ひゃっほい太郎

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  • 異界巡礼走 全10回パック

    異界巡礼走全10回をまとめました。マガジン購入でお得に(半額で)全て読むことができるようです。興味のある方は是非。※全て実話ですが、一部ホラー要素も含みますので苦手な方はご注意下さい。

記事一覧

20240815 24/144

あれから三ヶ月。 極まり、転じる瞬間は訪れるのだろうか。

20240813 ついに

ついに手を出してしまった なんだろうこの違和感は 肉体的変化はない なんというか身の引き締まる感じ 表層的なことだけなのに おじさんが笑みを浮かべている 郷愁を誘う…

20240806 現実と寓話

長い息を吐いて気持ちを落ち着ける。ここまでおよそ一時間半。身体から絞り出た水分が全身を伝う。折り返してからが本番だ。先日は途中で誘惑に駆られ、思わず自販機に寄っ…

20240802 1998

はぁはぁはぁはぁ どんどんスピードが上がる。太ももを上げるたびに飛び散る汗がさらに拍車をかける。呼吸は粗さを増し、視界は急激に狭まっていく。 気づけば駅のホーム…

13

20240801 ここ

何の感情も持たないものに憧れるんだ。 じゃあ、今すぐ人間をやめて、ロボットにでも何でもなればいいじゃない。 そう言うことじゃないんだけどね。 感情を持たないって…

18

20270731 光

光がある。 それは単純なマイナーコードから始まる。抑揚のない和音が何度も鍵盤に叩きつけられると、のっぺりとした金属が形成される。その無機質な和音が崩れるにつれ、…

15

20240726 にほひ

右肩から匂いがする。 試しに左肩を嗅いでみるが、特に匂いはしない。やはり、右肩から匂いがする。不快な匂いではなく、夏の暑さを和らげるような爽やかな匂いだ。 河川…

17

20240725 蝙蝠傘の女

ほんの少しだけ奇妙な話。 朝の河川敷コースは道路と交差しているところが何箇所かある。なので、信号を回避するため、土手から一旦川辺に降りてまた登り返すということを…

15

20240724 ぬくもり

何世代も前から続く遠い記憶、あるいはこの先に待ち構えている遠い記憶がふとした瞬間に蘇ることがある。 はて、あの花はなんだろうか。 家の軒先に見慣れない白い花が咲…

18

20240723 ほんの数秒の出来事

何気ない日常の出来事が、なぜか強く記憶に刻まれることがあると思う。 数日前のことだ。 いつものように河川敷を走っていると、ひとりの若い女性が走って来るのが目に入…

13

21kジョグ
2時間しか寝れんかったけど昨日より快走

9

21kジョグ
惑星直列みたいにカーブで知らんおっさん同士3人並んだわ

6

色々とさっぱりしたい時にどうぞ

9

昔ながらの出前の人がバイクで転けてたけど3つの茶碗蒸しらしきものを文字通り死守してた。プロや。

7

20240718 oboe

オーボエの音色が好きだ。 と言うのも、今朝河川敷を走っている時にオーボエの音色がどこからともなく聴こえてきたからだ。 どうやら、川沿いの土手に続く階段の中段付近…

25

20240717 フォイ

えっ、何だって。うまく聞き取れなかったので、もう一度言ってもらえませんか。 フォイです。ホイでもフイでもなく、フォイです。 フォイ…それは、えっと、ヘボン式でエ…

20

20240815 24/144

あれから三ヶ月。
極まり、転じる瞬間は訪れるのだろうか。

20240813 ついに

ついに手を出してしまった

なんだろうこの違和感は
肉体的変化はない
なんというか身の引き締まる感じ
表層的なことだけなのに

おじさんが笑みを浮かべている
郷愁を誘うのだろうか
なにも特別なことじゃない
これが求める本来の形であって
まだ始まりに過ぎない

20240806 現実と寓話

長い息を吐いて気持ちを落ち着ける。ここまでおよそ一時間半。身体から絞り出た水分が全身を伝う。折り返してからが本番だ。先日は途中で誘惑に駆られ、思わず自販機に寄ってしまった。くそっ、この程度で。昨年の今頃なら三時間程度無給水でいけたはず。ペットボトルの水をかぶかぶと飲みながら情けなさに打ちのめされたことが思い出される。今日はどうだろうか。リズミカルな動きと呼吸だけに意識を集中しながら夏草の合間を走っ

