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結局、国際バカロレアは難しいのか? IBDP国際バカロレア・ディプロマコースを卒業できるのか? 親も知っておくべきこと。

国際バカロレアを卒業できるのか?

IBという言葉は、今の教育においてキーワードのようになってきました。すでにご存じでしょうか? IBとは・・・

国際バカロレアのことです。

インターナショナルバカロレアの略がIBです。

個人的には、「インターナショナルバカロレア」と表記するのが好きなのですが、日本では「国際バカロレア」が主流ですね。

この記事では、国際バカロレアに関して、卒業できるのか卒業が難しいのかについて話していきます。

万が一卒業できなければ、高校卒業をしていないことになりますから、親としては果たして我が子が無事に卒業できるのかどうかが心配です。

その点について説明していきます。


IBの基本のキ

ここで注意が必要ですが、IBとは、皆さんが一般的に言っているのは2種類あって、ちょっと混乱される方がいます。

1つは、小中学校に相当するIBのプログラムです。

もう1つは、IBDPです。つまり、国際バカロレア・ディプロマプログラムです。

IBコースで高校卒業までするということは、日本の場合はつまりIBDPを取得することになります。

まず、1つ目の小中学校に相当するIBのプログラムですが、これは普通にお学校へ通っていれば卒業できます。日本の小学校・中学校と同じことです。

成績の良し悪しはありますが、高校進学に向けては問題なく毎年進級しながら卒業できます。

問題は、IBDPのある高校のことですね。


IBDPについて

IBDPは高校2・3年の2年間を利用したプログラムで、最終的にそれぞれの科目が既定の得点以上であれば認定され卒業です。つまり、1年間だけでは卒業できません。

IBDPでは高校2年時をDP1と呼び、高校3年時をDP2と呼びます。

高校2年から高校3年生時に転校する場合、もともと高校2年でIBDPコースに進学しているDP1生がDP2へ行くのであれば不可能ではありませんし、実例もあります。

ただし、事前にしっかり転校元と転校先の学校へ話しをし、確認を書面で行い、トラブルのないようにします。

DP1生ではない場合、それを通り越してDP2への入学は無理です。

DP1生がもう国際バカロレアをやめる場合、普通科へ転籍・転校できるかどうかは、カリキュラムの問題や受け入れ校の問題もありますが、これも不可能ではありません。

IBDPは、DP1が始まる前の高校1年の時点で選択科目内容を決めて申請します。それ以降は通常は選択科目を変更できませんが、DP1が始まって数カ月間変更が可能な期間があります。

学校のそれぞれの教科の定員に余裕があり、手続きを行い学校が許可した場合ですから、簡単には変更ができません。

それから約1年半、各教科の課題や試験(卒業試験含む)を段階順にこなし、必須選択科目ごとの最低得点をクリアできれば IBDPのディプロマ
(認定書)をもらえます。それが卒業です。

最低条件・最低得点に満たないとディプロマの資格は得られなく、一般的にいう国際バカロレアを卒業したとは言えません。つまり、大学の入試において、国際バカロレア入試を適用されなくなります。

高校に入り、毎日普通に勉強している生徒さんであれば最低得点のクリアはできます。つまり、卒業できないことはありません。

また、大学の入試における最低基準は多くの大学であまり高くないので、その意味では大学入試が比較的容易にチャレンジできます。

もちろん、まったくの勉強嫌いで宿題すらしない、英語コースなのに英語の勉強を十分しなかったというケースは別です。この場合は卒業どころか、高校1年時に選抜されるディプロマコース選抜に進めないでしょう。

その高校にディプロマコースと、普通科のコースがあれば普通科に進めるのでしょうが、もしディプロマコースだけの高校であれば、高校1年から2年に進級前に転校する必要があるかもしれません。

その意味で、あまり勉強に自信がない子供は高校を選択する時に注意が必要です。


世界の大学入学資格が得られる

ここで、よくある勘違いです。

とくに、国際バカロレアってなんぞや?の紹介記事によくある間違いですが・・・

世界の大学入学資格が得られる」・・・なんてことはありません。

アメリカの大学へ進学希望の生徒さんは、たいてい学校のIBDPの勉強と同時にSATAPの勉強をしています。

つまり、IBだけでは希望する大学、学校、希望するコースの受験に差し支えるということです。

また、日本の大学希望であれば、IB受験が可能な大学・コースは数が限られてしまいます。

国際バカロレア入試がある大学は国立大学をはじめどんどん増えていることには間違いないですが、今の試験の仕組みを最大限に利用するために、国内のIBDP生徒の中には共通テスト対策まで行う生徒もいます。

もちろん、天才肌の生徒はそんな厳しそうな環境でも2つのテスト結果で平気な顔して高得点をたたき出してきます。

一方で、国内大学受験だけの生徒や、アメリカ・イギリス・オーストラリアなどの大学で国際バカロレア入試を行っている大学だけを目指す場合は、IBDPの勉強だけに集中します。実際は、IBDPだけでも十分多くの大学を受験でき、アメリカなどの有名校にすら合格ができます。


探求心と課題解決力?

国際バカロレアの紹介記事を読むと、よく

探求心課題解決力がみにつく」

とあります。

なんでしょうか???

探求心は、なくても卒業できます。

課題解決力は、ちょっとあいまいな表現ですね。

たしかに、クラス内の数人で行うグループワークが多く、例えば「SDGs」で課題をなにか考え、1か月かけてプロジェクトを行い、レポート(論文)にまとめ、そのレポートを発表するような課題があります。

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