見出し画像

人間関係、メンタルヘルスに悩んだとき、元気になるための思考法

「いつの間にか、他人のために生きていないだろうか」
仕事や人間関係に疲れたとき、また元気な自分になるために、いつも私はここに立ち戻ることにしている。

 私たちにとって人とのつながりは不可欠なものである。生まれたときには家族がいて、社会に出ると会社で同僚ができ、大切な人との出会いもあるだろう。

親の存在がなければ社交辞令やマナー、衣食住のような生きていくために必要な知識を学ぶことはできないし、一人では重たい自動車を引っ張れないように、職場に仲間がいなければ大きな仕事は成し得ない。

つまり、私たちは人とのつながりがあるからこそ、社会で生きていくための方法を学ぶことができ、人が集まり世の中を動かすほどの大きな力が発揮できるのだ。

 ただし人のつながりというものは、いつも私たちに良い影響を与えるとは限らない。

近年リモートワークを始めた会社では、働き方に自由が出来たと肯定的な意見がある。しかし一方で、特に若手の社員からは、仕事で分からないことがあっても質問しづらい、上司と顔を合わせる機会が少なく自分がどのように評価されているか不安などという声が聞かれるようになった。

このような人間関係の行き違いはリモートワークに限った話ではない。意思疎通が上手くいかず関係がギクシャクしたり、周りと比較され自信を失うことで、私たちの心は傷つき、場合によっては体調を崩して心身の病気になることだってある。


元気になるための方法

 これは仕事や人間関係のストレスで疲れたとき、元気に働くために大切にすべき私の思考法である。図にも示したように、①〜④の順にステップを踏んでいく。

①自分にさせたくないことはしない > ②自分にしてあげたいことをする
> ③他人にさせたくないことをしない > ④他人にしてあげたいことをする


 職場での人間関係が上手くいかない。顧客の期待に応えたいのだが、なかなか結果が出ず悩むことが多い。そんな毎日を過ごし自分に負荷をかけ過ぎてはいないだろうか。

もしこのような状態が続いており、「好きなことが楽しめない」「肩こりがある」など心身の状態に変化があれば、それは休息のサイン。そんなときには他人のことを気にかけるのはいったん止めて、「自分にさせたくないこと」に意識を向けてほしい。

 今回の記事は、仕事や人間関係で気持ちが疲れてしまったときに、そのストレスを上手く対処し、元気な自分を取り戻すための方法を紹介していく。


1.「自分にさせたくないこと」をしない

元気になるための方法①

 近年、職場においてうつや適応障害によって休職する人が増えており、従業員のメンタルヘルスを含めた健康経営が課題になっています。
メンタル不調になる主な原因には、職場の人間関係が上手くいかない、業務量が多い、裁量がなく仕事をコントロールできない(言い換えると他人の意思で働き方が決められ、言われるがまま仕事をしている)などがあります。
仕事はあくまでお金を稼ぎながら、自分らしい生き方を実現するための手段です。無理して働いて自分の健康を損なったり、あなたの大切な時間を犠牲にしていないか、一度ご自身の気持ちと向き合ってみてください。

〇十分な睡眠が取れているか
 良い睡眠を取ることは、日中の眠気対策になるのはもちろんですが、ネガティブな気持ちを抑えるなど、精神的な安定にもつながります。仕事で遅れを取りたくないと夜遅くまで自己啓発の本を読んだり、仕事のことが頭から離れずぼぅーとテレビを観て夜更かししたりしていませんか。仕事が上手くいかないときこそしっかり寝て、リフレッシュして、良い状態で明日を迎えて一日一日を大切に過ごしましょう。

