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バンド 【完結】

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2021年11月の記事一覧

【小説】 将来っていつのこと

 先輩たち三人が進路を決めた。  この事実はマキコにも進路を考えるキッカケとなった。  大…

井川文文
2年前

【小説】 何を吸収するかって話

 「・・・って話をしたんだ!」  「うん、いい話だね」  二人は手を繋いでいた。まだ昼頃…

井川文文
2年前

【小説】 ファミレス

 ファミレスを笑う者は、ファミレスに泣く。  ミウはピザを頬張りながら、こんなことを考え…

井川文文
2年前
2

【小説】 体内に入れるもの

 ヒロナとミウとアキは、三人で食事をしていた。高校生活最後の文化祭が終わり、軽い打ち上げ…

井川文文
2年前
2

【小説】 ボールペンを回しながら

 今日の気付き。  マキコちゃんは、背負うモノが多いほど光り輝く。自分の期待に応えること…

井川文文
2年前
24

【小説】 接着剤

 目が覚めると、天使のように朗らかに笑っているマキコの姿が飛び込んできた。見るもの全てを…

井川文文
2年前
10

【小説】 謝ろうと思った。

 マキコは奔走した。  朝のバンドリハーサルを終えた後は、文化祭実行委員と体育館の客席導線や紹介段取りの最終確認をしなければならない。その後はクラス企画である縁日のスタッフシフトと作業確認。生徒会としての全体確認や、ゴミ捨て場など、風紀乱れのチェック。そして、投票で選出されてしまったミスコンのリハーサル。  文化祭を楽しむ余裕なんてこれっぽちもなかった。  しかし、この隙間のないスケジュールこそがマキコを充実感に満たし、逆に心に余裕を持たせていた。  自分には背負わなければ

【小説】 眠い

 文化祭当日だっていうのに、どうしてこんなに眠いのだろうか。  ミウは何度もトイレで顔を…

井川文文
2年前
5

【小説】 インストール開始

 自分の頭の中に新しいアプリがインストールされる感じ。  マキコがそう思うようになったの…

井川文文
2年前
1

【小説】 誰が為にログをする

 とうとう日記を書くことが日課になった。朝起きて一番最初にすること。  どんなに疲れてい…

井川文文
2年前
10

【小説】 郷に入ってはなんとやら

 中草コウシはほんのり顔を桃色に染めていた。  お酒の力もあるが、それだけが染料になって…

井川文文
2年前
2

【小説】 ビールを飲んだ彼

 「中草くん、お酒飲むの?」  中草くんのコップに黄金色に光った液体が注がれた。かき混ぜ…

井川文文
2年前
2

【小説】 できること。

【ヒロナ】  予想通り、マキコちゃんはリーダー業の引き継ぎに困惑していた。  それはそう…

井川文文
2年前
3

【小説】 リーダーシップ

【マキコ】  リーダー的なポジションを演じることは楽だった。人前に立ち、先導すればいいだけだから。学級委員も生徒会長も基本的には変わらない。人の意見を聞いて、人に動いてもらえるようにお願いをするだけ。もちろん集会などでは問題改善策などを考えなければいけないが、そんなことは誰にだってできる。アイデアを出す作業はそこまで苦ではなかった。  リーダーに必要なことは勇気と決断力だと思う。人をまとめる力も必要かもしれないけど、それは誰かに頼ればなんとかなったりする。それよりも大切なこ