雑煮にあん餅入れたら正月変わった
正月も近いので、皆様に朗報をお届けしたいと思う。
雑煮にあん餅入れると正月変わるよ。
そもそも正月の雑煮というものには地域性があるらしく、大別するとすまし汁系と味噌系の2つに大別できるらしい。
さて筆者自身は大阪で生まれ育ったので、基本的にはシンプル丸餅の入った白味噌の雑煮を食えば「正月来たなぁ」と感じる体になっている。ただ3年ほど前に香川に引っ越してきてからは、あの雑煮を食わねば正月を迎えられる気がしない。
あん餅雑煮である。
あん餅雑煮の存在を認識したのはおそらく小学生くらいの頃だ。祖父が香川出身ということで「昔はあんこの入った餅やったけどな」とボソッと口にした。しかし生粋の大阪生まれ大阪育ちの祖母はそんな祖父の言葉をなきものにして、あん無し丸餅の白味噌雑煮を作っていた。そのため私の母もあん餅雑煮を炊くなんてことはなかったのである。
祖父が祖母と出会って60年近くになるそうだが、あん餅雑煮が美味いだけに彼の長年の郷愁を思うと涙がこぼれそうになると言ったらウソになる。
ただ涙はこぼれないまでも、その美味しさは折り紙をつけたくなるほどなのだ。
そもそも白味噌の味噌汁になじみがないという日本国民の方は、まず今年はすまし汁と合わせて、白味噌の汁も作ってみてほしい。独特の香り、甘さ、塩気が癖になること間違いない。そしてそこにあん餅を入れるのだ。
味噌汁の塩気とあんこの甘さが織りなすハーモニーは、この料理以外には存在しえない味を生み出す。
※より香川風にするのであれば出汁はいりこ(煮干し)から取ってほしい。ちなみに香川県は和三盆や金時人参も特産品なのでALL香川な雑煮を是非。
祖母や母には申し訳ないが、私はこの正月の雑煮については大阪を売ってしまって久しい。そのため、大阪を望郷する気持ちなど白味噌と一緒に溶かしてしまえとも思っている。もはや香川のあん餅雑煮こそが心の故郷なのだ。
新たな正月を体感したいそこの貴方。
本日12月28日。まだ間に合う。
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