私は「ヒト」から「人」になる
カマキリのメスはオスを食べるらしい。
いつの日か耳にした。
そんなことを昨日思い出した。
ミニトマトに目をやると、カマキリがいる。
「こいつはオスか?それともメスか?」
結局、雌雄は分からず終いだったのだが、そこにいたのヒトという生き物は、
「オスだったら、近々食べられるのかなぁ」
と少しそのカマキリを見つめていたものである。
なぜカマキリのメスはオスを食べるのか。
それは交尾後に卵に栄養(アミノ酸)を送るためらしい。
科学的な事実をいえば、たしかにこれ以上でもこれ以下でもない。
しかし、私は、
「オスは自分が食べられることを知っているのだろうか?それともメスに食べさせてあげているという感覚なのだろうか?」
と思ってしまう。
本能で動く彼らに、こんな感情はないのかもしれない。
でも、もし私が家族や子どものために自分の生を捧げることになるのだろうかと想像すると、カマキリのオスに感情移入せざるを得ないのである。
共食いという行為自体はきっと惨たらしい。
しかし、その惨たらしさの奥に彼らの「生」があるのなら、私はその惨さを少し垣間見たくなっている。
そう思うのはきっと、私が「ヒト」ではなく、「人」でありたいと思うからではなかろうか。
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カマキリは野菜のダメージを与える虫を捕食してくれるいわゆる「益虫」です。
雑草との共生を目指しているも、畑にいろんな虫が集まってきました。
雑草の名前や生態は少しずつ覚えてきたので、次は虫たちの生き方も見つめていきたいなと思います。
というわけで、本日はこれにて。
ご清読ありがとうございました。
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