学校をつくろう

日本の田舎にある小さな幼稚園の園長が、国際バカロレア(IB)教育と出会い、学校教育の本…

学校をつくろう

日本の田舎にある小さな幼稚園の園長が、国際バカロレア(IB)教育と出会い、学校教育の本来の意義をもとめて、新しい学校を作ろうともがき苦しんでいるそのリアルなストーリーを、綴っていくものです https://www.sunnyside-international.jp/

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自己紹介

私は岐阜県岐阜市でサニーサイドインターナショナルスクールという幼稚園+小学校+中学校を経営しています。 厳密には、幼稚園に関しては日本の法律における一条校と言われる「学校法人立」のプロパーな認可幼稚園ですが、小中学部についての法的な位置付けは無認可、つまり「フリースクール」と呼ばれるカテゴリーになります。 大人しく、幼稚園の園長先生をやっていればいいものを、ある時ひとりよがりな使命感に目覚めてしまい、「日本の学校教育を変えるのだ!」と息巻いて、とんでもない大風呂敷を広げてし

    • 夏休みをどう過ごそうか

      本校も一昨日から「夏休み」が始まった。 一学期最終日、幼稚園部は、先生達がとにかく最終日まで子ども達をプールに入れてやりたいということで、終業式的なものは各学年で行うこととし、 小学部の生徒は午後、集まり(アセンブリー)を持った。 終業式といえば、とにかく集まって、校長先生が夏休みを過ごすにあたっての注意すべきことなどを話して終わるのが大抵だと思うが、うちは私の出番は最後の一瞬だけで、大半は、それぞれの学年を代表する生徒達のかくし芸大会のようなものをやっていた。 生徒達は

      • 探究心に火がついた

        この三連休、張り切って出かけた皆さんには、こんな不安定な天気になってしまい残念なことです。 うちのニュージーランドの姉妹園では、「雨の日もレインコートを着て外で遊ぶ」と園長が決めています。理由は「人生には雨が降る日もあるし、風邪を引くのは濡れたままの身体を放置するからで、雨の日に外で遊ぶからではない、ゆえに、雨だからと言ってうちにこもるのではなく、レインコートを着てでも外に遊びに行きたいという子には、先生たちも一緒に付き合う」のだそう。 要は、天気がどうであれ、「楽しんだ

        • ささやかな日々のチョイスが世界を変える

          人生は選択の連続だ。 ただ、これは選択することを選択する場合の話で、人は生活のすべてにおいて選択をしているわけではなく、「それとなく」「なんとなく」していることも多くある。 例えば、自分の場合、寝る時間は行き当たりばったりで、早く寝ることをチョイスしているわけでもなければ、遅く寝ることをチョイスしているわけでもない。 ただ単に行き当たりばったりで、寝ることについてあれこれ考えていないのだ。 うちの1年生クラスは学年最初の探究ユニットで「健康」について探究し、そのセントラ

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          初めてのクラファンプロジェクトを終えて

          今日がクラウドファンディングの最終日だ。 これをアイデアとして考えてやろうと動きはじめたのは年明けだったので、かれこれ半年がかりのプロジェクトであった。 多くの方々の理解と協力があって、無事に最終日を迎えることが出来た。 みなさん本当にありがとうございます。 そして実に多くの学びがあった。 私のNoteの読者の中にも、うちのようなクラウドファンディング、Fund raisingなるプロジェクトを考えている人もいるだろう。 自分自身の振り返りも含め、私の学びの一部を書いてお

          初めてのクラファンプロジェクトを終えて

          IB教育は人間性を育む

          こんな私も、パソコンを持ち込んでスタバであるとか、ドトールコーヒーであるとか、そういう場所で仕事をすることが良くある。 家にデスクがないわけでもないが、適度に雑音がある方が集中できるというのは不思議なものだ。 しかし、昨今、カフェで作業をするのは大人だけではない。 受験勉強的なことをしているであろう学生を良くみかける。我々の時代は外で勉強すると言えば、薄暗い図書館一択だった。 ずいぶんおしゃれになったものだ。 今日など、私の向かいに座っていたのは小学生らしき男の子と真っ白

          IB教育は人間性を育む

          少子化が学校教育のあり方をかえていく

          そもそもこのNoteに込めた思いも、早くサニーサイドが人並みの学校として世間に認めてもらえるようにしたいというのがその核心であった。 自分の人生、それに関わっている人たちを苦しめる様々なhardshipも、私が今まで上手く導けず失敗を繰り返してきたことも、 すべてはそのためであったし、それさえこだわらなければ、もっと違う、今より気楽な人生もあったかも知れないと考えることもある。 IBに出会ってから12年、 この岐阜の片田舎で、ここから日本の教育を変えるんだという気持ちでや

          少子化が学校教育のあり方をかえていく

          うちの教師たち

          保育園の先生が園児を刃物で傷つけるという衝撃的なニュースが流れている。 教師を信用できず、一方的な思いを激しくぶつけてくる親のことをモンスターペアレンツと言ったりして先生たちは辟易するが、 こんな事件がおきれば、教師も学校も信用できないと思われても仕方がないだろう。 先生たちも人の子だ。 いつも調子がいいばかりではない。いつも笑顔でいることを求められるのも時に辛い。 我々経営者、管理職は、そういう職員の弱さや、不完全なところを包み込みつつ、先生たちが日々頑張ってくれているこ

