ポラリス

どこかへ行くとき、迷った時に道標となる星。 歩んできた軌跡をプロットすると、ズレや距離…

ポラリス

どこかへ行くとき、迷った時に道標となる星。 歩んできた軌跡をプロットすると、ズレや距離を知ることができます。

最近の記事

Rの軌跡 第十二話「幽霊の奏でる音」

大盛況に終わった「もとお」のライブ。中学の体育館とは違って観客も自分たちのノリたいように乗る。先生の邪魔は入らない。視聴覚室という閉じた空間がライブハウスを彷彿とさせる(窓から光が差し込んでますけど) 高校に入って最初のライブは大成功に終わった。ただ少し気になったのは視聴覚室の隅にいたちょっと派手な集団である。明らかにほかの人達とは空気が違う。おそらく上級生、バンドをやってる。 俺:おい、あそこにいる人らってなんなん。 ヒョロガリモジャ頭:ん?ああ、あれうちの幽霊だよ。

    • Rの軌跡 第十一話「ともお」

      どうやら部活は俺が思っていたよりももっと早くから活動してもよかったそうだ。そこでK君は軽音部に入ったのだが、先輩部員は全員幽霊(籍だけあって活動していない)仕方なくK君が部長になったわけだ。 軽音部でのやり取りがあって数日後。休み時間に同じ中学のA君がやってきた。 A君:Tが呼んでるぞ。教室に来てくれって。 俺:T?ああ、あの目つきの悪い坊主か? A君:はは、なんやそれ。そうそう、そいつ。Tな。 俺は昼休みに教室へ行った。何で俺が行くんだよ。てめーがこいや。と心の中

      • Rの軌跡 第十話「フレンズ」

        軽音楽部の部室をのぞき込む。誰もいない。確かここって言ってたよな。 しばらくきょろきょろしていると、近くの教室からドラムの音が聞こえる。 音のする教室をのぞき込むと、昨日会ったヒョロガリモジャ頭と女子も含めた数人が何やら演奏の準備をしている。ヒョロガリモジャ頭はドラムの前に座っていた。やっぱりドラマーなんだ。 俺:あ、あのー ヒョロガリモジャ頭:ああ、昨日の。みんな、さっき話した彼。えーっと 俺:Fです。 ヒョロガリモジャ頭:F君。パートは、、 俺:ギターです(

        • Rの軌跡 第九話「坂の上の高校」

          合格発表の日。慣れない電車と永遠に続く坂道。同じ中学から受験したのは男子5名、女子3名の計8名。その中でも俺はダントツに成績が悪い。滑り止めの私立は合格しているが、これからこの高校に通うことになるのかどうか。運命の日。 正面玄関に多く広げられた合格者番号の列。心臓がバクバクしている。 俺の番号があった。 ほっと一息。合格者だけが並ぶことのできる列につく。心臓はまだ落ち着かない。 俺:奇跡だ奇跡。いや運命か。 僕の前には涼しい目のイケメン。後ろには目つきの悪い坊主頭。

        Rの軌跡 第十二話「幽霊の奏でる音」

          Rの軌跡 第八話「そして幕は開かれた」

          音響?何から手を付けたらいいの? 困ったときは我らのバイブル、そう、 バンやろ! 正式名称「バンドやろうぜ」である。文化祭でライブをやるなら音響が必要だろうというメンバー。一体何をどうすればいいのか全く知識がなかった。そこでバイブルを紐解くと、出てくる出てくる。音響(広告)の山である。 僕:これ全部準備せなあかんのか? メンバー:機材はレンタルできるみたいやで。 僕:いや借りても使い方とか分からへんやろ。 メンバー:オペレーターも連宅出来るみたいやで。 僕:い

          Rの軌跡 第八話「そして幕は開かれた」

          Rの軌跡 第七話「文化祭」

          校内では生徒会長。校外ではバンドマンという二重生活を謳歌する僕。 それはまるで普段はうだつの上がらない新聞記者だけどピンチとなると電話ボックスに入り、マントを装着し、ビュンと現場にひとっ飛び。さっと解決して立ち去る。スーパーマンのようだった。お名前は?名乗るほどのものではありません、にやり。そんな感じ。 校内清掃、避難訓練、体育祭の司会などあらゆることをそつなくこなし、いよいよ文化祭が目前に迫ってきた。 職員室の扉の前に立つ。深呼吸。扉をそっと開ける。 僕:O先生。折

          Rの軌跡 第七話「文化祭」

          Rの軌跡 第六話「歌うま君(自称)」

          歌うま君:ちーす。どうもー〇〇です。 僕:あ、こんちは。今日は来てくれてありがとね。 歌うま君:いえっす。こっちこそ、あざっす。 僕:(緊張してるのかな?) クラスメイト(女子):F君ありがとね。皆さんもよろしくお願いします。 メンバー:はいよー。 僕:最初少しうちらでやる練習見てもらって、それから歌ってもらってええかな。歌える曲はクラスメイト(女子)さんから聞いてるから。 歌うま君:うぃっす。じゃああそこで座ってますね。 僕らは30分ほど普段通りの練習をした

