あなたの家族や親しい友人にLGBTQはいますか?
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あなたの家族や親しい友人にLGBTQはいますか?

 LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字をとった頭字語で、性的少数者(セクシュアルマイノリティ)の総称の一つです。ほかにも「クィア」などの総称があり、LGBTQと言ったときのQはクエスチョニング、または、クィア(性的指向や性自認が非典型な方全般)を指し、性的少数者はL、G、B、Tだけではないという意味を強調するニュアンスがあります。

LGBTという言葉は浸透してきたけれど

 2015年に渋谷区で始まったパートナーシップ制度、毎年日本各地で開催されるレインボーパレート、様々な企業の取り組みを経て、この数年でLGBTという言葉が日本で急速に浸透しました。このLGBTという言葉に関しては、当事者の中でも賛否両論あり、そもそもセクシャリティをこのように(しかも4タイプだけを)区別して表現する必要があるのか、また権利向上などの活動に紐づけて使われることが多いので、セクシャルマイノリティのすべての人が表立って権利を主張していると思われたくない、そもそも目立ちたくないのでそっとしておいてほしい等、意見は様々ですね。

 先の同性婚裁判の札幌地裁判決文にあるように、

異性愛者と同性愛者の違いは、人の意志によって選択・変更し得ない性的指向の差異でしかなく、いかなる性的指向を有するものであっても、享有し得る法的利益に差異はないといわなければならない。

 異性愛者と同性愛者の違いは、性的指向だけであり、それは"嗜好”ではなく”指向”であると明言されています。このようなセクシャルマイノリティに関する正しい知識を広め、世の中のリテラシーを底上げすることが必要なステージにおいては、キャッチフレーズとして使われる”LGBTQ”は相応の役目があるものと思います。従って、役目を終えたら次第に使われなくなり、そういえば昔はそんな言葉あったね、と言われる日もそう遠くないでしょう。実際に、LGBTという言葉の使用を避け”セクマイ(Sexual minorityの略称”や”SOGI(Sexual Orientation Gender Identity)”という表現が好まれる場面が増えてきました。特に20代より下の若者の間では、”セクマイ”が使われるのをよく見かけます。

LGBTQって人口の8.9%もいるの?

電通ダイバーシティ・ラボが「LGBT調査2018」を実施
- LGBT層に該当する人は8.9%、「LGBT」という言葉の浸透率は約7割に 

 よく左利きの人ぐらいだの、名字の佐藤、鈴木、高橋、田中さんの合計ぐらいだなどと言われますが、おおよそ諸外国の10%弱程度の調査結果となっていることが多いです。みなさんの実感ではどの程度でしょう?もっとたくさんいると思いますか?それとも、もっと少ないと思うでしょうか。

 たまに、台湾はゲイが多いんでしょ!とかって言う方がいますが、性的指向が人の意思によって選択できない”指向”である限り、人種や国籍によってその”潜在的”な人口は大きく変わらないと思います。しかし、潜在的には変わらないとしても、その人が育つ社会の性の多様性に対する寛容度によって、その人が成長の過程で自分のほんとうのセクシャリティに気づくきっかけがあるかどうかは大きく変わってきます。台湾では、ジェンダー教育に力を入れてきた歴史もありますし、社会の寛容度、理解度がアジアの中では相対的に高い為、セクシャリティカミングアウトして暮らしてる人が多く、結果的に比率が多く見えるだけですね。

 僕自身の話をすると、僕は大学に入るまで自分がゲイだと気づいていませんでした。単にあまり恋愛に興味がないだけだと思ってたんです。だって教科書にLGBTとか載ってなかったし、性的指向や性自認に多様性があるなんてこと誰も教えてくれませんでした。トランスジェンダーについては社会的な動きがあり、上戸彩の金八先生が放映されていて、知る機会がありましたが、自分の性自認は男だったので、それを自分ごとに紐付けて考えることもありませんでした。僕もきっかけがなければ、自分の性的指向に気づくことなく年を重ね、結婚適齢期に突入し、女性と結婚していたかもしれません。現にそういった方はたくさんいらっしゃいます。

あなたの身近にLGBTQの方はいますか?

 万が一いないと思われているのであれば、一度自分の胸に手をあてて身の周りの大切な人たちの顔を一人ずつ思い浮かべてみて下さい。10人ぐらい思い浮かべれば一人ぐらいはLGBTQの方がいます。いないと思うのであれば、それはいないのではなく、いるけれど、あなたには伝えていないか、誰にも伝えずに暮らしているのです。

2020年に厚生労働省がまとめたLGBTのカミングアウトに関する調査では、

職場でのカミングアウトの割合をみてみると、レズビアンの8.6%、ゲイの5.9%、バイセクシュアルの7.3%、トランスジェンダーの15.3%が誰か一人にでも伝えていると回答。いずれも1割程度にとどまった。職場以外では、家族や友人へのカミングアウトの割合はいずれも1〜3割程度で、カミングアウトしている人は「いない」という回答が6〜7割に上った。

 最もカミングアウト率が低い職場ではトランスジェンダーを除くと1割を下回ります。10%弱の比率で、カミングとしている人が10%をきっているのですから、100人に1人以下しかいないことになり、全然いないじゃん!となるわけです。家族や友人は職場ほどではないものの、日本ではまだ1〜3割程度が一人以上に伝えていると言うが現実です。

 カミングアウトという言葉も、LGBTに並んで賛否両論のある言葉です。なんで異性愛者はカミングアウトしなくていいのに、マイノリティはカミングアウトが必要なんだ、と。カミングアウトする必要がない社会になってほしいと思いますが、社会全体のリテラシーが追いつくのにはまだまだ時間がかかりますね。同性婚についても、世論がついてきていないので、一足飛びに法整備を実施できないと言っている政党がいますが、法整備をして世論の形成を促進させるのがあなた方の役目です。札幌地裁の明確な判決もでましたので、国会へのロビー活動は今後強化されることでしょう。

ちょうどカミングアウトの話がでたので、次回は僕のカミングアウトストーリーでも書こうかなと思います。今後も、LGBTQ、同性婚、日台夫夫の生活などを中心に書いていこうと思っていますので、よければNoteをフォローしていただけると嬉しいです。


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一條 心|Ichijo Shin

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コラムニスト。台湾出身の旦那さんがいるゲイ。日台夫夫、LGBTQ、同性婚について書いてます。早稲田大学国際教養学部卒(香港大學交換留学)、シンガポール駐在歴6年、日中英トリリンガル。2021年台湾移住予定。発信▶https://profu.link/u/ichijoshin179