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20240802 1998

はぁはぁはぁはぁ

どんどんスピードが上がる。太ももを上げるたびに飛び散る汗がさらに拍車をかける。呼吸は粗さを増し、視界は急激に狭まっていく。

気づけば駅のホームにいる。

繋いでいた手が離れる。何て言ったのだろうか。自分の声がうまく聴き取れない。夕日に染まる横顔がゆっくりと黒い髪に覆われていく。電車の発車音が鳴り響く。

はぁはぁはぁはぁ

強い朝日を背後に力強い走りへと変えていく。呼吸は次第

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20240801 ここ

何の感情も持たないものに憧れるんだ。

じゃあ、今すぐ人間をやめて、ロボットにでも何でもなればいいじゃない。

そう言うことじゃないんだけどね。

感情を持たないってそういうことでしょ。いや、ロボットなんてあなたには贅沢だわ。その辺に落ちてる木の枝で十分よ。

ハハハハハ。

それにしても今晩どうするの。

こんばん…

晩御飯よ。もう、勘が鈍いわね。ばんごはん。もうこんなに歩いたんだもの。すっか

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20270731 光

光がある。

それは単純なマイナーコードから始まる。抑揚のない和音が何度も鍵盤に叩きつけられると、のっぺりとした金属が形成される。その無機質な和音が崩れるにつれ、風に舞い上がる砂埃のようにキラキラと輝き始める。

光がある。

メランコリックな間奏が始まると、その両端は、つまり光の境目は、ぼんやりとし始める。それはまるで明確な意志を持って観察者を惑わせているようだ。

光がある。

さまざまに拍子

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20240726 にほひ

右肩から匂いがする。

試しに左肩を嗅いでみるが、特に匂いはしない。やはり、右肩から匂いがする。不快な匂いではなく、夏の暑さを和らげるような爽やかな匂いだ。

河川敷を覆う夏草に混じって、何か特殊な草花でも咲いているのだろうか。流れる景色を押しやりながら、キョロキョロと辺りを見回してみる。秦軍のように夏草が猛威を奮っているに過ぎない。

何の花やったかな

嗅いだことのある匂い。身体を流れる血が覚

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20240725 蝙蝠傘の女

ほんの少しだけ奇妙な話。

朝の河川敷コースは道路と交差しているところが何箇所かある。なので、信号を回避するため、土手から一旦川辺に降りてまた登り返すということをしている。だが、ここ最近雑草の茂りが凄く、他に回避場所はないだろうかと探っていたところ、川とは反対側の道路に降りて回避できるコースを発見した。

土手と交差する道路の下に20mほどのトンネルがある。車一台分が通れるほどの狭いトンネルだ。朝

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20240724 ぬくもり

何世代も前から続く遠い記憶、あるいはこの先に待ち構えている遠い記憶がふとした瞬間に蘇ることがある。

はて、あの花はなんだろうか。

家の軒先に見慣れない白い花が咲いているのを見つけた。それからしばらくして河川敷を走っていると、夏休みに入ったのだろうか、小学生くらいの女の子が少し年配の男性とキャッチボールしているのを見かけた。

桃のようようたる…

続きはなんだっけな…

20240723 ほんの数秒の出来事

何気ない日常の出来事が、なぜか強く記憶に刻まれることがあると思う。

数日前のことだ。

いつものように河川敷を走っていると、ひとりの若い女性が走って来るのが目に入った。

ひとつに結んだ長い髪が走るリズムに合わせて振り子のように揺れている。口は少し開いているものの、その表情からは強い意志と余裕が垣間見える。黒いタンクトップから飛び出た腕は、まるで水面から今にも飛び立たんとする水鳥の羽のようにたく

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21kジョグ
2時間しか寝れんかったけど昨日より快走

21kジョグ
惑星直列みたいにカーブで知らんおっさん同士3人並んだわ

色々とさっぱりしたい時にどうぞ

昔ながらの出前の人がバイクで転けてたけど3つの茶碗蒸しらしきものを文字通り死守してた。プロや。

20240718 oboe

オーボエの音色が好きだ。

と言うのも、今朝河川敷を走っている時にオーボエの音色がどこからともなく聴こえてきたからだ。

どうやら、川沿いの土手に続く階段の中段付近で、一人の女性が楽譜を眺めながらオーボエを奏でている。

少し距離があるのでよく見えないが、歳は20代から30代のように見える。きつい日差しを防ぐように薄いピンク色のキャップを被り、そのキャップの後ろから束ねた髪が元気よく飛び出している

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20240717 フォイ

えっ、何だって。うまく聞き取れなかったので、もう一度言ってもらえませんか。

フォイです。ホイでもフイでもなく、フォイです。

フォイ…それは、えっと、ヘボン式でエフ、オー、アイと入力した時のあのフォイですか。

これがキーワードになります。まさに鍵ですね。この言葉を発することでその扉は開き、真っ白で真四角の部屋へ入ることができます。

ちょ、ちょ、ちょっと待ってくれよ。一体全体何の話をしてるんだ

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