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番外 本当の自分とは 10 精神障害について

【結論】身心の不調を感じたときは、精神の不調も疑いましょう

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本当の自分」について、「こんな本を読んだ 番外篇」にて考えています。この考察が、若い人への参考となればさいわいです。

最終回は、「精神障害について」

「本当の自分」とは 目次ページ

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精神障害について


「こんな本を読んだ 番外篇」で、「本当の自分」について考えています。最終回です。

いままでの考察は、いずれも、各人が精神的に安定した状態で追い求めるであろう「本当の自分」を対象としています。もちろん、精神的にやや不安定であっても、それを追い求めることは悪いことではありません。

しかし、精神障害(注1)といわれる疾患を持っている人の場合、自己(自分)への評価が正当なものではないことが多くあります。

たとえば、うつ病の場合、自己肯定感の極端な低下や自責などがあらわれます。精神障害では、自分を見失ってしまう状態におちいることが多いのです。

いまは、ほとんどの精神障害は脳の機能障害、すわち脳の病気と考えられています。

以前は、「心の病気」と考えられることが多く、そこから「心がけの病気」と誤解されることがありました。すなわち、「なまけている」「がんばりがたりない」とされることが多かった。

さすがに精神障害への理解もひろがってきましたが、まだそんな誤解もなくなったとはいえません。

「自己」と深くむすびついている脳、その機能障害に対しては、適切な対応が必要です。「心がけ」の問題だからと、がんばったり、無理解な他者が介入することは、深刻な自己の危機を引き起こしかねません。

私も若いころに深い気分の落ち込みを経験したこともありますが、いまはそのようなことはありません。現在、精神障害の当事者ではなく、また、専門家でもありません。したがって、私が医学的・科学的なアドバイスを提供することはできません。

私が申し上げることができるのは、もしあなたが身心の不調を感じたときは、精神の不調も疑いましょうということだけです。そして、なすべきことは、自己流の対処や民間療法にたよらず、カウンセラーや医療機関などの専門家に相談することです。

(注1)厚生労働省が精神障害の代表例としてあげているものは、統合失調症、気分障害(うつ病・双極性障害)、てんかん、依存症、高次脳機能障害です。

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「本当の自分」についての考察は今回までです。私なりにいちおうの結論を得たと思います。しかし、まだ、どうしても釈然としないものがあります。

それは、「自分らしく生きたい」と思う人の多くが感じる「生きづらさ」についてです。

「自分」というものをつきつめたとしても、そのような人たちの痛みの原因がわからない。

このことについて、後日、あらためて考えてみたいと思います。

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