1963年の冬~ケネディ、そしてビートルズ~

最近知った曲で、The Four Seasonsの'December, 1963'というのがある。

タイトルのとおり、1963年12月の思い出を歌ったものだ。

なんで1963年なんだろう?と思ったが、とくに理由はないものと考えた。

ところが、これまた最近、The Dream Academyの'Life in a Northen Town'という曲を知って納得した。

この曲には、次のような歌詞がある。

 

He said, "In winter 1963
It felt like the world would freeze
With John F. Kennedy
And The Beatles(yeah, yeah, yeah)

 

1963年の冬といえば、ケネディ暗殺とビートルズというわけだ。

The Four Seasonsは米国の、The Dream Academyは英国のグループである。

英米の人たちにとって、この時期は特別な意味をもっているに違いない。

また、ケネディの死とビートルズ現象は、同時的に想起されるものらしい。

 

ところで、数年前にNHKのビートルズ特番を観たときのことだ。

なぜビートルズは米国で受け入れられたか?というテーマに、リヴァプール大学ビートルズ学部の教授と学生が取り組むVTRが流れた。

教授曰く、ケネディ暗殺による喪失感を埋める役割をビートルズが果たしたからだという。

すると、VTRをスタジオで観ていた出演者たちが教授の説を欠席裁判的に貶し始め、少々心が痛んだ記憶がある。

皆一様に、ケネディ暗殺とビートルズを結びつけるのは無理があると感じたようだ。

しかし、'Life in a Northen Town'を聴けば、両者の結びつきは英国人にとって、ごく自然なものだと解る。

その後で'December, 1963'を聴けば、1963年の冬が米国人にとって、何年経っても忘れられないほど印象的だったことが解るのだ。

ビートルズ以外の曲を聴いて、ビートルズのことが解ってくるとは不思議なものである。

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