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バンド 【完結】

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#2000字のドラマ

【小説】 ココアくん (マキコ)

【マキコ】  「今日、来てたんだ」  家に帰ってきてから、最初に着替えをする。制服をゴミ…

井川文文
3年前
6

【小説】夢中 (ミウ)

 「いい、ライブだったね。ありがとうございました。各々が作ったっていう新曲のおかげで音楽…

井川文文
3年前
5

【小説】 親の期待 (マキコ)

 お母さんは笑ってた。  バンドを馬鹿にして、夢を鼻で笑っていたはずなのに。  なんとなく…

井川文文
3年前
8

【小説】 旅行 (ヒロナ)

【ヒロナ】  家族旅行のことを考えていた。  10年以上前の記憶が、どうしてこのタイミング…

井川文文
3年前
15

ライブの悪魔 (ミウ)

【ミウ】  マキコのギターの弦が切れた。  漫画とか小説だと、弦が切れる時には「プツンッ…

井川文文
3年前
10

ギターの汗 (マキコ)

【マキコ】  あたしの名前を呼ぶ声が聞こえる。  黄色い声と、茶色い声が混ざって混沌とし…

井川文文
3年前
9

バンドをしている2 (ヒロナ)

【ヒロナ】  照明が暗い間にステージに上がるのが好き。お客さんが暗がりの中で、私たちに気付いてくれるのが分かる。目を凝らしているのだろう。自然と静かになっていく。それが客席全体に広がっていく。  あっという間にザワザワが凪いでいった。  ドラムセットの前に座って軽く音を鳴らすと、客席は逆に盛り上がりを見せた。前に立つ3人も、それぞれの楽器をチューニングしている。ドンドンという音。ボーン。ビーン。ポーン。これから演奏するどの曲よりも離れた、つまらなそうな音を出している。  そ

善意という名の攻撃 (マキコ)

【マキコ】  「わたしは、あなたの夢を奪おうなんて思ってないし、そんなことは一言も言って…

井川文文
3年前
8

母の教育 (マキコ)

【マキコ】  「あなたは女なんだから、自分を大切にしなさい。そのためにも、強くなりなさい…

井川文文
3年前
8

じゃ、ライブで (ミウ)

【ミウ】  「うち、メンバー4人しかいないのに、毎年文化祭のクラスリーダーがいるって珍し…

井川文文
3年前
9

机の下のキック (ヒロナ)

【ヒロナ】  「明月祭ってこんなに大変なんですね」  「確かに初めてだと驚くよね! 外か…

井川文文
3年前
7

無理してね! (ヒロナ)

【ヒロナ】  文化祭には間に合わないと思っていた。  ミウが主導する新曲制作は難航し、本…

井川文文
3年前
4

鐘が鳴る瞬間 (ミウ)

【ミウ】  新曲制作は難航した。  歌詞を作ったはいいが、メロディがまるで出来上がらない…

井川文文
3年前
6

外側にいる人が持つナイフ  (マキコ)

【マキコ】  思い返せば、笑っているのはいつも外側にいる人だった。自分は何もしないで、ただ遠くから見てるだけ。俺には関係ない。私には関係ないという心がそこには隠れている。関係がないから大笑い出来るのだ。  生徒会として活動している時も、学級委員として活動している時もそうだ。新しい提案をする時や、クラスのみんなにアイデアを募る時、バカにしてくるのは輪には入らず意見を言わない人。それなのにチャチャを飛ばしてくる。  昔から人前に立つ事は好きだったし、周りの人も文句なく立たせてく