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ハードオフエコスタジアム新潟でのプロ野球開催を振り返る

 プロ野球の来季日程(第一報)がようやく出揃いました。例年だと11月前半にせいぜい3日間ですべて発表されるんですが、今季は11月9日に交流戦とセ・リーグが出て、一ヶ月近く経って12月4日にパ・リーグが出ました。なぜセ・リーグが勇み足になってしまったのかはよく分かりません。こういう場では歩調を合わせるべきではないでしょうか。(1ヶ月前の時点で大方の記事を書いていたんですが、あまりにもパが遅いのを言い訳に4日間見過ごしてました^^;)
 未定となっている開始時刻を含む最終版は、例年なら1月下旬に発表されます。二軍(ファーム)の日程は、1月末に一度に詳細版が出ます。

 地方に住むプロ野球ファンにとっての最大の注目は「地元で開催されるかどうか」だと思います。幸いにしてハードオフエコスタジアム新潟が09年に開場してからの13年間は、毎年1試合以上の公式戦が組まれています。来季は、8月14・15日(土・日)にDeNA-ヤクルトが開催される予定とのことです。五輪による中断明け(後半戦?)初戦ということになります。
 今回は、この話題に合わせてエコスタで開催されたプロ野球全試合を簡単に振り返ってみたいと思います。
(見出し画像の撮影地は、駅南行の方の「スポーツ公園前」バス停です。結構きらびやかですよね笑)

凡例:昼=デーゲーム、丸数字=延長戦に突入した試合の決着イニング、※=筆者観戦
09.7.7(火) 広8-1神 29,653
    8(水) 広3-1神 27,008
  9.5(土) 横2-0中※21,827
    6(日)昼横4-8中 16,431
10.5.8(土) 横3-4巨※28,552
    9(日)昼横5-7巨※28,549
  6.29(火) 西4-6日 24,323
  7.24(土) セ5-5パ 28,426=オールスター
  9.10(金) 巨5x⑩4広※27,605
  10.2(土)昼神5⑩6ロ 15,702=ファーム選手権
11.5.8(日)昼横3x-2神※26,058
  7.19(火) 巨2-1中 20,350
    20(水) 巨2x⑩1中※20,800
  8.23(火) 西11-5オ※18,160
12.4.15(日)昼De3x⑪1巨※24,098
  5.8(火) 広6-8神※18,290
    9(水) 広2-6神 18,070
  7.19(木) イ0-4ウ※11,315=フレッシュオールスター
  9.8(土) ヤ2-5巨 24,863
    9(日)昼ヤ4⑩4巨 17,966
13.5.11(土) De4-5巨※19,920
    12(日)昼De0⑩1巨 23,310
  9.10(火) 巨2-1De※21,457
14.8.5(火) De7x⑫6巨 24,520
15.5.9(土) De1⑪2巨 24,119
    10(日)昼De4-2巨 21,444
16.6.14(火) De0-4日※19,531
17.7.4(火) De(中止)神※
18.4.17(火) De2-3巨※25,010
19.5.8(水) De5-8巨※24,979
  9.3(火) 巨3-4中 22,787
20.8.14(金)~16(日) De(中止)ヤ
21.8.14(土)~15(日) De???ヤ
※なお、プロ野球公式戦ではないものの09年8月9日(日)にOBオールスターも行われました。社団法人日本野球振興会(日本プロ野球OBクラブ)の機関紙(下記PDF)に当日の様子が紹介されています。

 まずは開催日・時間帯とスコア、観客数をご覧いただきました。Excelのスクショを貼るという選択肢もあり得ましたが、一応NPB公式サイトを貼るためにテキストで記すことにしました。
 続いて、各試合の主なトピックを紹介したいと思います。

