ひゃっほい太郎

2023.2 異界巡礼走 twitter https://twitter.com/h…

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  • 異界巡礼走 全10回パック

    異界巡礼走全10回をまとめました。マガジン購入でお得に(半額で)全て読むことができるようです。興味のある方は是非。※全て実話ですが、一部ホラー要素も含みますので苦手な方はご注意下さい。

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異界巡礼走⑴ まえがき

⑵序・第一章 巡礼>> まえがき この話は全て実話である。 西国巡礼を通して、自分の身に起こったこと、感じたことを、ありのまま書いていきたいと思う。余計な脚色はせず、事実だけを淡々と書くことに専念するつもりだ。 だが、正直なところ、これを書いて本当にいいものなのか躊躇している。よくある旅行記などではなく、現実離れした突飛な内容であるため、あまりの荒唐無稽さに、一部の読者は腹を立ててしまうかもしれない。そして、筆者自身の人間性を疑われかねない内容であるというのもその理由だ

    • 20240813 ついに

      ついに手を出してしまった なんだろうこの違和感は 肉体的変化はない なんというか身の引き締まる感じ 表層的なことだけなのに おじさんが笑みを浮かべている 郷愁を誘うのだろうか なにも特別なことじゃない これが求める本来の形であって まだ始まりに過ぎない

      • 20240806 現実と寓話

        長い息を吐いて気持ちを落ち着ける。ここまでおよそ一時間半。身体から絞り出た水分が全身を伝う。折り返してからが本番だ。先日は途中で誘惑に駆られ、思わず自販機に寄ってしまった。くそっ、この程度で。昨年の今頃なら三時間程度無給水でいけたはず。ペットボトルの水をかぶかぶと飲みながら情けなさに打ちのめされたことが思い出される。今日はどうだろうか。リズミカルな動きと呼吸だけに意識を集中しながら夏草の合間を走っていく。だめだ。意識すればするほどに誘惑に駆られる。キンキンに冷えたジョッキに入

        • 20240802 1998

          はぁはぁはぁはぁ どんどんスピードが上がる。太ももを上げるたびに飛び散る汗がさらに拍車をかける。呼吸は粗さを増し、視界は急激に狭まっていく。 気づけば駅のホームにいる。 繋いでいた手が離れる。何て言ったのだろうか。自分の声がうまく聴き取れない。夕日に染まる横顔がゆっくりと黒い髪に覆われていく。電車の発車音が鳴り響く。 はぁはぁはぁはぁ 強い朝日を背後に力強い走りへと変えていく。呼吸は次第に安定する。 さようなら

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        異界巡礼走⑴ まえがき

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          20240801 ここ

          何の感情も持たないものに憧れるんだ。 じゃあ、今すぐ人間をやめて、ロボットにでも何でもなればいいじゃない。 そう言うことじゃないんだけどね。 感情を持たないってそういうことでしょ。いや、ロボットなんてあなたには贅沢だわ。その辺に落ちてる木の枝で十分よ。 ハハハハハ。 それにしても今晩どうするの。 こんばん… 晩御飯よ。もう、勘が鈍いわね。ばんごはん。もうこんなに歩いたんだもの。すっかりお腹が減っちゃって。それこそロボットになりたい気分だわ。 な、感情なんて必要

          20270731 光

          光がある。 それは単純なマイナーコードから始まる。抑揚のない和音が何度も鍵盤に叩きつけられると、のっぺりとした金属が形成される。その無機質な和音が崩れるにつれ、風に舞い上がる砂埃のようにキラキラと輝き始める。 光がある。 メランコリックな間奏が始まると、その両端は、つまり光の境目は、ぼんやりとし始める。それはまるで明確な意志を持って観察者を惑わせているようだ。 光がある。 さまざまに拍子を変化させたかと思うと、最後は四分の五拍子に落ち着く。安定したベースラインの上に

