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大人向け絵本エドワード・ゴーリー【うろんな客】

エドワード・ゴーリーという絵本作家がいます。

子どもには不向きな
不気味で不条理な絵本が多いのですが、
どこか美しくて、
真理を突いている。

怖いのばかりではなくて、
シュールでほっこりするものもあります。

文学的には、古典的な型なのに、
中身はシュール。
このアンバランスさが不思議な魅力。

なんか癖になる。何度も読んでしまう。


この説明のしようのないゴーリーの世界観を日本語にして楽しませてくれるのが柴田元幸氏。

全作、趣向をこらした翻訳で、素晴しい。


「うろんな客」



この作品はなんと、短歌形式の訳!
原文が、シンプルながら見事な韻文なので、
短歌形式で伝えてみようと試みられたそう。
(柴田さんのあとがきでは、散文訳も載せておられます。)


風強く 客もなきはず 冬の夜
ベルは鳴れども 人影皆無


下の句の最後は、どれも漢字四文字でしめているので、
ページを続けて読み進むほどにリズムが生まれてくる。

英語の原文も載っているので、比べるのも楽しい。


嵐の夜に、突然やってきたおかしな客。
挙動不審で、迷惑な行動ばかりとる。

見かけは変てこだし、言葉を解さないし、
時がたつにつれ、欲張りに・・そして破壊的に・・
かれこれ17年もたつのに、一向にいなくなる気配なし・・。

ずいぶん長い滞在のお客さんですよね。


うろんな客の正体わかりますか?




「優雅に叱責する自転車」


ありえないことだらけ、文章は矛盾だらけ。
なぜだろう・・。どういう意味だろう・・。
などと頭で受け止めるのはやめて、
このシュールさに身を委ねてしまうのがよいでしょう。
心が開放されます。

何度も何度も読み返してしまいます。飽きるほどに。
幼児が「読んで、読んで」
と何度も同じ絵本を持ってくるのと同じ。
これぞまさしく大人の絵本ですね。


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