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あなたの骨身にわたしは居る

あなたがパートナーよりも先に亡くなったとしたら、残されたパートナーに、あなたに代わるパートナーと出会い、幸せになることを望みますか?
それとも、ずっと自分がパートナーにとっての最後の人であることを望みますか?

https://note.com/piccolotakamura/n/n4e43d4f1a11d

本日も山根あきらさんからのお題

そうだな…相手には私へ代わるパートナーを
見つけてほしい
相手が望む進路を歩んでくれたらいい

彼女はあなたの言うことを聞いてくれるから
「嫌なことはイヤなの」
私から怒られないね

「自由なヤツ」
気まぐれな私を心配する必要がなくなったね

「そんなに給料をもらっているのか?」
スマートに会計してくれる彼女に
私より気が利くと安堵してね

古くて思い入れがある、アレが片付いて 
「部屋の中はいつもサッパリしているのがいい」
昭和が漂うアレを私と語った日を忘れてね

LINEの返信が早くて
「どこに行きたい?」「どこでもいい」
自分ばかり優先されていると考えないでね

虎屋の前を通ったとき
「ももに羊羹を食べさせてやろう」
レジに向かう機会がなくなったね

夜、車が来ないからって赤信号でも渡る彼女を
追いかけながら
もう、私が居ないことを実感しないでね


あなたの両親の命日に届いていた献花が
来年はあなたが買った、菊の花だけになる


先に逝っちゃったけど、ごめんね
私、地獄の釜で宴会しているのが愉しくて
あなたは長生きして新しい天国を堪能してね

#フィクション #ショートショート
#あなたへの5つの質問 #山根あきらさん