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●1 私と体重、交換しませんか?

街中でスタイルの良い人を見かけたとき、こう思います。
「私と体重、交換しませんか?」
実際につぶやくわけではありません。だから、すたすたとその人は歩いていきます。
私があんな体型だったら、今どんな人生だっただろうか?
空想が始まります。


もともと食べることが大好きで、人生で痩せている時期というのはあまりないです。
兄や母は細身なのに、私は骨太、洋ナシ体型です。
高校時代は、肥満の一歩手前くらいでした。

女子校だったため、美人で細身の同級生と自分を比べることはありましたが、そこまで体型にコンプレックスを抱くことなく、のびのび過ごしていました。


でも、大学に入って、初めて異性の目にさらされたとき、
彼らは女の子をある程度、容姿や体型でジャッジしていることに気づきました。



「男並みにでかいよな」

「痩せたら相手にしてやってもいいよ」

「逆に何食べたらそんなに太れんの?」


そんな、心無い言葉を吐かれることがありました。

そんなに直球で外見について触れられたことはなかったため、私はそのナイフのような言葉でざくざくと傷つきました。


好きな服を着るのをやめ、身体のラインが見えない、ぶかぶかした服ばかり好むようになりました。

極端な食事制限をしたこともあります。

でも、「痩せたい」と願えば願うほど、食べ物への依存が高まってぶくぶく膨れていき、
「また太った?笑」といじられるという悪循環に入り込みました。

酷いことを言われても、言い返したり怒ったりすることはできず、ただニコニコ笑っていました。
誰にも嫌われたくなかったからです。



そうして溜まった不満は、食べることでしか発散できませんでした。



帰り道に何件もはしごして食べ物を買い集め、家族から隠れてそれを泣きながら詰め込み、そのまま寝落ちするという、不健康な日々を送るようになりました。

人目を気にしがちな私ですが、それよりも食欲が勝り、電車の中で続けざまに菓子パンにかじりつくこともありました。


大学2年生のとき、ネットで検索して、大量に食べて吐くことを覚えました。するする痩せていきました。

でも、ある時を境に、完全に吐くことができなくなりました。また、太り始めました。



私は、スタイルが良くて綺麗じゃないと、他者から人間として認めてもらえないように感じます。
大学時代、デリカシーのない人たちに、容姿についてあることないこと言われて、それを真に受けてしまったからです。


別に痩せていなくたって、美男美女じゃなくたって、満たされた人生を生きることが大いに可能なことを、頭では理解しています。


他人の場合は、それで良いと思う。
でも、私だけは例外。そういう風に考えます。



はっきり言って、自意識がむき出しな思春期の中学生みたいな考え方だと思います。
とても、恥ずかしいです。未熟だと感じます。

でも、こういうものの見方は、なかなか手放せません。
どうしても、「痩せていて美しい」ことが、幸せの条件のように感じてしまうのです。


すごく単純なことを言います。
韓国アイドルみたいな体型になりたい!

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