          20240726 にほひ

          右肩から匂いがする。 試しに左肩を嗅いでみるが、特に匂いはしない。やはり、右肩から匂いがする。不快な匂いではなく、夏の暑さを和らげるような爽やかな匂いだ。 河川敷を覆う夏草に混じって、何か特殊な草花でも咲いているのだろうか。流れる景色を押しやりながら、キョロキョロと辺りを見回してみる。秦軍のように夏草が猛威を奮っているに過ぎない。 何の花やったかな 嗅いだことのある匂い。身体を流れる血が覚えている匂い。目を閉じるとわぁーという男たちの怒号とともに金属が擦れ合う音が聞こ

          20240725 蝙蝠傘の女

          ほんの少しだけ奇妙な話。 朝の河川敷コースは道路と交差しているところが何箇所かある。なので、信号を回避するため、土手から一旦川辺に降りてまた登り返すということをしている。だが、ここ最近雑草の茂りが凄く、他に回避場所はないだろうかと探っていたところ、川とは反対側の道路に降りて回避できるコースを発見した。 土手と交差する道路の下に20mほどのトンネルがある。車一台分が通れるほどの狭いトンネルだ。朝は地元の方の抜け道となっているのか、意外と車の往来があるので気をつけなければなら

          20240725 蝙蝠傘の女

          20240724 ぬくもり

          何世代も前から続く遠い記憶、あるいはこの先に待ち構えている遠い記憶がふとした瞬間に蘇ることがある。 はて、あの花はなんだろうか。 家の軒先に見慣れない白い花が咲いているのを見つけた。それからしばらくして河川敷を走っていると、夏休みに入ったのだろうか、小学生くらいの女の子が少し年配の男性とキャッチボールしているのを見かけた。 桃のようようたる… 続きはなんだっけな…

          20240724 ぬくもり

          20240723 ほんの数秒の出来事

          何気ない日常の出来事が、なぜか強く記憶に刻まれることがあると思う。 数日前のことだ。 いつものように河川敷を走っていると、ひとりの若い女性が走って来るのが目に入った。 ひとつに結んだ長い髪が走るリズムに合わせて振り子のように揺れている。口は少し開いているものの、その表情からは強い意志と余裕が垣間見える。黒いタンクトップから飛び出た腕は、まるで水面から今にも飛び立たんとする水鳥の羽のようにたくましい。 大きく開いた胸を流れる汗に太陽の光が反射している。その眩しさは、身体

          20240723 ほんの数秒の出来事

          21kジョグ 2時間しか寝れんかったけど昨日より快走

          21kジョグ 2時間しか寝れんかったけど昨日より快走

          21kジョグ 惑星直列みたいにカーブで知らんおっさん同士3人並んだわ

          21kジョグ 惑星直列みたいにカーブで知らんおっさん同士3人並んだわ

          色々とさっぱりしたい時にどうぞ

          色々とさっぱりしたい時にどうぞ

          昔ながらの出前の人がバイクで転けてたけど3つの茶碗蒸しらしきものを文字通り死守してた。プロや。

          昔ながらの出前の人がバイクで転けてたけど3つの茶碗蒸しらしきものを文字通り死守してた。プロや。

          20240718 oboe

          オーボエの音色が好きだ。 と言うのも、今朝河川敷を走っている時にオーボエの音色がどこからともなく聴こえてきたからだ。 どうやら、川沿いの土手に続く階段の中段付近で、一人の女性が楽譜を眺めながらオーボエを奏でている。 少し距離があるのでよく見えないが、歳は20代から30代のように見える。きつい日差しを防ぐように薄いピンク色のキャップを被り、そのキャップの後ろから束ねた髪が元気よく飛び出している。 太陽が反射してきらりと光るキイを巧みに操りながら、何度も何度も同じフレーズ

          20240717 フォイ

          えっ、何だって。うまく聞き取れなかったので、もう一度言ってもらえませんか。 フォイです。ホイでもフイでもなく、フォイです。 フォイ…それは、えっと、ヘボン式でエフ、オー、アイと入力した時のあのフォイですか。 これがキーワードになります。まさに鍵ですね。この言葉を発することでその扉は開き、真っ白で真四角の部屋へ入ることができます。 ちょ、ちょ、ちょっと待ってくれよ。一体全体何の話をしてるんだ君は。 その部屋に入ったら必ず扉は閉めて下さい。カチッと音が鳴るので確認して下