凡例:09①=2009年、新潟で最初に行われた試合
09①こけら落としを制したのは広島阪神は5失策。犯人は、雨か不慣れな照明か? 雨のため試合が一時中断。
 新球場第1号ホームランは栗原健太。実は、マツダスタジアム三次きんさいスタジアムに続いて一シーズン3球場目のこけら落とし弾という珍記録。
 セ・リーグも予告先発となった今では起き得ないことだが、翌日の先発予定だった「グリン」をメンバー表に記入してしまうミスが発生。1回1死から「救援登板」したランドルフが最後まで投げ抜き、2安打15奪三振で準完封。外国人最多奪三振タイ、救援投手最多であり、救援投手として史上初の毎回奪三振も達成。
 十日町市に母方の実家がある(ソースはこちら)中日・森野雅彦が、初回に先制2ランを放ち「第二の故郷」に錦を飾った。
10②巨人ラミレスが初回に球団通算9000号ホームラン。
 初のパ・リーグ開催。矢貫俊之がプロ入り初勝利。
 オールスター史上9度目の引き分け。
  MVP:片岡易之(西武
  ベストバッター賞:里崎智也(ロッテ)、ベストピッチャー賞:久保康友(阪神)
  ベストプレー賞:青木宣親(ヤクルト)、マツダプレマシー賞:山口俊(横浜)
 小笠原道大がサヨナラホームラン。
 阪神の先発・蕭一傑に7回までパーフェクトに抑えられていたロッテが8・9回に畳みかけて一旦逆転。9回裏に追いつかれるも、10回に角中勝也が押し出し死球を選んで決勝点を挙げるという超劇的な試合。
  実は前夜に一軍がクライマックスシリーズ出場を決め、その後「下剋上」と呼ばれる日本一を達成した。それに二軍のこのような形での日本一も多少影響を与えていたんじゃないかと邪推するのだが…
11①吉村裕基がサヨナラホームラン。
 阿部慎之助、サヨナラタイムリーヒット。
12①中村紀洋、サヨナラホームラン。DeNAとして、主催試合4試合目で初勝利。
 広島ニック3打席連発も空砲に終わる。
 MVP:中谷将大(阪神)
  優秀選手賞:武田翔太(ソフトバンク)、川端崇義(オリックス)、中村勝(日本ハム)、榎本葵(楽天
 こけら落とし以来2度目の雨天中断。
 当時は東日本大震災後の節電対策のため「3時間半ルール」があり、10回同点のまま時間切れとなった。
14 桑原将志、サヨナラタイムリーヒット。
16 初の交流戦開催。有原航平、プロ2度目の完封勝利。エコスタでは初の完封勝利投手に。
17 飯塚予告先発だったが雨に泣く
20 五輪のおかげでエコスタで初の3連戦!のはずが…

 といった感じで書けるだけ書いてみましたが、観戦していない試合に関してはほとんど書けていません(汗 よっぽど、新聞の縮刷版を見に図書館へ行こうかと思ってしまうほどです。
 まだ書いていなかった「新潟出身選手の凱旋」については、ここでまとめて書きます。

10⑥阪神・横山龍之介投手(小須戸町=現新潟市 秋葉区日本文理高出身)
 延長10回の頭から登板。難なく2アウトを取るも、その後に崩れて死球・ヒット・四球で満塁に… ここで降板し、後続投手が押し出し死球で失点。横山に失点・自責点が記録され、敗戦投手となった。

画質が残念ですが、ウォーミングアップの全投球です。

11④オリックス・金子千尋投手三条市出身)
 先発したものの、7回途中7失点で敗戦投手に…

三振もあった1回の投球。これは幾分マシな撮れ具合かと思います。ネットの隙間からよく頑張ったと自画自賛(^^;;

12②広島・今井啓介投手(栃尾市=現長岡市中越高出身)
 2点ビハインドの9回に登板し、三者凡退の好投を見せた。

こちらは主に撮影技術が残念ですが、一応全投球を収録。

12⑥・13①巨人・加藤健捕手聖籠町新発田農高出身)
 いずれも2打数0安打に終わり、途中交代となってしまった。

選手の姿は一切なく、応援歌のみです(^^;;

18 DeNA・飯塚悟史投手上越市、日本文理高出身)
 6回表に味方が2点勝ち越した直後、ピンチを作ってイニング途中で降板。この時点では勝ち投手の権利を有していたが、後続投手が逆転ホームランを打たれて水泡に…(飯塚に負けは付かなかったが)

 NPB公式戦では過去に5選手が凱旋出場を果たしましたが、大活躍と言える選手がいたかと言うと… 成績を厳密に比較すれば今井、印象度で言えば飯塚でしょうか。
 ちなみに、BCリーグ新潟アルビレックスBCとの試合でエコスタに凱旋した選手は巨人・高橋洸や楽天・相沢晋らがいます(全把握不能)。それを言ったら、県内他球場でも事例はある訳ですが(^^;;

 ここまでのまとめとして、エコスタでの勝敗表を貼りたいと思います。

キャプチャ

 こういう場合に勝率順はふさわしくないんだろうと思わなくはないですが、あとはご覧の方が適切に脳内変換してくださるようお願いします(^^;;
 ハムは矢貫プロ初・有原完封で2戦2勝と相性がいいので、次は主催で来てくれないものかなぁと思ってしまいます。

 最後に試合開催(興行)の側面から書きたいと思います。
 観客動員について簡単に言ってしまえば「30試合で675,123人(一試合平均22,504)」ということになりますが、これだけでは物足りないのでもう少し掘り下げてみます。
 まずは、年単位の1試合平均入場者数です。

