学校をつくろう

日本の田舎にある小さな幼稚園の園長が、国際バカロレア(IB)教育と出会い、学校教育の本…

学校をつくろう

日本の田舎にある小さな幼稚園の園長が、国際バカロレア(IB)教育と出会い、学校教育の本来の意義をもとめて、新しい学校を作ろうともがき苦しんでいるそのリアルなストーリーを、綴っていくものです https://www.sunnyside-international.jp/

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自己紹介

私は岐阜県岐阜市でサニーサイドインターナショナルスクールという幼稚園+小学校+中学校を経営しています。 厳密には、幼稚園に関しては日本の法律における一条校と言われる「学校法人立」のプロパーな認可幼稚園ですが、小中学部についての法的な位置付けは無認可、つまり「フリースクール」と呼ばれるカテゴリーになります。 大人しく、幼稚園の園長先生をやっていればいいものを、ある時ひとりよがりな使命感に目覚めてしまい、「日本の学校教育を変えるのだ!」と息巻いて、とんでもない大風呂敷を広げてし

    • インターナショナルスクールの時代がやってくる③

      私もかつては、海外の学校がどうであるかとか、世界的にどういう潮流になっているかなど、関心を持ったことすらなかった。 しかし、私は教育者であると同時に学校という組織の経営者でもあるわけで、この日本で急速に進む少子化現象をみて、ぼーっとしているわけにもいかない。 今、選挙の真っ最中で、候補者たちはそれぞれにマニフェストを訴えているが、彼らがいうことの中で、おそらく、私が一番信用できないと思うのは、「少子化を止めなくてはなりません!」というやつだ。 彼らが別に嘘つきなわけでも

      • インターナショナルスクールの時代がやってくる②

        <前回からの続き> 私の目線で言うと、日本のインターナショナルスクールはいくつかの種類に分かれている。 ひとつは、もともと日本に住む外国人が国に帰ってからも困らないよう、英語を公用語と位置付けて、世界各国に日本人学校があるような感じで、教育を行ってきた歴史のあるインター。 アメリカンインターナショナルスクール、横浜インターナショナルスクールなど、歴史の長い学校は数校あるが、日本人生徒の割合は多くない。 また、ダイバーシティーを重視するそれらの学校は、あえて国籍の割合を決

        • インターナショナルスクールの時代がやってくる①

          このような場で政治の話題をあえてしたいわけではないが、つまるところ、自分の保身しか考えていないような政治家たちのかけひきを見ていると、少なからず悲しい気持ちになる。 能登の人たちが不憫でならない。 国のサイズが違うので比較するのはフェアでないかも知れないが、私が良く知るニュージーランドは、以前、クライストチャーチで銃の乱射事件が起きた直後、ひと月以内に「銃規制法案」を成立させた。 ひとたび、国民が危機的な状況に置かれた時、何をすべきかを超党派の重要事項とし、まずは迅速に

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          挑戦マインド

          新しい日本のリーダーが決まったらしい。 ここに至るいろいろな経緯を見ていても、どうも釈然としない。 モヤモヤとした感じがするのは自分だけだろうか・・・ 社会人の模範ともなるべき国会議員が、真面目に納税をしている国民を欺き、しれっとルールを破る。 一体誰がそれを導いたのかという追及も嘘つきばかりで結局は闇の中のまま。 本来であれば、そういう輩にはご退場いただいて他を選びたいのだが、選択肢があるようでない。 日本人はかくにも我慢強く、寛大な国民なのか。 未来を生きていかねば

          ひとそれぞれのハマりどころ

          この歳になって、人はそれぞれ「ハマりどころ」が違うのだと知るようになった。 その人が「ハマっているもの」を知って、その人が「よりによって何故それに興味があるのか」は、そうでない人には理解できない。 日本語でユニークという言葉は「おもしろい、おもしろい人」と理解されることが多いが、英語のUniqueという単語のUnはイタリア語でUNOが数字の「1」であるように、「唯一」という使われ方をすることが多い。 他にはなかなかない、独特、という意味がユニークという意味であり、それが

          ひとそれぞれのハマりどころ

          人生はマラソン

          私がこのNoteをなぜ書くのかと言えば、それは単に学校教育、家庭教育に関わる私の考えを述べるというよりも、私が作りたいと思っている学校、このサニーサイドインターナショナルスクールについて、それが どれほど素晴らしいコミュニティーであるか どれほど希望に満ち溢れた子ども達が暮らしているか どれほど献身的な教員が働いているか どれほど心優しい多くの人たちが支えてくれているのか そして、この場所が私の人生においてどれほど大切なものであるか を、恐らくまだ出会ったこともない

          人生はマラソン

          なぜ英語を学ぶのか

          まるで真夏に後戻りしたようだ・・・いつまで続くのか、この暑さ・・・こんなことでは幼稚園の子ども達を外で遊ばせることもはばかられる・・・プール遊びを延長しようか・・・ さて、先週の記事、「小学校留学のススメ」は、なかなか反響があった。 特に、韓国の親の間で、「短期決戦」で英語の基礎を身につけさせるというスタイルが流行っているということについて、興味を持たれた保護者の方がかなりいたようだ。 一方で、「英語が出来ることは、どれくらい重要になってくるんでしょうか?」という質問をい