          Rの軌跡 第六話「歌うま君(自称)」

          Rの軌跡 第五話「いざ、審判の時」

          ついにこの日がやってきた。 生徒会役員の投票日。晴天。体調ばっちり。いつもは廃人よろしくグダグダな朝も今日は違う。シャキッと目を覚まし顔を洗い、歯を磨き(歯はいつも磨くけど)あっけにとられる母を横目に行ってきますと威勢よく玄関を出る。 目的のために行動を起こす。なんて気持ちがいいのだ。自分は生きているという気がする。教室に入る。皆が僕を見ている(はい、自意識過剰)いよいよ決戦の舞台がやってくる。 朝礼が始まろうかという頃、さっきまで改正だった空はどんよりとねずみ色に変わ

          Rの軌跡 第五話「いざ、審判の時」

          リモートで働かせて!~ノンバーバルコミュニケーションの重要性~

          めぐ:博士。うちもリモートで働きましょう。 博士:なんじゃ。いつも急じゃのぉ。 めぐ:だって毎日ここに来るまでの時間と、ここから帰る時間が無駄だと思いませんか? 博士:単に移動時間と捉えるとそうじゃな。じゃが服装を変えて気分を変えたり、通勤途中にあるカフェに寄ってみたり、季節によって咲く花が違ったり、軽い運動をすることで幸せホルモンが出たりとメリットも多いぞ? めぐ:確かにそれも一理あります。ですがそれらは散歩でもよくないですか? 博士:ふむ。 めぐ:仕事は家でも

          リモートで働かせて!~ノンバーバルコミュニケーションの重要性~

          Rの軌跡 第四話「ファーストライブへの道」

          メンバー:3個上の先輩って、うちの学校がめちゃ悪かったときのか、、 2時間目の休み時間。メンバーを廊下に集め、O先生と話した内容を共有する。誰もがぼんやりと校庭を見つめたまま動かない。 3つ上の先輩様方は界隈でも有名な不良集団で、正門以外にもう一つの門があるのもこの人たちのおかげだ(忙しい朝には非常に助かる)よくわからない鉄の塊(じっくり見ると自転車だと分かる)が学校周辺に放置されているのも納得だ。 ライブはやりたい。でもできない。どうしたらいい?署名でも集めるか。皆協

          Rの軌跡 第四話「ファーストライブへの道」

          Rの軌跡 第三話「新天地」

          放課後にスタジオへ通う生活が続いたある日。ひょんなことから事件は起こった。 小雨の降る中、小走りで電気屋に到着。店内を覗くといつもならスタジオで準備をしているはずのメンバーが待たされている。 僕:あれ?どした? メンバー:いや。なんかさぁ。予約取れてないって。 僕:え?なんでなんで。連絡したじゃん メンバー:そうだと思うんだけど予約表見たら別のバンドが入ってて。 店の奥にあるスタジオへ上がる階段を見つめる。すでに低音のボコボコとした音が店内にわずかに響いていた。

          Rの軌跡 第三話「新天地」

          Rの軌跡 第二話「ジュブナイル」

          「バンドを組もう」と声をかけてみる。興味を持ってくれる人もいればそうでない人もいる。自分が音楽活動を始めたということを知ってもらうにはどちらでも構わないのだけど、実際に集めてみるとなかなかに大変。 勢いだけで「やるやる~」という奴は数回練習をすると「悪い、ちょっと都合つかなくて」と言ってやめていくし、なんとなく始めた奴は上達もイマイチ。こっちが「プロ目指してやってんだぞ!」といっても「はぁ?なれるわけないじゃん。バカじゃね」という具合。 ついには強権乱用で「もうええわ!お

          Rの軌跡 第二話「ジュブナイル」

          給料上げて!

          めぐ:博士ー。給料上げてくださいよー。 博士:なんじゃ、急に。先月上げたばかりじゃろうが。 めぐ:あれっぽっちじゃ足らないんですよー。 博士:バカもん!経営者が苦悩に苦悩を重ねて算出した昇給を、あれっぽっちとは何事か! めぐ:だって6千円ですよ?上がったの。月に20日働くとして1日あたり300円ってトホホじゃないですか。とほほほ。コンビニで菓子パン買ったらなくなっちゃう。 博士:毎日菓子パンばっかり食っておったら体重が増えるぞぃ。ネットで検索すると、企業の平均昇給額

          給料上げて!

          Rの軌跡 第一話「赤いギター」

          中学2年生の僕にとって大阪で最もごちゃごちゃしている街。第一位は日本橋だけど、第二位の心斎橋が今回の舞台。 その人の多さと喧騒は「むしろ孤独を、、」と言ってしまいそうなぐらい中二病をくすぐるもので、毎週休みになっては西中島から地下鉄に乗っていそいそと出かけて行ったものだ。 心斎橋には多くの楽器店があり、なかでも御堂筋商店街にはヤマハ、ミヤコ、三木の3店舗があった。 難波まで乗ってそこから歩いて心斎橋を目指し、順に楽器店へ入っていく。店員さんと懇意になることは一つのステー

          Rの軌跡 第一話「赤いギター」

          メリハリ革命

          めぐ:メリハリのある生き方は理想的です。 博士:ほう。メリハリとは? めぐ:平日一生懸命働いて、休日しっかりリフレッシュです。 博士:確かにメリハリのあるように見えるが、わしには違和感じゃ。 めぐ:違和感?どんな違和感ですか? 博士:メリハリの単位が大きすぎるんじゃ めぐ:メリハリの単位? 在宅やリモートワークが増えました。そんな中、せっかくの在宅をもっと活かす働き方はないのかと感じた方は少なくないのではないでしょうか。 例えば、育児をしている方にとって、在宅で

          メリハリ革命