          うちの教師たち

          クラウドファンディングにご協力お願いいたします

          本日より、私たちにとって、初めての試みとなるサニーサイドのクラウドファンディング事業を開始いたしました。 サニーサイドインターナショナルスクール幼稚園部が2016年1月に、一条校として日本で最初のIB-PYP認定校になったことから派生した小学部は、現在、民間の教育ベンチャー的学校として、新時代を見据えた新しい教育の形に挑戦しています。 今回はクラウドファンディングということで、目標金額を設定し、その資金使途はすべて生徒のより良い学びの環境への投資を計画していますが、 私たち

          クラウドファンディングにご協力お願いいたします

          AIを「利用」するか、AIに「依存」するか

          先週の記事はいつになく反響があった。 「改めて健康診断を受けることにしました」と3名ほどが連絡を下さった、喜ばしいことだ。 去り行く人は自らの命をもって残されたものに大切なことを教えてくれる、 と知り合いの住職の説法で聞いた。それを生かしていかないといけない。 それにしても、考えれば考えるほど、 この先の未来がどのようなものになっていくのか、 先が見えるようでまったく見えてこない。 ある雑誌で「若者が自己承認欲求に走るのは、潜在的な将来への不安を打ち消そうとしているからだ」

          AIを「利用」するか、AIに「依存」するか

          生きることに謙虚でありたい

          Noteの記事は週に1回ずつ、月曜日に公開するよう書くことにしている。 私なんかの書くことを是非読みたいと思う奇特な人が果たしているのかどうかは考えないことにして、それでも自分が、 今のサニーサイドを一人前の「学校」にしていきたいという思いや、 この先の日本を、世界を背負う子どもたちに与える教育が少しでもより良いものになりますように という願いを心に留めながら素直に綴ることを心がけている。 そして、教育を取り巻く問題(イシュー)はいくらでもあるし、言いたいこともたくさんあ

          生きることに謙虚でありたい

          優しい心はどう育まれるか

          「やさしさ」「思いやり」とは、人間を人間たらしめるもの、いわゆるhumanity(ヒューマニティ)そのものだ。 時にそれが、IBと言えば英語であるとか、海外の大学に進学するためのパスウェイであるとかいう誤解をする人も多いが、 「教育を通して、より平和な世の中を築く」(Education for a better world)を使命とするIB教育において、 IB教育がもっとも大事にしているのは、アカデミックな成功よりも、Whole person, 人間性の教育だ。 IBの学

          優しい心はどう育まれるか

          「子どもの日」に思うこと

          これからの地域、日本を背負って生きていく子ども達の教育がどうあるべきかを考えることは社会の大人すべての責任だ。 今日は「こどもの日」ということで、この先の子どもをとりまくあれこれについて色々と考えてみた。 それにしても、GWの東京は、どこもかしこも外国人観光客だらけだ。 確かにコロナ前も多くはいたが、実感としてこんな多くの外国人をみたことはない。 円安の影響も手伝ってのことだろう、 山手線に乗って、周りが外国人だらけだと、さすがに違和感がある。 自分が学生時代、チェコ共

          「子どもの日」に思うこと

          GW、先生はゴルフに行かないことにした

          こんな連休中まで、自分の書いた記事を読みたいと思う人がいるのか甚だ疑問ではありますが・・・周りが「毎週休まず頑張りますね」と褒めてくれるので・・・。 一昨日、東京のIBスクールの教頭先生から電話がかかってきた。「IB機構がやるオフィシャルワークショップ以外に、教員たちの学びの機会をどのようにしているか」という相談だった。 確かに教員の学びの機会を与え続けることは学校経営者の大切な使命であるといえる。 IB機構も今後、オフィシャルワークショップ以外のオンライン研修モジュールを

          GW、先生はゴルフに行かないことにした

          岐阜にすごい児童合唱団がある

          これからの地域、日本を背負って生きていく子ども達の教育がどうあるべきかを考えることは社会の大人すべての責任だ。 今日は、午後から地元の児童合唱団(ながら児童合唱団)の発表会を観に行かせてもらった。 うちの生徒たちも何名か団員として通っているようで、子ども達が先日わざわざ招待状を届けにきてくれた。 昨年は、確か海外出張と重なって行けずにいたので、今年こそはと楽しみにして出かけた。 実は姪が昔お世話になっていた関係もあり、何年も前に一度観に行かせてもらったことがある。 頭の中

          岐阜にすごい児童合唱団がある

          「おりこうさん」な子どもを先生たちは求めていない

          新年度が始まって一週間が過ぎた。 もう25年以上この仕事をしているが、 昔は、入園式直後の幼稚園といえば、あちらこちらから年少に入りたての子どもたちの大きな泣き声が聞こえてきたものだ。 もちろん、今でも泣く子はいるものの、昔と比べれば圧倒的に落ち着いているようだ。 うちの場合、満3歳児クラスと言って、半年前から前倒しで始まるクラスに通っていた子が半分ほどいるので、 慣れている子が多いというのと、クラスのサイズが昔ほど大きくないことも関係しているのだろうが、実は、私のようなも

          「おりこうさん」な子どもを先生たちは求めていない