生物にとって必要で、人の文化は水とうまく付き合うように発達しているのではないか、と考えてきました。ところが、水とうまく付き合う知恵は、現代社会の中で失われるつつあるのかもしれません。前回はその例として、東京近郊の川の話をしましたが、もう一つ千葉のある公園で見たことをまとめたいと思います。

ある日休日に千葉県の公園でピクニックに出かけました。

もっとみる
水を雑に扱うと、どうなる?...東京近郊の例

水を雑に扱うと、どうなる?...東京近郊の例

ここ数回のnoteで、水と空気がうまく流れるような環境が生物にとって必要で、人の文化は水とうまく付き合うように発達しているのではないか、と考えてきました。ところが、水とうまく付き合う知恵は、現代社会の中で失われるつつあるのかもしれません。その例として、東京近郊の川で僕が見たことをまとめておきたいと思います。

とある川の源流に向かって歩いていた時のこと、釣り堀と駐車場がありました。東京から来た車が

もっとみる
良い環境って何?:森の中の波打ち際

良い環境って何?:森の中の波打ち際

SDGsやら、生物多様性条約やら、社会は「良い環境」を求めて大きな変革をおこさんとしているようです。でも「良い環境」ってどんなものでしょうか?

さまざまな条件が考えられると思いますが、ここではいろんな視点を総合して、「人を含む生物が生きていける環境と人の文化が維持されること」だとしたいと思います。すなわち生物多様性が保たれるような環境です。以前、生物多様性についての記事も書いたので、そちらも参照

もっとみる
水の勉強

水の勉強

旅は人生を作る!ー学問は、そんな旅を百万倍楽しくしてくれます。

幕末の志士に詳しくなれば、日本全国どこにいってもその足跡を感じることができて、楽しいです。自然科学はどうでしょうか?自然はどこにでもあります。人の変えた自然も、家の中の箱庭も、圧倒するような原生的な自然も、これら自然を語る言葉をもてば、世界中どこに行っても楽しくなります。

水について自然を知るには、まず「水」を知るのが第一歩ではな

もっとみる
生物多様性って何?(その2)

生物多様性って何?(その2)

「生物多様性を守る」とは、ある生物種や生態系の数を増やす、もしくは数を取り戻すことではなく、全体(その場所、流域、地域全体など)の健全な機能を守り育てることではないか。目の前に見える生物種や群落を取り出して、その数が増えた減ったに反応する。そうではなくて、その生態系が成り立っている環境全体(人の文化を含む)を良くしなくてはならない。この視点は、実社会で忘れられることが多い。その例として、前回外来種

もっとみる
生物多様性って何?(その1)

生物多様性って何?(その1)

2021年現在、SDGsとともに生物多様性という言葉は、いたるところで耳にするようになっていて、現代社会を語る上で欠かせないキーワードになりました。その一方で、どれだけの人が「生物多様性って何ですか?」と聞かれて、即座に返答できるでしょうか?わかるようでわからない、そんな言葉ではないでしょうか。「多様性」という言葉から察するに、生物種がたくさんいることでしょうか?生物多様性を守るとは、できるだけた

もっとみる