ひゃくま
主に風島清景、琴占言海、宇野耕輔とその周辺のお話
物語です。
大体金曜日に書きます。 大した文章は書きません。(いつもの短編は大体火曜日です)
不思議な道具とかが出てくる話
異世界モノです。 (元は転生モノだった) 短編です。
1/ 教室の窓から綺麗な夕日と共に吹き込む涼やかな風がカーテンを揺らす。 「……はぁー」 俺――風島 清景(かざしま きよかげ)は一段落ついた目の前のプリントや教科書の類から、窓の外の夕日に染まる街に視線を移し、深呼吸の変わりに長めの溜め息を吐いた。 「む、もう終わったのか?」 頬杖をつきながら窓の外を眺める俺の対面から声が掛かる。俺は視線をその声の主――対面にいる少女へと戻した。 「ん、あぁ、とりあえず一段落は着いた」 「そうか、私も今終わったよ」 対面に
地面を蹴る。 FPにより強化された脚力は、一般の人間ではありえない推進力を生む。 足が地面を離れる直前にFP能力を操作し、強力な推進力を得た身体を前に跳ばす。 一瞬のうちに数メートルの距離が吹き飛ぶ。 着地。 また地面を蹴り上げた。 地下鉄の線路上を、普通の人間ではあり得るはずもない、それこそ線路の上を本来走るはずであった地下鉄と同程度の速度でトゥーリアが駆ける。 スピードを緩める事は無い。 足が地面から離れ、身体が宙に浮く一瞬の隙間でちらと後方を確認する
五月に入りました。 私はたぶん嘘だと思ってます。 五月なわけがない。 いくらなんでもそんな早く時は過ぎませんよ。 え、嘘じゃない? ほんとに五月……? …………。 どうしましょうね。 暖かくなったので畑仕事の季節ですね。 うちの庭の手伝いを今年もしました。 そんなに広くないとはいえ、広くなければそれはそれで人力で作業することになるので大変です。 冬の間に固まった土を起こして、肥料を蒔いて、混ぜる。 これをやっただけで汗だくになりました。 でも、正
『グ……グゥオオォォォオオ!!』 大音量の咆哮が地下空間全体に響き渡り、壁や柱が震えた。 あまりの音量にトゥーリアは片耳を押さえ、顔を顰める。 が、悠長にしている時間など無い。 立ち上がり、構える。 黒い怪物と目が合った。 そこに人間の意識のようなものは、もう既に何一つ感じられなかった。 瞬間、怪物が撃ち出されたような速度でトゥーリアへ一直線に向かって来た。 今度は油断しない。 瞬時に練り上げたFPで再び突風を起こすが、射ち出す先は怪物ではなく地面。 合
この一週間ほどで遂に桜が咲きました。 暖かい日が続いてますからね。 ただ黄砂やら何やらは時折ひどいので、あんまり外に出る気にはならないですね。 そして、よく考えてみれば『花見』ってしたことほとんどないです。 私の住んでる地域には『花見』の文化ってないよなー、と思いました。 4月に入って、新年度が始まった影響だと思うんですが、最近好きなバンドの今年のツアー情報が上がって来たりしています。 当然、私はライブに行く為に日程をチェックするわけなんですが、現時点で結構忙
「死にたくない」と呟き続ける少年の身体の震えはどんどん強くなっていく。 先程から、その調子だったので様子がおかしい、ということに気付くのも遅れた。 「? ……ッ!?」 少年の身体の振動に合わせてFPも小さく振動していることに気付き、トゥーリアはほぼ反射的に地面に倒した少年の身体から離れた。 「死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない」 少年の身体の震えは止まらず、同時にFPも小さく振動を続ける。 ありえない。 少年はつい先ほどまでF
今週、天気の話なんも無いな……。 暖かくなったけど、天気が崩れ気味なのであんまり良くないです。 でも、雨降るってほどではないみたいなので別にそれほど……って感じです。 最近、そういえばちゃんとやったことないな、と思って今更Switchのスマブラ買いました。 たぶん、めちゃめちゃ世代なんですが、家に任天堂の据え置き機がファミコンとスーファミしかなかったので、スマブラって買ったの初めてです。 なので、友達の家に行くと必ずと言っていいほどスマブラやりましたけど、毎