睡眠については厚生労働省のこころの耳というサイトが参考になります。https://kokoro.mhlw.go.jp/e_sleep/

〇リラックスできる時間があるか
 あなたが仕事のことを忘れていられるのはどんなときですか。私の場合は、趣味の油絵で筆を走らせているとき、没頭し日常のことを忘れリラックスすることができます。これに限らず、山登りをして自然に触れたり、本業とは関係のない副業やボランティア活動に参加するなど、何か夢中になれるものであれば何でも良いです。「仕事のことはさて置け!」と頭の中から会社の人間関係を放り投げ、自分のためだけのリラックスした時間を過ごしましょう。

〇自尊心を保てているか
 仕事や人間関係が上手くいかないとき、他人と比べ「なぜ自分はこんなに出来が悪いのか」と責めてしまいがちです。しかしそのようなときにすべきなのは、自分自身を落ち込ませることではなく、今出来ていることに注目しそれを伸ばすこと、上手くいかない原因を見つけて改善することです。
信頼できる人に意見をもらいつつ、まくし立てる人の言葉には耳を貸さず、あなたが良いと思った方法で前に突き進んでください。もし間違いに気付いたら、それを素直に受け入れてまた改善すればいいのです。


2.頑張った時には「自分にしてあげたいこと」をする

元気になるための方法②

 仕事にやりがいがあるのが一番ですが、必ずしも自分がやりたい仕事に就けるとは限りません。自分が苦手な作業でもある程度出来るようになる必要がありますし、人間関係においても、異動や離職者が出ることで仕事量が増えたり、新しい上司や同僚と歩調を合わせて仕事をしなければならないこともあるでしょう。
そんな働くうえでのストレスは上手くいなし、仕事が一段落したときには「よく頑張ったね」と自分をたたえて、ご褒美をあげましょう。

〇栄養があり、美味しいものを食べる
 毎日の忙しさから、炭水化物や塩分の多い食事ばかり摂っていませんか。また頭を使った後に糖質をとるのは有効ですが、ストレス発散とばかりに甘いものを食べていると、頭痛や倦怠感の原因になります。
心身の健康を維持するためにも、栄養のあるものを食べたり、たまには好物をお腹いっぱい食べて幸福感を得るなど、食事の摂り方を見直してみてはいかがでしょうか。

〇いつもよりちょっと高いものを選ぶ
 お金を使うことは良いストレス発散になります。いつも頑張っている自分へのご褒美として、ちょっと贅沢なお金の使い方をしてみてはいかがでしょうか。例えばお酒のつまみをいつものスーパーではなくちょっと高級な店で買ってみたり、評判良いの美容室に行って髪を切るなど、良いものを手に入れたときの喜びは自己肯定感を高めてくれ、気持ちを前向きにしてくれます。

〇軽い運動をする、銭湯に行く
 身体を動かすことが好きでしたら、ウォーキングやジョギングなど軽い運動をしてみましょう。体を動かすことで交感神経が活発になり、落ち込みがちな気持ちを前向きにしてくれます。もし普段から頭を使う作業が多いなら、走るときに足の裏が地面につく感覚に意識を向けることで、全身の感覚が研ぎ澄まされリラックス効果があります。銭湯に行ってリフレッシュしたり、サウナに入って自律神経を整えるのもお勧めです。

サワイ健康推進課様のホームページで、運動の効用について詳しく読むことが出来ます。
https://kenko.sawai.co.jp/body-care/201803.html


3.「他人のため」を自分の原動力にする

元気になるための方法③

 あなたにとって理想的な職場とはどのようなものでしょうか。悩んでいるときに気にかけてくれたり、時には厳しい言葉で励ましてくれる。そんな人間関係が職場にあるといいなと思います。
自分の仕事が大変なときに、無理して他人を気遣うことはありませんが、もし余裕ができて、周りに悩みを解決できずに困っている人がいるのなら、気にかけて、手を差し伸べてあげましょう。あなたの小さな気遣いでその人を笑顔にすることが出来たなら、きっとそれはあなたの原動力にもなるはずです。

