探究心に火がついた
この三連休、張り切って出かけた皆さんには、こんな不安定な天気になってしまい残念なことです。
うちのニュージーランドの姉妹園では、「雨の日もレインコートを着て外で遊ぶ」と園長が決めています。理由は「人生には雨が降る日もあるし、風邪を引くのは濡れたままの身体を放置するからで、雨の日に外で遊ぶからではない、ゆえに、雨だからと言ってうちにこもるのではなく、レインコートを着てでも外に遊びに行きたいという子には、先生たちも一緒に付き合う」のだそう。
要は、天気がどうであれ、「楽しんだもの勝ち」ということです。
さて、このNoteには、上げた記事が何人の人に読まれたかを知ることが出来る機能がある。
いいねの数であるとか、そういうデータばかりを気にしすぎると、自分の書きたいことよりも、読み手の受けを深読みすることになるため、あまり見ていないが、時々みると、自分の印象とは裏腹に、「ほうほう、これが意外に読まれているのだ」という気づきがある。
「うちの子自慢」シリーズは、冷ややかな目で見られるかと思いきや、実は読む人が多いということなので、今回も調子に乗ってうちの生徒を自慢してしまおう。
すみれちゃんは、現在中学2年生、この3月まではうちの中等部に在籍していたが、色々な事情で、しばらくの間、うちが中等部を閉鎖することを決めたため、仕方なく彼女を手放す形となり、現在は地元の公立中学に通っている。
この度、岐阜市が主催する「青少年夢プロジェクト」のカンボジア研修メンバー16名のひとりに選ばれた。
聞いたところでは、中学生をカンボジアに8日間送り、様々な経験をさせて未来のリーダー育成に資するというこのプロジェクトは、かつて心ある資産家の方がそういう思いと共にユネスコ基金に寄付をされたことから始まったらしい。
残念ながら10年以上続いたこのプロジェクトも、諸般の事情で今年が最後になってしまうらしい。
このメンバーに選ばれたことがきっかけでカンボジアについて興味を持ったすみれちゃんは、自分で色々と現地のことを調べ、実はいまだに、大変困難な生活を強いられている子どもたちが多くいることを知った。
彼女は幼稚園からサニーサイドに10年以上通い続けてくれた、いわば生え抜き、IB教育も身についた生徒だ。
カンボジアの現状を知って、「何か自分もしなければ」と思ったのだろう、「地雷の埋まった土地にある寺子屋のような場所で学んでいる子どもたちを少しでも助けたい」と思い、募金活動を思い立った。
数日、校門に立って募金活動をしたいと、学校の先生に相談したところ、「公立の学校ではそういう活動は禁止されている」と聞かされた。
そこで、彼女は私のことを思い出して電話をくれたのだ。
「園長先生なら力になってくれると思って・・・」
うちの学校に放課後来てもらい、カンボジアの話や本人の思いを色々と聞いた。最初はクラウドファンディングを勧めようかと考えたが、集めたい金額も2万円ほどだということや、せっかくならこういう先輩の姿をうちの在校生にも知ってもらう良い機会だと考え、まずはサニーサイドのコミュニティーに紹介することにした。
私からは、「お金集めよりも、まずは、カンボジアのことで調べたこと、困難な生活について多くの人に知ってもらうことが優先ではないか」と伝え、彼女がプレゼンテーション用のスライドをつくり(なかなかの出来栄えなのでぜひご覧ください)、私がClass Dojoでそれを紹介しつつ、二人で30分ほどのウェビナー(配信)を行い、協力を呼びかけた。
うちのコミュニティーの反応は素早かった。
翌日には、「カンボジアとは仕事で関わりがあるので何か相談に乗れることがあるかも」という保護者からのメールや、「家に、鉛筆があるのでそれを寄付したい」という小学部の生徒からのメッセージがなどが届いた。
そして次の日から2日間、すみれちゃんは妹と友人と一緒に放課後校門に立ち、作ったカンボジアについてのパネルを見せながら募金活動を行った。
その先は、この写真でお分かりいただけるであろう。
すみれちゃんからは、以下の通り、メールが送られてきた。
たかだか一人の生徒のことかも知れない、でもその思いに向き合って、協力しようとしてくれる人がこんなにも多くいるコミュニティーは本当に素晴らしい。
ウェビナーの途中ですみれちゃんの口から出た言葉、「カンボジアのことを知った時、もっと探究したいっていう気持ちに火がついてしまって」「サニーにいた頃はいつも探究してたので」
これまた私も長生きをして、先を見届けなくてはいけない理由がひとつ増えました。未来のリーダーに幸運を!
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