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satiko
2019年7月31日 17:26
人間は顔ではなく肉質で決まる奇跡願っているすれ違う人一定の確率でイエス・キリストこの歌みてTwitterやる人が増えればいいしょうもない神託をうけた気がする午後の微睡みノアの箱舟ボトルメール流してみたい潮の流れでまたすぐ戻って来る涙は人間が作る海の最小単位ですルージュの伝言残そうとして清掃の苦労思いて思いとどまるMPもないくせに「パルプンテ」と唱えてみる氷を砕く今世
2019年8月1日 20:41
隔離解除まで待っていたのかグラウンドのソメイヨシノ深夜の病院で合わせ鏡に立ってみたけどまだ何もないしんしんと幻聴がある真夏の雪が積もる音さみしい夢を見ていた気がするのとお姫さま お薬増やしておきますねと王子さま人類はもう古いこれからは電気羊の時代だ秘密の質問に秘密にしていたこと訊かれて我動揺す母の鳴らす熊避け鈴頼りに幻想の山を往く二段階認証第一問 幼き頃の夢を答えよ(悪
2019年8月3日 20:42
「パプリカ」と声に出して言ってごらん とても寂しい気持ちになるから砕けんばかりに鳴く蝉しぐれ砕けとばかりに言葉と意思の接地面 たぶん「愛」って形になるよ幼子の出鱈目な歌詞がアメリカ近代史と偶然の一致愛せぬなら光れ 光れぬなら鳴け 鳴けぬなら光るまで待つよホトトギス「さよなら」と手を振る人達あれはまともな目だったキティちゃんの箸落ちるのを眩しそうに見ている祖母の眼差し星座
2019年8月5日 13:01
トマト煮えるスピードは涙の落下と同じスピード○万人と括られた無数の悲しさ身にしみて神の仕業を見た気がする架空人物おもいて生没年月日社会の教科書から探す教え子から思いがけず男性器名称出でて笑ってしまった後の気まずさペットボトルの水落ちる 未消化のアダムの林檎嚥下したり同じ振り袖着て かたや女将 かたやきゃりーぱみゅぱみゅ泣きじゃくったあと 外れたつけまつげに震えるシルバーラメ
2019年8月6日 12:49
友の名を詠みいれることに躊躇いおぼえる 人をフィクションにしていくようでそうめんは嫌いという母の声きいて茗荷を冷蔵庫の奥に隠す残酷な事象に蓋をして過去と書いてしまっておくどこまで行けども道は道 よろめきながら星の欠片ポケットに拾う月見台の如く扱われるディズニーランド土産のカンカン(クランチチョコレート入り)もはや賢者になりたる祖父の家で見つける用途不明の法律用語辞典ダイアモ
2019年8月8日 17:14
長雨のち快晴新元号まだ気温の調整上手く行かないらしい自由欄に詩人と書こうかしばし迷いて無職に○を打つ希望幸福何でもあります100円以外の商品もあるダイソーの二階クーラーの風は潮風のにおい十畳ワンルームに鯨のたうつ黄色い物ほどカロリーは高いと言いつつ夕焼色のジャム塗っている。これもひとつの幸福点だね「そこになければないですね」と品出ししている店員 ザ・幸福と書いてあるプレートの下
2019年8月12日 21:35
ベッドサイドに置かれた手紙鉛筆の文字しらじらと光る命になれなかった血の海をトイレで眺めている母体は時々死をはらむ彼らは生まれながらに全て持っていた東京生まれ東京育ち生きたいと死にたいの間ドリンクバーだけでわたしたち時間つぶしてる受け取った花束ググり恐ろしい意味の花言葉探す命短いほどいきものは可愛いわたしはかわいくない命ですかわいい命かわいくない命短い程いのちはかわいい生
2019年8月14日 21:55
さかさまの世界揺れるレースカーテンに指先で触れるさようならに慣れてないんだよもう勘弁してくれ許してくれ氷は寂しいもの寂しいものを削って蜜かけてさいわいにする金平糖水に溶かして薄甘い水にするこれは星をとかした水光走っていく追えばよかった同じ隕石痕になりたかった握った手が開かないさっき月を掴んだばかりわたしたちはアンドロイドになれない生身のオブジェクト持て余している郊外駅近
2019年8月15日 20:34
人の首刎ねるがごとくスライドして嫌いな人間消すここからならどこへでもいけます春分の日ポストにひとひら投函す♡をそんなに簡単に使ってよいのかTwitter兵どもが夢の後兵ども乗せるゆりかもめが汗吸って少し沈むお前この後に及んでそんなところにいたのか湯船の中脇の下の泡旅先で宛先のない手紙を投函するもう二度と戻ってこない私の筆跡生理用ナプキンにまかれた香料にへきえきする朝そういう
2019年8月20日 21:11
手紙書いて破らずに捨てるここから届け海は遠しピアスの数は残機の数です顔白く悲しみの最中にある人に絵文字のバラひとつ贈るぬいぐるみ増えても母は物言わず埃が増えたことだけが確か塵積もりて歳月となる指でなぞる部分に涙の痕部屋のすみ何かいるような気がして薬飲むこれは不安に効く薬と言い聞かせる板チョコを割るがごとく時間割り口に放り込んで過ぎたことにしたい踊れ踊れレモンひとひら紅茶
2019年8月22日 16:27
平日の昼に横臥する我欠けたる平日のパズルピースのひとつ柿食えば鐘が鳴るなりオメガとアルファなるならば代わりがあってもなくてもどっちでもよいものがよかった千切れた雲ゆらゆら背広の下のかきむしり痕思い出すアレルギー体質の彼汚れるのなら、綺麗じゃなければなんでもよかった レモンの果汁 血液 タンパク質すり減らぬスニーカー底 わたしが代わりにすり減りて本懐を遂げぬ朝顔は夜明け前に咲
2019年8月27日 20:56
わたしあそこにいるはずだったの民族化粧してとびら島開く秋の下 未洗礼の清いからだ引き摺って生きてくこうすると旨いんだと残酷なことをして肉を食べている色のない場所にいた気がするんだと狂いし時のメモに残っている寂しさに色をつけようレモンの果皮に似た色を樹皮剥ぐようにペディキュア拭う赤いコットンこれは死んだものの一部もしかして三分後に世界は終わるんじゃないかという予感にガスを確か
2019年9月5日 20:58
半月の削れる音が無い夜に代わりに母の手がリンゴ剥くあらゆる日が切々と積もる歳月の塵のひとつに気遠くなりにけり人生の痛みに慣れてしんと下向く 私の居る場所誰か見ているすれ違う雑踏の香水に首惹かれている ああ、あの香はどこかの誰かの指先から放って。放って。チークブラシ朱く染まるピアス開けているあの人の讃美歌が一等美しい元旦の登山で助けたあの人は神様だったろうか分かりもしないが
2019年10月2日 17:23
ツイッター凍り飛ぶ鳥も落ちる夜これは訓練ではない休暇もらいて生家に帰ったばかりに空襲に遭った友の話 祖父の心は幾度とあの日に帰りぬ永遠なんてあるわけないぢゃんと少女の食べるアイスクリーム地に落ちて溜まりをつくるプリクラが止めし時間刻まれた片がゲーセンの片隅に ほらこれは麻薬ですという風体をしてストロング系チューハイコンビニに並ぶスマホ触りつつ工事音に耳を塞ぐどこからかブリオッシ