          なぜ英語を学ぶのか

          小学校留学のススメ

          意味不明な台風に日本中が振り回された妙な一週間だ。 新幹線が3日間も止まるなんて・・・聞いたことがない。 そんな中ではあるが、今日は楽しい話をしよう。 先週、ニュージーランド、タウランガ市から小学校の校長先生が3名、来訪した。3人とも私にとっては、仕事上の知り合いというより友人のような付き合いだ。 ご存知の通り、私はニュージーランドにも幼稚園を作ったりしていて、またIBの関係も含め、学校経営者の友人がたくさんいる。ニュージーランドだけでも友人と呼べるレベルの校長だけで8

          小学校留学のススメ

          子どもを取り巻く世界は女性の活躍で成り立っている

          学校のトップ役職にあって、もっとも悩ましいことのひとつは、さまざまな決断をひとりで行わなくてはいけない場合があることだ。 我々校長、園長は、決断したことに対して、その後何が起きても責任を取らなくてはいけない。 例えばコロナの時も、確か夏祭りを決行したことがあったが、それをやって感染が広がったとなったら責任問題であるし、逆に何も起こらなければ「やる決断をしていただいてありがとうございます」と感謝されることになる。 命を運に預けるとかいう軽々しい気持ちではないけれど、あの時も

          子どもを取り巻く世界は女性の活躍で成り立っている

          教育の質を上げたければ教員に投資せよ

          うちの学校の夏休みもそろそろ終わり、しばらく閑散としていた施設にも、木曜日からは生徒達の明るい声が戻ってくる。 みんなどんな夏休みを過ごしたのだろうか。身体もひと回り大きくなったに違いない。どんな経験をしたのか、話を聞くのがとても楽しみだ。 それにしても、今年の暑さは実に容赦ない感じだ。 そもそも、7月の平均気温が例年に比べて2度高かったらしいが、2度というのはなかなかにすごい。 世間はもうこの暑さに慣れてきているような印象も受けるが、こんな状態が続けば、学校生活も普通に

          教育の質を上げたければ教員に投資せよ

          広い世界を見せてあげたい

          オリンピックをみていると、IB機構との類似性を感じる。 どちらも世界に広がる国際機関であるし、目指すビジョンも大きくは世界平和だ。 IB機構をざっくりと説明するのには、「国際オリンピック委員会がスポーツの世界最大NPOだとすれば、IB機構はその教育版」というとわかりやすいかと思う。 どちらもスイスが本拠地ではあるが、オリンピック委員会はローザンヌにあって、IBはジュネーブにある。 どちらも国際的な機構として、重要な役目を果たしている一方で、似たような課題もある。 オリ

          広い世界を見せてあげたい

          Flip sideの探究

          アメリカから戻ってきて一週間、未だに時差ぼけが続いている。寝ても覚めても、何とも言えない倦怠感が身体に残る。 外に出れば、容赦ない猛暑で、頭がクラクラしてくるのは自分だけだろうか。 気力が上がらないと当然仕事の効率が下がり、やるべきことがどんどん積み上がっていくから、それを見て余計に仕事がしたくなるなる・・・ 生活のリズムが狂うのは、なかなか悩ましい。 先日の記事にも書いたが、自分を律するというのは、大人でも簡単なことではない。 この休みの間、うちの生徒たちはどうやって過

          IBグローバルカンファレンスin Washinton D.C.

          今回のnoteはワシントンD.C.の出張報告としよう。 世界のIBは大まかに世界3地域に分けられていて、年3回、それぞれの地域で関係者、教職員が集まるカンファレンスが開催される。 2024年は、アジア太平洋地区が韓国の大邱(テグ)市で3月に、南北アメリカ地域が今回のワシントンD.C.で、そして10月に欧州アフリカ地域がブタペストとなっている。 私自身は、IB機構から与えられている役職があったりする関係で、前回のテグに続き、ワシントンにも来ることになった。 IBのグローバ

          IBグローバルカンファレンスin Washinton D.C.

          夏休みをどう過ごそうか

          本校も一昨日から「夏休み」が始まった。 一学期最終日、幼稚園部は、先生達がとにかく最終日まで子ども達をプールに入れてやりたいということで、終業式的なものは各学年で行うこととし、 小学部の生徒は午後、集まり(アセンブリー)を持った。 終業式といえば、とにかく集まって、校長先生が夏休みを過ごすにあたっての注意すべきことなどを話して終わるのが大抵だと思うが、うちは私の出番は最後の一瞬だけで、大半は、それぞれの学年を代表する生徒達のかくし芸大会のようなものをやっていた。 生徒達は

          夏休みをどう過ごそうか

          探究心に火がついた

          この三連休、張り切って出かけた皆さんには、こんな不安定な天気になってしまい残念なことです。 うちのニュージーランドの姉妹園では、「雨の日もレインコートを着て外で遊ぶ」と園長が決めています。理由は「人生には雨が降る日もあるし、風邪を引くのは濡れたままの身体を放置するからで、雨の日に外で遊ぶからではない、ゆえに、雨だからと言ってうちにこもるのではなく、レインコートを着てでも外に遊びに行きたいという子には、先生たちも一緒に付き合う」のだそう。 要は、天気がどうであれ、「楽しんだ

          探究心に火がついた