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きのう、なに読んだ?

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日々読んだ本や長文記事などの、読んだ部分について紹介と感想をメモします。
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#女性

周りのハッピーや不機嫌は、私の責任?(「主婦の誕生」) | きのう、なに読んだ?

周りのハッピーや不機嫌は、私の責任?(「主婦の誕生」) | きのう、なに読んだ?

先日、ある向上心あふれる若手女性の集まりがあった。アジア系アメリカ人のキャリア女性がゲストスピーカーだったのだけれど、素敵なお話をしてくださった。うろ覚えだけど、こんな内容だった。

「わがまま」という言葉には、良くないイメージがあります。
でも、今日は皆さんに「今より少しだけ、わがままになって」とお伝えしたい。

私たち女性、中でもアジア系の女性たちは、周りの人に尽くすこと、周りを優先することを

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社会は「慣習の束」でできている (『日本社会のしくみ』)| きのう、なに読んだ?

社会は「慣習の束」でできている (『日本社会のしくみ』)| きのう、なに読んだ?

『1940年体制』を読んだ流れから『日本社会のしくみ』の前半と、いったん真ん中を飛ばして終章に目を通した。これは、大好きなタイプの本だわー。Kindleでハイライトしてたら、終章なんてほとんどハイライトになってしまったじゃないか。

本書の狙いは、ざっくり言うと、こういうことだ。

本書が検証しているのは、雇用、教育、社会保障、政治、アイデンティティ、ライフスタイルまでを規定している「社会のしくみ

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「82年生まれ、キム・ジヨン」--親しいひとに異を唱える難しさ

「82年生まれ、キム・ジヨン」--親しいひとに異を唱える難しさ

友人のお勧めで「82年生まれ、キム・ジヨン」を読んだ。韓国で100万部のベストセラーになり社会現象化した小説で、日本でもヒット中らしい。私も都心の大型書店の目立つところに本書が陳列されているのを見た。

私が実際に読んだきっかけは、友人の推薦。はじめはちょっとピンと来てなくて、読み始めるまでしばらく積ん読だったけど、読み始めたら止まらず、最後まで一気に読んじゃった。思ったこと、考えたこと、たくさん

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男女平等のほんとうの意味 ("The Moment of Lift" by Melinda Gates)| きのう、なに読んだ?

男女平等のほんとうの意味 ("The Moment of Lift" by Melinda Gates)| きのう、なに読んだ?

私は、女性が働くことにまつわるあれやこれやには自分ごととして関心があり、私より若い世代の皆さんがより良い働き方や暮らし方になったらいいなと願っている。そんな文脈でいろんな方の話をきくと、例えば

「男女分け隔てなくしてほしいけど、じゃあ体格差のある男女が同じように重い荷物を運ぶのか。」だとか、

「フェミって怖いから、いや。」

などという声が入ってくる。なんだかなあ、と釈然としない気持ちになりつ

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「女に生まれてモヤッてる!」 : システムの内側からバグを見つける

「女に生まれてモヤッてる!」 : システムの内側からバグを見つける

「女に生まれてモヤってる!」(ジェーン・スー、中野信子)読了。凄く共感したというのとはちょっと違うし、「モヤモヤする」「モヤる」という言い回しも好まないのだけれど、自分の自分に対する無意識バイアスにどうやって気がつき、修正していくか、という考え方が参考になった。

まず前書きで、社会規範を「システム」、女性であるが故にかかえる課題を「バグ」に例えたのが面白い。バグなんだから直せそうな感じがする。感

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コードとダイバーシティー ("The Moment of Lift" by Melinda Gates) | きのう、なに読んだ?

コードとダイバーシティー ("The Moment of Lift" by Melinda Gates) | きのう、なに読んだ?

メリンダ・ゲイツは、ビル・ゲイツの妻にしてゲイツ財団の共同議長。ビル・ゲイツと本当に対等なパートナーとして、ゲイツ財団の活動を引っ張っている。初の著書 "The Moment of Lift" を読み、昨日は「翻訳書、ときどき洋書」に寄稿する感想を仕上げていた。そちらの原稿には書かなかったけど、本書にあった「コードとダイバーシティー」の話がとても腹落ちしたので、メモしておく。

本書のタイトル T

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