キャプチャ

 収容人数はグラフの上限でもある30,000人。最多入場者数はこけら落としの29,653人で、最少はフレッシュ球宴の11,315人です。5,000人ごとに区切ってみると、
 1~1.5万人:1試合 ~2万人:8試合
  ~2.5万人:13試合 ~3万人:8試合(最初の3年と飯塚凱旋)
 となります。周期的に波があることが分かります。
 もう2つグラフをご覧いただきます。30試合のうち実に11試合を占める「ベイスターズvsジャイアンツ」の変動と、3試合とも「平日ナイター」という同じ条件である「ジャイアンツvsドラゴンズ」の各試合の動員変遷です。

画像3

画像4

 2枚目はグラフにするまでもなかった気もしますが、1枚目を合わせて考えれば「底を越えて回復傾向にある」と見ることもできるんじゃないでしょうか。まあ、当時のチーム状況や開催時期(シーズン序盤と終盤では違うでしょうし)等、考慮すべき要因はいくらでもありますが。
 コロナがなければ「いっそのこと内野2層目等を封鎖して、最初からキャパを抑えた興行なら『持続可能性』があるのではないか」等と思ったりもしていましたが、来季以降の地方開催は様相が一変するのかもしれませんね…

 最後に、主に県外の方向けに補足説明をしたいと思います。
 30試合中14試合を占めるベイスターズ主催試合はBSN新潟放送(TBS系)が球団と共に主催しており、試合前には番組やその年の新人アナウンサーのPRコーナーが必ず設けられています。
 その他の主催試合については、巨人=TeNYテレビ新潟(日テレ系、後援)、ヤクルト=NST新潟総合テレビ(フジ系、主催か後援かは確認できず)、その他=新潟日報社主催・BSN共催…といった按配です。なお、オールスター試合前のホームラン競争はUX新潟テレビ21(テレ朝系)が冠スポンサーになっていました
(一応、主催球団や球場のHPから証拠となりそうなものを貼っておきます。 De    西 選手権 FAS
 エコスタでのプロ野球開催に多様性をもたらす大きな存在だった日報社は、残念ながら12年をもって野球事業から撤退したと聞いています、しかし当年の主催3試合は「創刊70周年記念」と銘打たれていたので、再来年2022年にまた復活してくれないだろうかと心から熱望するものです。
 そして、NPB公式戦でエコスタに来場したことがない楽天とソフトバンクにどうにかして来てもらえないだろうかとも(^^;; 楽天は先述のBC新潟との交流戦で3回は来場しているはずなので、そういったことを含めるとソフトバンクだけとは一切縁がないと言えます。イーグルスは新潟県に電力を供給している東北電力(07~13年にビッグスワンの命名権を保有した縁はある)、ホークスは新潟-福岡空路を飛ばしているANA(系列ホテルは新潟にもある)の力で、どうにかできないものでしょうか(^^;; 両球団には、現在新潟出身選手が在籍してもいますし…(楽:池田駿、ソ:椎野新、渡邉雄大)

 さて、少々うざったさも出てきてしまいましたが^^;、実際のところコロナ禍の影響で地方開催にも多少なりとも影響が出ているんじゃないかと思います。21年に関しては五輪という要因もあるので見極めが難しいですが、22年以降はどうなるでしょうか。(歴代のシーズン別地方開催試合数も数えてみたくなりますね^^;)
 個人的には、「シーズンの2割程度(ホーム14試合)は地方開催」と義務づけてほしいと思っています(他球団の本拠地を使用する場合は地方開催と見なさないのが持論)。近年はどこもファンサービスに力を入れているのはいいことですが、それが本拠地・ホームタウンへの傾倒につながっているんじゃないかとも思ってしまうのです。時折ささやかれる16球団構想には反対ですが、だからと言って地方を切り捨てていいとも思っていません。
 新潟の場合地元からこれ以上呼べるだけの財的エネルギーがないように思えるから尚更ですが、もっと積極的に球団側から地方開催を仕掛けてほしいと思ってしまうのです。
 新潟に関して最後にもう一つだけ言うと、エコスタ開場の翌年にオープンしたセルラースタジアム那覇ではすでに12球団の来場が済んでいます。観客動員(率も含め)も新潟より低調なのに、です。これはどういうことなんでしょうか…
 新潟の野球関係者には、現実離れした構想よりも現実的な試合招致(エコスタ以外での二軍戦も含め)にもっと力を尽くしていただきたいと思います、

 ちなみに、エコスタでのプロ野球開催を振り返る観点から「個人成績レベル」にまで掘り下げた自由研究を一応進めてはいますが、いつ完成するかは分かりません(^^;;

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