深い暗闇の中、今更抵抗をしようと男がもがく。 しかし、戦闘慣れに加え、FPによる肉体強化の恩恵を受けるトゥーリアに背中の中心を抑え込まれているため、ジタバタと情け無く四肢が動くだけだった。 数十秒程、その状態が続いたが、やがて男は抵抗が無駄であることを悟ったのか動かなくなった。 男の動きが収まったのを見計らって、トゥーリアは空いている片手でコートから先程しまったライトを取り出して相手の顔を照らした。 柔らかな金色の髪を短く切り揃えたその顔は男、というよりも少年と言っ
暖かくなったのはいいけど、この時期は砂埃やら花粉やらが多くて嫌ですね。 なかなか鼻の調子がすっきり治らなくて相変わらず薬漬けです。 おかげで悪くは無いから、良しとします。 ちょっと前になるんですけど、BUMP OF CHICKENのライブに行ってきました。 ツアー中の『ホームシック衛星2024』ですね。 これがですねぇ、一言で言えば「過去最高だった」と言わざるを得ないぐらいにはちゃめちゃに最高でした。 今回のツアーは要するに過去のアルバム『orbital pe
視線に気付いた段階でこちらのライトは消した。 地下鉄構内を照らすのは相手の持つ小さなライトだけで、トゥーリアの目にはかなり頼りなく、淡い光が届くだけだ。 相手の足音が響く。 「何処だッ!! 出てこいッ!!」 校内に響く男の声は、威勢のこそ悪くないが、震えていた。 再び足音が響く。 相手は、こちらの位置を特定しているわけではないようだった。 ここでトゥーリアは悩む。 相手を倒しに行くべきか、このまま隠れてやり過ごすか。 隠れてやり過ごすのは、少し難しいだろう
私が艦これを始めてから、もう既に九年近く経っていて、その間ほぼ毎日のようにやっています。 『艦これは生活』なんて、以前はよく目にしたものですが、本当にそんな感じです。 そんな感じで生活しているので、この艦これのイベント海域というものが無事一通りクリアできると(堀りに関しては置いておく)、生活にも一段落して解放された気分になります。 そんなわけで、イベントやっとクリアしました。 もう数日で終わるので、危なかった……。 前置きを書いたのは、単純に自分のクリア迄の行程
階段を下りきったトゥーリアの目の前には広い空間が広がっていた。 照明の設備は無いのか、あっても電気が無く機能していないのか真っ暗な闇が広がるばかりで、空間が広いということも自分の足音の反響具合とFPによる大雑把な走査で得た情報だった。 『運び屋』は様々な環境に身を置きながら、様々なモノ、或いはコトを運ぶのでこういう時の装備も最低限は備えてある。 数秒、耳とFP感覚を澄まして少なくとも周辺に人の気配がないことを確認してからコートの内ポケットにしまってあるライトを取り出し
やっと、まともに暖かくなってきました。 暖かくなってきたんですが、私の身体の調子は良くないです。 具体的に言うと鼻炎がひどくて、先日やっと病院に行きました。 急性蓄膿症ですって。 やば。 この日記も結構長く続けてきましたね。 あ、先に言っておきますが別に今年度で終わり、とかの話ではないです。 調べてみると今年の11月で丸五年以上続けているみたいですね。 毎週書くことがないと言いながらも頑張ってます。 この日記、基本的に世間一般のニュースの類は取り上
窓から飛び出したトゥーリアの身体を重力はすぐに掴まえた。 落下が始まる。 地上七階からの自由落下は、人間一人を破壊するには十二分だろう。 何もしなければ。 トゥーリアは静かに、そしてごく自然にFPを瞬時に練り上げた。 生み出した効果はすぐに現れる。 落下を始めているトゥーリアのコートの裾を風が揺らした。 初めはフワリと、そしてやがて突風に変わり、トゥーリアの落下を受け止め始める。 完全に落下を止めるには至らずとも、FPによる身体強化を加味すれば、問題無い。
ちょっとのっぴきならない事情で今週の日記は休みになります。 『のっぴきならない』って何でしょうね。 不思議な日本語だなぁ……。
これだけあちらこちらで戦闘が起こっていれば、身を隠しながら動き回るのも一苦労だ。 少し油断した結果が足元に転がしている男だ。 相手が『オーブ』側であれば、今回の様に倒せばいいのだが、『協会』側であればそうはいかない。 なので、どちらにも見つからないのが一番だった。 その上で、『オーブ』側の者でも、倒せば面倒なことがあった。 トゥーリアは通信機器と一緒に抜き取っていたゴルフボール大の球体を目の前に持ち上げた。 白濁した水晶の玉にも、半透明の大きな真珠のようにも見え