〇孤立させない。声かけをする
 あなたの周りに表情が固く、浮かない表情の人はいませんか。その人はもしかすると、仕事が上手くいかず落ち込んでいたり、職場できつい上司に目を付けられて孤立しているのかもしれません。
そんな時は「どう?最近上手くいってる?」と声を掛けてみてください。その人にとって、気にかけてくれる人がいるだけで心強いですし、あなたの一言が悩みを解決するきっかけになるかもしれませんよ。

〇失敗を責めない。行動したことを称える
 自分の失敗して悔やみ落ち込んているときに、周りから追い打ちをかけるようにだめ出しされたら、良い気持ちはしませんよね。場合によっては、真面目に頑張るなんてばからしいと、挑戦することを止めてしまうかもしれません。もしそんな同僚や後輩を見かけたら、あなただけでもその人の行動を称え、失敗した経緯に耳を傾けてあげましょう。
その時の聞き方として「慎重な〇〇君がこんなミスをするなんて珍しいね、何か問題があったの?」と失敗の原因がその人のミスなのではなく、外的要因があったことを考慮する言い回しにするとより話しやすくなるでしょう。

〇緊張させない。安心して仕事ができるようにする
 スピーチや発表会の直前になると緊張してしまい、言葉が震えたり、肩が竦んでしまうことは誰にでもあるでしょう。仕事中も同じでまだ馴染めていない職場だったり、周りからの視線を感じると、仕事が上手くいくか心配でおぼつかなくなったり、会話も本音で語れず取り繕うようになります。
そんな時には、その人の気持ちを解きほぐすように、ゆっくりとした口調で話したり、干渉し過ぎず遠くで見守ってあげるなど、落ち着いて働ける雰囲気を作ってあげましょう。


4.あなたにとって大切なものは何か

元気になるための方法④

 目的や動機があると人の学ぶ意欲は高まり、成果にも結びつきやすくなります。例えば、会社が推奨しているという理由だけで資格を取るのではなく、手当がもらえたり、将来やりたい仕事につながることを知っていれば、より熱心に勉強するでしょう。
資格の例を挙げましたが、これは対「人」に置き換えらることができます。大切な人に不自由の無い生活をさせてあげたいとか、自分と同じつらい思いをしている人の力になってあげたいという動機があれば、より人を元気にするために一生懸命になれるでしょう。

あなたが大切にしたい、元気づけたいと思う人は誰ですか。

・両親
・子ども
・友人、知人
・自分の周りにいる悩んでいる人 など

人に何かをしてあげたいという気持ちは、生きていく目的や動機を与え、あなたの人生をより充実したものにしてくれます。


ー最後にー

 長い人生、悪いときがあるのだから、きっと良いときもある。

 人生というものは楽しいことばかりではない。職場での人間関係が上手くいかなかったり、仕事で結果が出せずにいるとき、その憂うつな表情を取引先に見せる訳にもいかず、自宅に帰る頃には疲れ果てて、週末には洗濯物が山のようになっている。

こんな毎日を続けて、自身の成長を感じられずにいたら「自分は何のために生きているのか」と問いたくもなるだろう。

でも、自分が将来どうしているかなんて、誰にも分からないものだ。だから、いつになったら今のつらい状況から抜け出せるのかと、いくら考えても答えは出るはずもない。

だからこそ、自分が今出来ることをしよう。それは将来の変化に期待して、目の前のことに向き合っていくことである。つらいことがあっても自分を追い詰めることはせず、笑顔で自分を慰めながら、良い未来が早く来るようにと、歩幅を広げて歩いていこう。

こうして明日の自分、一ヶ月後の自分、一年後の自分がどうしているのか、なんとなく見えるようになったとき、きっと、あなたの将来への不安は消えているだろう。

そして不安がなくなったとき、一歩退いて、俯瞰的に自分の人生を眺めてみよう。きっとつらい経験や大変だった出来事は、あなたの生きた軌跡として、穏やかな気持ちで思い出せるようになっているはず。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?