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インターナショナルスクールの時代がやってくる③

私もかつては、海外の学校がどうであるかとか、世界的にどういう潮流になっているかなど、関心を持ったことすらなかった。

しかし、私は教育者であると同時に学校という組織の経営者でもあるわけで、この日本で急速に進む少子化現象をみて、ぼーっとしているわけにもいかない。

今、選挙の真っ最中で、候補者たちはそれぞれにマニフェストを訴えているが、彼らがいうことの中で、おそらく、私が一番信用できないと思うのは、「少子化を止めなくてはなりません!」というやつだ。

彼らが別に嘘つきなわけでもないだろうが、個人的に、日本において少子化が止まるなどという話は到底信じることが出来ない。

少子化が少子化を生むのは当然のことである。

とはいえ、実は、人口が著しい減少傾向にあるのは日本であって、日本人の話であって、
世界的、地球規模的には人口はどんどん増えている。
SDGsが始まった背景は、地球の人口が増えすぎて今のままでは環境負荷的にももたないという深刻な懸念があるからだ。

日本のほとんどの地方都市でみられるように、地域の人口も子どもの数もどんどん減って、定員割れの私立学校ばかりだったり、公立の統廃合ばかりであったりする中で、
人口が勃興しているグローバルサウスを始めとする海外の国々では、学校教育のニーズはこれから数十年続くことは間違いない。

もう一点、興味深いのは、例えば、
子どもが海外の有名大学で学んで、国に帰ってくると、
あきらかに所得の高い生活、社会的地位の高い仕事、そういうものにつながるという、実績、モデルケースが多くあるということ、
中国、韓国など多くの国ではそういう理由で

「とにかく海外の有名大学を目指す」

という考え方が常識になってきている。

一方、日本はどうかというと、東京六大学、MARCH、などなど国内の有名大学にいけば、それなりの成功につながるという考え方が根強く、海外進学思考はあまり主流になっていない。

しかし、今後、日本においても「海外凱旋組」が目立つようになってくると、目線が国内の大学から海外の大学にシフトする可能性は十分に考えられる。

日本人の中で、インターを希望する家庭が増えてきているのは、将来進路のために、日本国内の大学のみならず「どうせなら海外にも行けるようにしておきたい」という思考トレンドの表れだと考える。

日本の大学進学のための受験勉強を頑張ったところで、英語がしっかり使えるレベルになることは稀で、そうなるとそもそも海外の大学で学ぶことはできないことは周知の事実である。

以前、「小学校留学のススメ」でもふれたように、英語についても小学生段階で親子で留学をし、先にやっつけてしまおうという短期集中型の戦略を考える親も増えてきている。
英語なんて、自動翻訳が発展すれば話せる必要もないという人もいるらしいが、海外の大学で学びたければ、そこで生活したければ、英語もしっかり習得していないと海外の大学で学ぶことは出来ない。

そして、我々大人が考えてやらなくてはいけないことは、今の子ども達は、海外の多くの子ども達とこの先、渡り合っていかなくてはいけないという宿命にあるということだ。

人口が増える→ 世界レベルでの競争が激しくなる

日本の大学を否定するものではまったくないが(日本の大学は世界でもっともコスパがいいと言われるらしい)、
海外の学生が、グローバルに大学を選択する時代に、英語を使わずに学べる日本の大学だけを選択肢としていたら、目線を国内だけに向けていては、対等に渡り合うことが出来なくなるかも知れない。
しかも、海外には学生がたくさんいて、日本人はどんどんマイノリティーになるのだ。

近い将来、海外大学への進学は今まで以上に注目されるようになることは間違いないと考える。

少なくとも、そういう目線がだんだん世界の主流になりつつあるから、世界中でインターナショナルスクールが好まれたり、IBのような国際基準の教育を望む人が増えてきているということだ。

日本の大学で、日本語で学ぶ・・・慶應、上智などにはEnglish taughtといって、授業が全部英語のコースがある。
日本の大学に進学したとしても、そういう学科の選択はどうか・・・

いずれにしても、今後、グローバルな視野での大学選びが加速するに違いないと私はみている。
ゆえに、インターナショナルスクールの需要が上がると考えられるのだ。

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