器という立体のストーリーは、極めて立体的でありました【瀬戸内の離島・手島】
ペンやパソコンって、ほぼ毎日使うけど、時には手に取らない日も。
ただお皿やコップって、どんな日だろうと手に取るわけで。
家でインスタントラーメンを作るときも、おしゃれなカフェでコーヒーに呼ばれる時も。
そんな器づくりをすこーしだけ、学んできました。
香川県丸亀市・手島にて。
手島と陶芸家たち
というわけで、本日は私が暮らす讃岐広島のお隣、手島にやってきました。
この島には陶芸家3の若者が3名移住してきており、今日はそんな彼らと島の人びとが陶芸体験をさせてくれるとのこと。
ひたすらに雑草を抜く
というわけで、さっそくクルクル粘土を回すかと思ったそこのアナタ。
今回はまず器に使う材料を獲りに行くところから。
なんで雑草を獲るのかという話ですが、これを灰にして「釉薬」というものに変えていくていくそうです。
ざっといえば、器の柄を決める上塗りだそうです(詳しいことはgoogleさんに聞いてね)。
彼らは雑草はもちろん、手島のひまわりや唐辛子もこの「釉薬」の原料にしています。実際、作品を見せてもらうと原料によって、色やツヤに差があったりして面白いのです。鑑賞はもちろん、お料理に合わせて釉薬毎に器を使い分けれたらカッコいい説。
というわけで、他の参加者の方とお話ししながら、ひたすらに抜く。
抜く、抜く、抜く。ただ実際は抜くよりも運ぶ方がしんどかったりもします。
抜くこと2時間。綺麗サッパリです。before/afterがわかりにくいかもしれませんが、、、
工房で学ぶ
雑草を抜き終わると、陶芸家の皆さんの工房を見学。
ただ器を成形するだけでなくて、
といった説明を受けて、
作品ではないテストピースも見せてもらいました。個人的には、完成品だけではなく、こうした完成品に至る試行錯誤が見えると俄然興味が湧いてくるというか。完成品はお金をかければショップで手に入るけど、こうした試行錯誤は現地に行かないとお目にかからないので。
器を成形する
さて、お昼を食べた後は、いわゆる想像通りの「陶芸体験」。
各々に粘土が配られます。これも彼らが手島でスコップ片手に掘り出した粘土だそうです。
レクチャースタート。今回はこの粘土を「ひも状にして積み重ねていく」方式で器を作るとのこと。
上の絵のような状況を想像していたのですが、これはとっても難しいらしい。また逆に紐を積み重ねていく方式でしか出せない風合いもあるとか。
というわけで、写真はこれにて。なぜなら手がドロドロだったので、写真は撮れず・・・。詳細はぜひ現地・手島で教えてもらってくださいね。
レクチャー終盤になると、皆の前に思い思いの作品が出来上がっていました。私も何度も先生に助けてもらいながら、「焼酎グラス」を作ってみたのです(写真撮ってないけれど)。
後日、焼き上がりをプレゼントしてくださるとのこと。
ずっと焼酎のお湯割りを作るグラスを探していたので、到着が楽しみです!
器ってこうやってできるんだな
さて、このような手島の陶芸家さんのinstagramアカウントには
とあります。随所で、
「器がどうやってできているのか、できていくのか」
を伝えようとする陶芸家さんの姿が印象的でした。
「私たちが普段使うのは完成された器であって・・・」なんて偉そうなことを私が言えるわけでもなく。完成された器しか知らない私にとっては、
皿は皿であって、グラスはグラス。だから、器は器。
それ以上でもそれ以下でもない。
なんていう感覚で生きてきました。
それでも、一日だけとはいえ、器が形作られていく過程を学ぶと、器に眠る生い立ちや成長といったストーリーが目に浮かぶように現れてくるように思うのです。そういやお気に入りのマグカップは何からできているんだろう?
器という立体のストーリーは、極めて立体的でありました。
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完成品以外を感じてもらうという意味では、ウチの農業体験も同じような目線でやりたいなと思うところで。
たとえばサニーレタスが成長した姿なんていうのは、スーパーで売っているそれからは想像もつかないような形や高さになります。
でも高く茎をのばして、花を咲かせようとする姿からは「レタスって本当にキク科なんだ」と菊の片鱗を感じられたりもするのです。
というわけで、手島にも皆さま一度足を運んでみてくださいね。
ぜひウチの讃岐広島と合わせて、島旅周遊にて!
いただいたサポート分、宿のお客様に缶コーヒーおごります!