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小説

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物語です。
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#現代

ディアスク2 2

2/
 枕元に置いてある目覚まし時計が音と振動を僕の頭へ伝えてくる。
 朝だ。
 僕は煩わしさを感じながらゆっくりと閉じていた瞼(まぶた)を開けた。
 部屋の窓を覆っている薄めのカーテンを通して優しい朝日が僕の目に入ってくる。
 「……んんー」
 次にベッドの中でゆっくりと伸びをする。
 「ふぁー……」
 そのまま欠伸をしたところで徐々に体が五感、その他諸々の機能を取り戻していく。
 五感が正常に

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bullet 2

(作成途中のため、内容の変更や執筆の中断をする可能性があります)

 2/
 「――なんてことがあったんすよ」

 月曜日、夕暮れの部室で俺は昨日の一連の出来事を語っていた。
 部室にいるのは二名。
 俺と奥の机で自前のノートPCを操作している部長だけ。
 もっとも、だけという以前にそもそもこの部活に登録されている部員は二名のはずなので、これが通常である。
 春、俺が入学したばかりで右も左もわから

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bullet 1

(作成途中のため、内容の変更や執筆の中断をする可能性があります)

 この物語はたった一発の銃弾をめぐる物語。
 「君の願いはなんだい?」
 きっかけは些細なもので、究極論、たったその一言で始まった。
 あるものにとっては、非日常と日常の交差点の物語。
 あるものにとっては、巻き込まれた少年のフォローの物語。
 あるものにとっては、自らの悲願を叶えるための闘争の物語。
 あるものにとっては、歪んだ

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ライフインホワイト 2

 サークル棟は相変わらず騒がしかった。
 多くの学生がたむろしているロビーを抜け、階段を上がる。
 階下の喧騒から少しだけ離れるが各部室からは賑やかな声が聴こえていた。
 既に斜陽が指し始めるこの時間は、自分と同じように一日の講義を終えた学生も多くなってくる。
 そうなれば必然的にサークルに訪れる者も増えるわけだ。
 そんな騒がしい部室を尻目にサークル棟の階段をさらに上がり、そして奥へと進む。
 

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ライフインホワイト 1

 「んぁ……」
 頭の近くに置いてあったスマホがピリリリ……とアラームを鳴らしていることに気付き半ば強制的に覚醒することになった。
 なんとも清々しい朝である。
 カーテンを開けてみれば、心地の良い晴天と冬場特有の冷気がさらに心身の覚醒を促した。
 「あー……」
 おはよう、という相手もおらず言葉にならない声を発した。
 一人暮らしなのだから当たり前である。
 だんだんと明確に覚醒しだした頭にはス

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シャチ

 ピピピピピ……――
 枕元に置いてあるスマートフォンが軽快な音を立て、曖昧な微睡みの中から現実へと引っ張り上げてくる。
 おそらく、多くの人間がそうであるようにいくら私と言えど決していつも通りの充分な睡眠とは言えない状態であっては目が覚めることを本能的に拒否してしまうものだ。
 スマートフォンのアラームを無視してそのまま微睡みの中に戻ってしまおうと、もぞもぞと芋虫のような緩慢な動きで布団を被りな

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bullet 6

(作成途中のため、内容の変更や執筆の中断をする可能性があります)

4/
 ザァー――という雑音が耳を突く。
 普段なら気にもしないような雑音もイラついた頭にはよく響く。
 先程傘を買うために立ち寄ったコンビニでついでに買ったミントガムを口に突っ込み、噛む。
 幾分か気紛れにでもなるだろう。
 目の前の信号が赤になった。
 立ち止まる。
 こんな雨の中でも多くの車と人が交差点を行き交う。
 その中

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bullet 3

(作成途中のため、内容の変更や執筆の中断をする可能性があります)

 既に日の沈んだ真っ暗な港の倉庫群の中に青年が一人。
 喪服のような黒スーツに黒いハットを目深に被った男の姿は、少しでも気を抜けば周囲の闇と同化し、姿が捉えられなくなってしまいそうだった。
 コツコツと青年の革靴が地面をける音だけが周囲の巨大な倉庫に反射する。
 やがて、青年は大きな扉にNo.206と書かれた倉庫の前で立ち止まった

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bullet 5

(作成途中のため、内容の変更や執筆の中断をする可能性があります)

 0/
 「どうぞ」
 スーツを纏った精悍な顔つきの男が丁寧にドアを開けた。
 ビルの一室。
 表の通りを見下ろせる大きな窓、机と対面に置かれた革張りのソファーが2脚。
 それと観葉植物の置かれた質素な部屋に通される。
 尤も質素なのは見た目だけで、ソファーと机だけでいくら飛ぶのか考えるのが面倒になる程度には高級な物である。
 そ

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bullet 4

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 3/
 火曜日。
 妙にどんよりした天気だった。
 同様に俺の気分も一日中どんよりだった。
 雨が降るのか降らないのか、寝坊したせいで天気予報を確認し忘れた俺はわからなかったのだが、通学中に道を行く学生やスーツを着たサラリーマンがこぞって傘を片手に歩いていることに気付き、朝から落ち込むこととなった。
 そして、何より俺の精神をこ

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