犬が出てくる作品

世の中には、犬が何かしら不吉な文脈で登場する作品がわりとある。

今回は五つ紹介しよう。

 

萩原朔太郎の詩集『月に吠える』(1917)には、印象的な形で犬が繰り返し現れる。
『猫町』や『青猫』という作品もあるので、彼が犬派なのか猫派なのかハッキリしない。

大江健三郎の『奇妙な仕事』(1957)は、犬にまつわる奇妙なアルバイトの話である。
主人公の閉鎖的な雰囲気が、若き日の作者の心性を物語っているようだ。

安部公房の『砂の女』(1962)には、主人公に立ちはだかる敵として犬が出てくる。
砂丘が舞台だが、ラクダは出てこない。「S・カルマ氏の犯罪」には登場する。

映画の『オーメン』(1976)では、悪魔の子ダミアンの手下として黒い犬が出演している。
ダミアンの出生にも犬が関わっているが、彼が動物園を訪れたときに猿が騒ぎ出したのは'犬猿の仲'だからなのか?

清水崇の『犬鳴村』(2020)は、犬をよりフィーチャーしたホラーだ。
『奇妙な仕事』に通ずる部分もある。井上光晴の『地の群れ』っぽい感じもする。

 

ちなみに、コナン・ドイルの『バスカヴィル家の犬』は小学生のとき挫折したっきりなので、また挑戦したい。

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