見出し画像

孤独な愛を描いた【日出処の天子】

壮大な歴史と愛の物語に、
全てを読み終わって、
魂を抜かれてしまいました。


厩戸王子

時代は日本古代の飛鳥時代。
誰もが知っている聖徳太子の厩戸王子として過ごした
少年期を描いた作品。

彼が、超能力者で同性愛者だったという
設定で描かれていますが、

超能力者というより、
どっちかというと呪術者的な能力。

同性愛者というより、
母から愛されなかった少年が辿り着いた愛の形。
女性を已み嫌うあまり、
成人男性の安定した包容力に憧れを抱いたのでは、
と私は思う。



恋する気持ちや嫉妬に狂うさまもありますが、
起点は「孤独」。


才能にも家柄にも恵まれた王子が、
孤独から逃れるようと、
もがき苦しむ姿は切ない。



一番語りたいのはラストについて、
なのでネタバレにならないよう気をつけますが‥




美郎女との出会い

美郎女と出会い、妻とする。
厩戸王子の内面を完結させています。

一番愛を欲しかった人から愛されなかった王子。

最終2.3ページを繰り返し、繰り返し眺めて、
王子の心穏やかなシーンに
涙しました。

当時には珍しい形、
夫婦の一つ屋根の下の暮らしは、
まるで親子のよう。


実母とも別々に暮らしてたから、
これこそが彼が望んだ安らぎ。




最終ページの素晴らしさは、
床の間にでも飾って、毎日眺めて
心を震わせたい。




繋がる奇跡

穏やかでありながら
どこか寂しさの残るラストに、
率直な感想は、

「王子はこれで幸せだったの??」


このラストから、私たちが歴史の授業で見知った
聖徳太子となるのです。

だから、即、Wikipediaで調べて、

遣隋使、冠位十二階や十七条憲法など
摂政として、念願だった国を動かすこと


やりたいことをやれたんだ!

あー、子どももできたんだー


うん、これでよかったんだ!
とWikipediaを読んで完結しました。

史実とマンガを混同してるイタい奴のようですが💦


山岸涼子さんも史実の中で、
こうだったらいいな
とストーリーとキャラを考えられ、

結果、史実と繋がってしまったようです。

私もマンガのラストから十七条憲法まで
妄想で繋げましたよ!


聖徳太子があまりに凄すぎて、
実は、存在しなかったんじゃないか説が
浮上するほどの謎めいた人物だったらしい。

それならむしろ、
こっちの物語が事実であってほしいです。
それほどのリアリティと人間臭さもあります。


最後に

1980年から連載された本作品。

この時代の少女マンガは、重厚な名作が多い。

前半は、主要な登場人物の内面を丁寧に描写。
歴史的な時代背景や権力者たちの思索、思惑など。

後半は衝撃展開から一気にラストまで
読ませます!!

前半の丁寧な人物描写で、どっぷり感情移入しているから、後半の展開が身に刺さってきます。



画像1


#日記 #エッセイ
#毎日投稿 #毎日note  #毎日更新
#学び #習慣 #生活 #暮らし #人生

画像2







この記事が参加している募集

マンガ感想文

サポートいただきました温かいお心は、他のnoterさんにも繋げていきます。有料記事を買ったり、サポートしたり、みんなで頑張っていきたいです。