名付けは突貫工事の姉弟
猫の奈々は、初夏に生まれた
「夏にちなんだ名前をつけよう」
うちの苗字としっくりきたのが「奈々」になった
付けてみると夏らしさが見られない
うちの母は、わたしの名前以外に
「さくら」を用意していたが
他に「ももか」「ひかり」もあったという
「ももか」は3月のイメージで
4月生まれに合わないとの意見に
「さくら」を用意して、出産に臨んだ
弟は早産で生まれた
チアノーゼで産声をあげない赤ん坊は
両親の期待通りに行かず、男の子
用意した名前
「かな」「あや」「ふみか」は必然的に却下
名前は即席で付けられた
わたしの名前も出生届を出すまで「さくら」
書類を前に、用意した名前にも掠らない名前
わたしも弟も、突貫工事のように
猫の奈々や犬のななより素早く、思いつきで
40年以上使っている、名前は
名は体を表すじゃないが、テキトーな性格が
名付けから始まっていたのか
笑ってしまう