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ぼくにとってのカミングアウト

 大家好!一條心です。僕は、シンガポールに住んでいて台湾出身の旦那さんがいます。セクシャリティはゲイで、職場でもプライベートでも隠さずに暮らしています。Noteでもカミングアウトについて悩む学生さんの日記をよく見かけますね。セクシャリティのカミングアウトは自身のアイデンティティの根幹に関わることで、する・しないを含めて、それぞれが置かれている環境と価値観に照らし合わせて、自分自身に決定権のあるものです。今日は、ぼくにとってカミングアウト、その2つの段階についてのお話です。

じぶんへのカミングアウト

 カミングアウトは一般的に他者に自分のセクシャリティ等を伝えることを指しますが、その前にもう一つ、とても重要で、人によっては何年、何十年と時間を要するステージがあります。それは自分自身へのカミングアウトです。僕であれば、自分自身がゲイであると気づいて、認識して、受け入れるまでの期間を指します。この自分自身へのカミングアウトに要する時間は個人差が大きく、物心ついたときから自分はゲイだとわかってた!という人から、何十年もの時間をかけて自身のなかで折り合いを付ける方まで、人それぞれです。

 僕自身は、今思えば思春期に入る頃からゲイである(性的対象が男性という)兆候があったと思います。でも、如何せん”ゲイ”や”同性愛者”というものを、言葉では知っていても自分自身がそうである可能性があるとは一度も考えたことがなかったため、19歳まで気づくチャンスが巡ってきませんでした。中学、高校、大学に入っても、彼女がいた時期があったものの、友達の延長線上ぐらいの感覚でしかなく、自分は恋愛には淡白なタイプなのかな?と思っていました。

 ・・・そう、台湾で最初の彼氏に出会うまで(笑)結局、彼との付き合いは全然うまくいかず、すぐ終わったのですが、自分のセクシャリティを気づくきっかけをくれたことに感謝しています。それまでのモヤモヤ期間が長かったせいか、台湾できっかけを得てからはすぐに自分がゲイだと受け入れることができました。台湾は早くからジェンダー教育に力を入れてきたこともあり、もう14年も前になりますが、大学の中でもLGBTQをカミングアウトしている人が自然にいる環境でした。人生こうあるべき!というフレームワークガチガチの思考で凝り固まっていた自分にとっては、台湾との出会いは毎日目からウロコで、人生のターニングポイントとなりました。台湾の大学は、みんな自分らしく!自分に正直に生きよう!という雰囲気でした。

他者へのカミングアウト

 自分で自分のセクシャリティを受け入れられたら、次は他者へのカミングアウトです。僕は長年のモヤモヤが晴れて、自分のセクシャリティに気づけた嬉しさのあまり、台湾留学から帰国してすぐに、大学の仲の良い友人二人にカミングアウトしました。今思えばずいぶん勇気があったなと思いますが、当時は僕の人生がようやく始まった!レベルの嬉しさを日々感じていたのを覚えています。最初のカミングアウトが友人にすんなり受け入れられて、それが成功体験となり、それ以来仲良くなった友人には自然と伝えるようになりました。

 家族に対しては、はっきりと言葉で伝えたことがないのですが、早くから彼氏を実家に連れ行ったり、一緒に住むと言ってみたり、わかりやすい行動を取っていたので、女兄弟の多い家族にはすぐ気づいてもらえました(と勝手に思っています)。シンガポールに来る前、もう6−7年ほど前になりますが、他の兄弟がみんな結婚して、僕だけ結婚しているも同然のパートナーが居るのに結婚のお祝いをしてないのは可哀想!と母が突然言い出し、家族にささやかなお祝いをしてもらった時に、完全に受け入れられたと感じました。

 最もカミングアウトのハードルが高いのは職場ですね。LGBTQの各種調査でも職場でのカミングアウト率は常に一桁台です。僕も最初は仲の良い同期にしか話していませんでした。社歴が次第に長くなってきて、入社6年目、シンガポール駐在赴任前後に上司へのカミングアウトを始めました。ちょうど家族にお祝いをしてもらった頃です。やはり、家族を味方につけたれたら他に怖いものは無いと思ったんですかね。シンガポールでも、会社のイベントに旦那さんを連れいていって上司に紹介したりできるぐらいになりました。振り返ると、自分の中での小さな成功体験の積み重ねだったのかなと思います。

 繰り返しになりますが、カミングアウトはする・しないを含めて、完全に個人の裁量に任せられるべきものだと思います。でも、言いたいと思った時に、周りの人が自然と受け入れられるように、LGBTQに関する世の中の全体のリテラシーがあがるといいなと思います。

最後にどうしても紹介したいカミングアウト関連の素敵な動画を2つ

LGBTQ100人カミングアウト2020 【 私たちはここにいる 】

PROJECT MOVIE OF “OUT IN JAPAN” with MARUI GROUP #011​-#016​ Photographed by LESLIE KEE

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