リウマチに効く温泉と「いい人止まり」の男

温泉成分表

「お前って、しっかりこの表とか読むタイプなん？」

温浴施設の脱衣所の壁にかかった「成分表」を見つめる私に友人は言った。
飲食店で注文した後もメニューを熟読する私は、割とこの手の表を読むのも好きだ。無論、なんちゃらガンマンだとかその詳細を理解しているわけではない。

それでも、肩凝りだとか皮膚病だとか効能の部分くらいは私でも理解できる。その効能を知ってから入浴すると、なんだか肩の凝りが和らぐ気がするのだから不思議なものだ。

何にでも効く温泉

さて、温泉成分の表を眺めていると、特定の何かに効くタイプと何にでも効くタイプの温泉があるように思う。

「リウマチ・くじき・腰痛、以上。」といったようなストロングスタイルで勝負している温泉もあれば、これに皮膚病、婦人病、糖尿病などとありとあらゆる病気に効く温泉もある。

ただ、なぜだろう。リウマチについてはどの温泉の効能にも含まれているように思う。

リウマチに効く温泉みたいな男

「いい人なんだけど、ごめんなさい」

と意中の女性にフラれたことがある。私自身も、もう少し若いころはこのフラれ文句に右往左往していたわけであるが、数年前のある女友達のアドバイスがとかく腑に落ちた。

「大抵、男なんてみんないい人なんよ。だからいい人ってだけでは、他の男と大差ないねん」

つまり、いい人はリウマチに効く温泉みたいなものだ。そんな温泉、この世にごまんとある。

心のリウマチ

20代の私の周りには、リウマチで悩んでいる人はいない。つまり、リウマチは高齢者が患いやすい症状なのだろう。

ならばより一層「僕、リウマチに効くんです！」なんて言っても、若くして手や指に炎症を発生させているなんて奇跡が起きない限り、意中のあの子は振り返らない。もっとも温泉みたいな男なぞ、なんじゃそれという話でもある。

というか、こんなことより、
心のリウマチに効く温泉ありませんかね？